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今週のリフレクション【目標が持てない時代のキャリアデザイン(片岡裕司・阿由葉隆・北村祐三)】

今週は、片岡裕司さん/阿由葉隆さん/北村祐三さん共著「目標が持てない時代のキャリアデザイン」を振り返ります。ザックリ3点で要約すると・・

1.今は目標喪失の時代。目標そのものがなくなったり、目標が無意味になるほどの想定外の変化が起こる、時代の節目。人生100年時代で企業の寿命をキャリア寿命が越え、企業主導のキャリア形成は厳しい。この時代のキャリア形成では、孤独化・スキル陳腐化・不安定化・目標喪失の4つの不安がある。この時代にキャリアを考えるには、①キャリアの判断を個人で行う、②目標を絞り込む、③目標の立て方(Willの道具化/Canの矮小化/Mustの近視眼化)という3つの限界がある。

2.目標喪失の時代は、逆に言えば新しい目標を自分自身で生み出せる 時代。3つの限界を突破するためには4ステップがある。①キャリアの目的(パーパス)を育てる。キャリアとは職業ではなく、どんな自分でありたいか。究極の差別化は、自分らしくあること。隠れている本当の自分になるのが、キャリアのゴール。笑顔になれる、しなやかな軸として、どんどん変えてOK。②体質改善に取り組む。他人の力を上手に借りるネットワーカー体質と、新しいことを学び続ける成長体質を持つ。硬直マインドセットではなく、しなやかマインドセットが大切。

3.③目標をたくさんつくる。できそうなもの、他人が提供するものは目標ではない。心が躍る/和むか?力がみなぎるか?使命感を感じるか?目標のたまごでいい。目標を実現するプロセスがキャリアを拓く。④キャリアを楽しく実践する。試しに実験。大きなリスクはとらず、スモールスタートでいい。実験の繰り返しで見えてくるキャリアの道筋がある。目標の束が結合することで、キャリアは個性化する。そして、実験から4ステップを見直していく。変化の時代に安定するとは、絶えず変化して、周囲に貢献できる自分であること。限界を突破し、想像以上の自分になる。

多くの方のキャリアを聞く中で「キャリアをデザインするのは難しいのではないか?」という疑問を持っていました。VUCAと言われる不確実な時代に、5年後の外部環境もほとんど見通せない中で、固定的な目標を掲げて逆算思考で日々やるべきことを達成することは難しいように思っています。

ではどうしたらいいのか?固定的な目標ではなく、柔軟なパーパスで方向性だけ決め、射程期間の短い(ワクワクする)目標をいくつか定めて、日々を一生懸命にやりきる。そのプロセスから思いもよらなかった発見が生まれ(=セレンディピティ)、発見の積み重ねからパーパスの輪郭が少しずつハッキリしていく。そんな、キャリアドリフト的で積み上げ的なアプローチが、今の時代にはマッチしているように思います。

そして、本にある通り、積み上げていくプロセスから「隠れていた本当の自分」が浮かびあがり、究極の差別化につながっていくのだと思います。キャリアを考える時に、つい今の自分ができることでタグをつけて差別化をしようと考えてしまいます。しかし、それでは自分で可能性を狭めてしまうことになる。今は見えていない未知のタグがあり、それを見つけることこそが本当の自分になれる=キャリアのゴール、という考え方は素敵だと思いました。

逆に言えば、いくら考えていても本当の自分には出会えないということです。自分に会った大きな方向性だけ決めて、とにかく走り出してみる。そして、たまに立ち止まって自分の方向性を見直す。自分はこのところかなり走ってきたので、もしかしたら少し立ち止まる時期が近いのかな?と、そんなことを考えさせられました。

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