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今週のリフレクション【組織の未来はエンゲージメントで決まる(新居佳英氏・松林博文氏)】

今週は、新居佳英さん・松林博文さん共著「組織の未来はエンゲージメントで決まる」を振り返ります。ザックリ3点で要約すると・・

1.エンゲージメントとは「従業員の一人ひとりが企業の掲げる戦略・目標を適切に理解し、自発的に自分の力を発揮する貢献意欲」。従業員満足度は組織から、与えられるもの。モチベーションは、個人が感じるもの。ロイヤリティは、上下関係を生み出すもの。エンゲージメントは、相互の対等な関係に基づくもの。

2.①人材の流動化が進み、②クリエイティビティが求めらる環境では、エンゲージメントが必要。今、日本のエンゲージメントは低いが、高度経済成長期には高かった。ビジョンで選び合っておらず、環境・業務・人材と組織形態がマッチしていないことが原因。働き方改革も、労働時間とエンゲージメントの掛け算で考える必要がある。

3.①職務、②自己成長、③健康、④支援、⑤人間関係、⑥承認、⑦理念戦略、⑧組織風土、⑨環境の9つが、エンゲージメントを左右するキードライバー。キードライバーは互いに相関し、エンゲージメントは日々変化する。ビジネスでの価値の生み方が競争×管理から創造×協働に変わる中、リーダーは、ビジョナリーであり、深い対話ができるコミュニケーション力があり、人間関係・信頼関係が築ける力が必要。

エンゲージメントという言葉を聞く機会が増えているように思います。書籍にもある通り、終身雇用が当たり前ではなくなり、雇用が流動化している今、企業と従業員は選び選ばれる対等な関係に変化しつつあるのだと思います。

では、企業がエンゲージメントを向上させるとはどういうことでしょうか?それは、一言で言えば「組織開発」ということだと思います。外部環境や自社のリソースを踏まえて、従業員全員が活躍できる「働きやすさ」と「働きがい」を提供する仕組み作りです。

そのためには、①現状を可視化して、②経営層が覚悟を持ち、③本気で対話する。そんなプロセスが必要だと思います。様々あるサーベイは①の可視化をするための優れたツールです。しかし、可視化したからと言って状況が好転するわけではありません。組織課題の原因は、ほとんどの場合は根深いところにあるはずです。

だからこそ、可視化はスタートであり、表面的な対処で終わるのではなく、ドロドロした根深いところに切り込めるか?が重要です。そのためには、経営層の強いコミットメントが必要になります。ですから、担当者のイシューは「可視化ツールを使いながら、いかに問題提起に経営を巻き込むことができるか?」だと思います。

サーベイは課題解決の手段にはなりません。あくまで課題発見の優れたツール。それを念頭に置かないと、やりっぱなしサーベイになってしまいかねないと、自戒を込めて感じました。

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