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スポーツコーチが質の高い学びを得られるためには?
NPO法人スポーツコーチング・イニシアチブでは、4つの事業を展開しています。その中でも中心を担っているのがアカデミー事業です。
アカデミー事業では、スポーツ教育の”新しい当たり前”をともに創るために
ダブル・ゴール・コーチングの啓蒙
ダブル・ゴール・コーチングの理論と実践について学ぶ機会の提供
を目標に日々活動しています。
2022年3月16日にアカデミー事業のメンバーで二子玉川にあるco-labに集まり、スポーツコーチが質の高い学びを得られるためには?ということについて対話しました。
スポーツコーチが俯瞰して考える場がない課題
国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチが出した国際レポート「数えきれないほど叩かれて」にも多くの記載があるように、未だにスポーツ現場での体罰・ハラスメントは後をたちません。
この根本的な課題として、スポーツコーチが学びをインプットしコーチングをアップデートする機会が不足していることに課題があると私たちは考えています。
特に、スポーツパフォーマンス向上についての講習会などは数多く設けられているものの、子どもへの教育的側面について考える機会は数少ないのではないでしょうか。
3月16日に行われたミーティングの中では、スポーツ経験そのものが子ども達の将来的な影響について検討されていない現状に課題があることについて話をしました。
スポーツコーチが俯瞰し振り返る場の設計
![](https://assets.st-note.com/img/1647490201752-nlye06v1Bx.jpg?width=800)
スポーツコーチが俯瞰し振り返る場の設計のヒントになる書籍として、さとみんより「カモメになったペンギン」という書籍を参考に、ワークショップの場の設計について話合いました。
カモメになったペンギンあらすじ
最初にその危機に気づいたのは”したっぱ”ペンギンだった
◎氷山が溶けている。もうすぐ崩壊するぞ―――268羽のペンギンが暮らす氷山に、危機が静かに近づいていた。旺盛なる好奇心で、最初にそれに気づいたフレッドは、変化を嫌い、現状に甘んじるコロニーのペンギンに、少しずつ、けれども着実に自らの主張を伝えていった。そしてついにこの未曾有の危機に立ち向かう5人のチームが結成されるのである。
◎生き残るためには、僕らが変わらなければ―――チームが導き出した究極の結論。しかし、古い思考をもつ者たちの不安、根強く残る親たちの固定観念、水面下で進む既得権益者たちの妨害などあらゆる困難がグループの前に立ちはだかる。果たしてチームは変革を実行できたのか、そしてペンギンたちは生き残ることができたのか――。
日本の遥か彼方の南極で、最大の難局に直面したペンギンたちの挑戦が今、幕を開ける。
スポーツの教育的側面を再認識する場
スポーツは教育的側面もあると認識することが大切だという話になりました。もちろん、楽しい娯楽的な側面もあることは事実です。しかし、良くも悪くも子供にとって人生の一部になりえるものがスポーツだと思っています。
ただし、教えるという考え方ではなく、子ども達にとって教訓を得られる場であり、コーチや保護者は子どもの人生に”関わる”というニュアンスであることが大切なポイントだという話がありました。
教育という言葉のニュアンスについて
教育という言葉は、日本だとインプットのイメージ。従来からの詰込み型教育を想起しやすいのが教育という言葉であり、スポーツコーチング・イニシアチブが目指している教育の姿とは少し異なるのではないかという議論になりました。
その中で、どんな言葉が適しているのかを考えた時に「ライフレッスン」という言葉はしっくりくるという共感があったものの、ライフレッスンという言葉が腹落ちしない人も多いのではないかという議論がありました。
”子どもの人生に関わりを持つ”というニュアンスが伝わる言葉にはどのような言葉があるのか、模索し続けながら活動していきたいと感じました。
おわりに
VUCAの時代と言われるほど、答えがない中で人は生活することを求められる時代に突入しつつあります。そんな中でも、ダブル・ゴールは人との関係性においてヒントを得られる考え方だと感じています。
もちろん、ダブル・ゴールという考え方が”正解”になるとは思っていませんが、ダブル・ゴールという「勝利」と「人間的成長」の両側面からスポーツを俯瞰する場が、スポーツコーチ自身の豊かなスポーツライフになるし、子ども達にとって最高のスポーツ経験になるものだと感じています。
アカデミー事業においてもスポーツ現場のコーチのみなさんからたくさんのことを学びながら、日々進化し続けてより良いスポーツ環境を目指していこうと思えたミーティングでした。
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