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今週のリフレクション【みんなのアンラーニング論(長岡健氏)】

今週は長岡健さん著「みんなのアンラーニング論」を振り返ります。ざっくり3点で要約すると・・

1.アンラーニングしながら働き、生きるとは、①際立つ自立性=自分の好きなようにできるか、②旺盛な好奇心=損得より自分の気持ち、③非消費的な嗜好=金銭以外の報酬に高い価値、を実践すること。タテよりもヨコのつながりを大切にする、フリーエージェント的な働き方。①大きな組織に属さず、②個人の思いを実現しながら、③経済的にも成り立つ生き方。そして、大切なことは学んでいくプロセスにあるという学習観。

2.越境とは「これまで興味のなかったテーマ、直接的な利害関係が薄い人物、自分とは異なる価値観などにあえて触れていく体験を通じて、自分自身を揺さぶりながら、自分にとって当たり前な考え方やモノの見方を見つめ直し、自分の進むべき方向や目指したい未来像を探索する」こと。①ビッグアイデア・クラウド=気軽に話せるゆるい関係の自分とは違うタイプの人々とのネットワーク、②公私の間にある共(common)のマインドセット=私利私欲と自己犠牲の間にある、個人の自由意思でお互いに助け合おうとするマインド、③試行錯誤を楽しむための直感と好奇心=とにかくやってみる、失敗ありきの大前提、が越境には必要。

3.古い価値観や知識を棄て、新しい価値観や知識に入れ換えるアンラーニングが越境の成果。越境は漢方薬(予防)、ワークショップが外科手術(治療)。上司が問題設定し、部下が問題解決に専念するという組織観→効果的・効率的に組織の生産性向上を促進する装置が「学習=企業の利益に寄与する人材のパフォーマンス向上」という解釈→学習は手段という視点。学習目的を所与のものとして、目的達成の効率化を目指すのが学習の手段化。突貫工事が得意な茹でガエルを生む。変化に対応するためのアンラーニング(結果)、学習を解き放つためのアンラーニング(プロセス)の2種類がある。アンラーニング術ではなく、アンラーニング論を語り合うことが重要。

アンラーニングが得意な人と、あまり得意ではない人の違いは何だろう?という疑問があり、書籍を手にとりました。

個人的に「大切なことは学んでいくプロセスにあるという学習観」「非消費的な嗜好」という部分に特に印象に残りました。短期的でP/L的な損得勘定で越境(のようなこと)をしても、実は外の世界を自分の世界に引っ張り込んでいるだけで、越境にはならないのだと思います。

それよりも、自分が「おもしろそう」「やってみたい」と思ったことに巻き込まれてみる。そうすると、今までにはない価値観に触れることができて、私という一人称で体験を捉えることができると思います。この、『新しいこと』×『自分から』の2つか揃うことが自身の価値観をアップロードする条件なのかもしれません。

そう考えると、企業の施策で越境をする場合は「自分から」を意識したデザインがポイントになりそうだと感じました(手上げ式/選択式等)。逆に、物理的な越境(副業/転職等)をしなくても、日常の実務で「新しいこと」を「自分から」始めれば、アンラーニングの機会は得られるのだと思います。

個人的に、越境→メタ認知→アンラーニングがこれからの大人の学びには必要だと思っています。小さく越境をして、内省で言語化して、価値観をアップデートしていく。そんなプロセスを回し続けたいと考えさせられました。

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