【MLBドラフト】2023ドラフトレビューWSH編

上位10人の簡易レポと総括になります。

凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ


1(2) ディラン・クリューズ(Dylan Crews):OF:右投右打:6/205:LSU:-($9M)

フレッシュマンからOPS1.100超えをマークし続ける化け物。高校時代に指摘されていた空振りの多さを克服し、完全無欠のスラッガーへと変貌しつつある。持ち前のパワーも衰えておらず打球速度は全米トップクラス。スピードは平均以上だが、CF守備ではそれが活かされていないとも。


2(40) ヨハンディ・モラレス(Yohandy Morales):3B:右投右打:6-4/225:Miami:-($2.14M)

どの方向にもハードヒットを飛ばせるパワーとスキルを併せ持つ。積極的にスイングを仕掛け、追い込まれる前に勝負を決める。一方で、ゾーンを広げすぎてしまいボール球を追いかけることも。高校時代はSSだったが、3Bに転向。


3(71) トラビス・シコラ(Travis Sykora):RHP:右投右打:6-6/232:Round Rock HS:-($1.02M)

90マイル後半の速球とスライダー、スプリッターのコンビネーション。速球は最速で101マイルをマーク。ノビのある4シームを狙って高めに投じることができる。スライダー、スプリッターはいずれもプラスのクオリティ。特に落差のあるスプリッターは容易に空振りを奪える。


4(102) アンドリュー・ピンクニー(Andrew Pinckney):OF:右投右打:6-3/215:Alabama:-($660K)

打撃ではアプローチを見直してブレーク。四球を倍以上に増やすことに成功したが、三振は減るどころか増えてしまった点は懸念材料。前捌きが上手く、ツボにハマればどの方向にも長打を打てる。スピードは平均以上で盗塁成功率も高い。


5(138) マーカス・ブラウン(Marcus Brown):SS:右投左打:6/187:Oklahoma State:-($464.4K)

ボールを巻き込むようなスイングで欠けているパワーをカバー。優秀なコンタクトスキルでギャップに打球を落とす。守備では前後左右全方向に広いレンジをカバー。ボディバランスや送球の正確性もずば抜けている。


6(165) ギャビン・ドゥガス(Gavin Dugas):2B:右投右打:5-10/205:LSU:-($357.5K)
度重なる病気や故障を経てカレッジワールドシリーズを勝ち抜いた苦労人。バットスピードの速いスイングにボールを巻き込んで長打を稼ぐ。一方でコンタクトスキルは拙く空振りは多い。


7(195) ライアン・スネル(Ryan Snell):C:右投右打:5-10/206:Lamar University:-($278.4K)

今年はアプローチを劇的に改善させカレッジの最優秀Cを決めるバスター・ポージー賞にもノミネートされた。


8(225) ジャレッド・シンプソン(Jared Simpson):LHP:左投左打:6-4/205:Iowa:-($219.7K)

90マイル前半の速球とカッターのコンビネーション。速球は球速の割に空振りを奪えるが、コンスタントにストライクを稼ぐコントロールを有していない。


9(255) トーマス・シュルツ(Thomas Schultz):RHP:右投右打:6-6/243:Vanderbilt

90マイル前半の速球とスライダーのコンビネーション。スイーパーに分類されるであろうスライダーが最大の武器で、このボールで三振を大量に奪うリリーフプロスペクト。

10(285) フィリップ・グラッサー(Phillip Glasser):SS:右投左打:6/200:Indiana:-($172.1K)


総括

 1巡目でLSUコンビの片割れであるディラン・クリューズを確保に成功。ブライス・ハーパー以来のフランチャイズプレイヤーとなる可能性を秘めるハイポテンシャルなタレントで、チームどころか今後の野球界を引っ張っていく人材にもなり得るでしょう。
 指名全体に目を向けると3巡目のトラビス・シコラとの契約をまとめるために、下位5個の指名権をスリーパー漁りに使わず全てアンダースロット要員に費やすことになりました。ただ、多少みっともなくても極端にアンダースロットを作りに行くべきタレントであることは確かです。アンダースロット要員もある程度可能性のある選手を選んでいる姿勢は見えますが、過度な期待は禁物でしょう。
 ディラン・クリューズ以外にも野手は充実。1巡目で消える可能性の高かったヨハンディ・モラレスを2巡目でスチール。アンドリュー・ピンクニーとマーカス・ブラウンは上位2人に比べるとバリューは見劣りしてしまいますが、打撃以外にも強みがありベンチプレイヤーとしての活路を見出せる選手です。

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