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今週のリフレクション【パラドックス思考(舘野泰一氏、安斎勇樹氏)】

今週は、舘野泰一さん/安斎勇樹さん共著「パラドックス思考」を振り返ります。ザックリ3点で要約すると・・

1.感情パラドックスとは、問題の背後に矛盾する感情Aと感情Bが存在し、どちらかの感情を優先すると、納得のいく答えが出せなくなる状態。ジレンマは明確に対立が意識されているが、感情パラドックスは必ずしも対立が意識されていない。感情パラドックスは、心の構造(コンプレックス、内発的動機vs外発的動機)、世界の構造(組織の境界線、資本主義vs民主主義)から生まれる。

2.人間はめんどくさいけど愛らしいと受容し、欲張りな感情を受け入れて解決策をかしこく考えるのが基本姿勢。感情パラドックスの基本パターンは、①素直⇄天邪鬼、②変化⇄安定、③大局的⇄近視眼的、④もっと⇄そこそこ、⑤自分本位⇄他人本位。パラドックス思考の3つのレベル=①受容して悩みを緩和、②編集して問題の解決策を発見、利用して、創造性を最大限に高める、で感情パラドックスを乗りこなす。

3.①受容して悩みを緩和。悩みのタネ→マトリクス(短期/長期×具体/抽象)に整理→問題を1つに絞り→感情を深掘り→パラドックスの形式にする。②編集して問題の解決策を発見。犠牲ストーリーを特定→感情を深掘り→感情A・Bの整理(リフレーミング)→両立のストーリーを検討(切替戦略/因果戦略/包含戦略)。③利用して創造性を最大限に高める。感情Bを暴いてアイデアを揺さぶる。感情を反転させてキャリアを揺さぶる。相反する2つの目標で組織を揺さぶる。

人間とマシーンの違いは何か?ということを考えさせられました。

ビジネスの世界にいると「生産性を上げる」というナラティブが根底に流れています。いかに最小のリソースで最大のリターンを得るか、という考え方です。これは合理的な考え方で、ビジネスで成功するための基本だと思います。このナラティブに、RPAのようなマシーンが活躍する余地があります。

私は登山をすることがありますが、うっかりビジネスのナラティブで登ってしまいそうになる時があります。山頂まで3時間、帰りのバスが15:00だから、残りの行程を2時間以内に登らなければならない。よし、脇目もふらずに急いで登ろう、的な瞬間です。いやいやいや、何をしに山に来たんだって話です(笑)

私は、パッと見は遠回りに見える(生産性が悪い)ことを、味わって楽しむことができるのも人間らしさなのかな、と思います。二項対立に単純化してすぐに合理的な答えを出すのではなく、どちらの気持ちもあることを受け止めて、味わって楽しむ。結局、このプロセスが時差で人間としての成長に効いてくるように思います。

長い目で見るとどちらが本質的に生産性が高いのか。私は「人間はめんどくさいけど愛らしい」と受け入れて、パラドックスを味わって楽しむスタンスで進んでいきたいと思います。

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