今週のリフレクション【思考力の地図(細谷功氏)】
今週は、細谷功さん著「思考力の地図」を振り返ります。ざっくり3点で要約すると・・
1.人間の知的能力を構成するのは、①知識力、②対人感性力、③思考力。料理で言えば、食材=知識、料理人の腕=思考力、見栄え=対人感性力。思考力は新しいものや自分なりのもの、つまり「違うもの」を生み出す能力。思考力は、①知的好奇心・疑う心、②具体と抽象をベースに、③論理思考力、④直感力を活かして、⑤仮説思考、⑥フレームワーク思考、⑦アナロジー思考を扱う。全ての思考力には、論理的思考力と直感力が必要。問題発見と問題解決では、必要な価値観やスキルが全く異なる。
2.思考力の基本は疑うこと。そもそもの前提が違ったら結論も違う。偏見を持たず、事実をありのままに見る。事実は1つ、解釈は多数。理解できないことは、自分を疑う。考えるとは、上位概念でつなぐこと。具体は固有名詞と数字。解釈の自由度が低く、応用が利かない。抽象は概念。解釈の自由度が高く、応用が効く。万人にとっての共通言語が論理。差別化の要因が直感。論理は客観性の担保、直感は創造性に寄与。論理とは、①前提、②推論、③結論。論理は誰が見ても、つながっている(根拠・一貫性・客観性)。隠れた前提条件が飛躍の原因。部分は主観、全体は客観。
3.全体を俯瞰するのがフレームワーク思考。フレームワークは思考の白地図。枠の中で表現することで、理解しやすくなるが、枠を超える発想は出にくい。まず結論から考えてみるのが仮説思考。ビジネスはスピードや効率性が必要なため、65点主義で思考を進める。遠くから借りてくるのが、アナロジー思考。具体→抽象→具体のステップを踏む。常識を疑い、抽象化し、視野を広げ、遠くのものをつなげると、見える世界から見えない世界へ、人生の自由度が上がる。思考力を鍛えれば、自分の個性が出せるようになる。
論理的思考力は整理や分析に大切ですが、創造には向いていません。一方、直感力は創造の源泉ですが、説明力が弱いため展開が難しい。一見するとトレードオフに見える2つを、どうやって組み合わせるかがぼんやり見えてきました。
1つ目のパターンは、まず情報を論理的思考力で整理してから、直感(経験)で解釈して意思決定していくパターンです。こちらは、課題解決的なアプローチで、慎重な判断が必要なシーンに適していると思います。ただし、最後は意図して直感を使う=ジャンプした決断が必要なことがポイントです。
2つ目のパターンは、最初に直感(経験)で仮説を構築して、論理的思考力で検証していくパターンです。こちらは、課題発見的なアプローチで、新しい課題を設定する時に適していると思います。ただし、最初に直感を使う時に抽象化した思考が必要なことがポイントです。
他にも思考のパターンはあると思いますが、自分なりに抽象化できました。こんなことを地道に繰り返すことが直感(経験)の精度を上げ、思考力を向上させることになると感じました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?