【MLBドラフト】2023ドラフトレビューSF編

上位10人の簡易レポと総括になります。

凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ




1(16) ブライス・エルドリッジ(Bryce Eldridge):RHP/1B:右投左打:6-7/223:James Madison HS:$4M($4.33M)

90マイル中盤の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で97マイルをマーク。ムービングの激しいシンカー系の速球は今後さらに速くなるとも。スライダー、チェンジアップはいずれもプラスのクオリティ。打者としても非常に優秀で二刀流の可能性も秘めている。


2(52) ウォーカー・マーティン(Walker Martin):SS:右投右打:6-2/188:Eaton HS:$3M($1.62M)

アメフトで培った強靭な肉体からパワフルなスイングを披露する。パワーポテンシャルは高く、柔軟性も併せ持つ。守備ではSSに残れるスペックを有しているが、経験不足な点と今後体重が増える点を考えると3B/2B転向が現実的。


2C(69) ジョー・ウィットマン(Joe Whitman):LHP:左投左打:6-5/200:Kent State:$805.5K($1.07M)

90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で96マイルをマーク。ノビのある4シームで高めのゾーンを果敢に攻める。イニングが進んでも球速を維持できるスタミナを有している。小さく鋭く曲がるスライダーと成長著しいチェンジアップはいずれも空振りを狙える球種。昨年までコントロールに苦しんでいたが、見事に克服している。


3(85) コール・フォスター(Cole Foster):SS:右投両打:6-1/193:Auburn:$747.5K($820.9K)

高校時代から高い評価を得ていたヒッティングツールが今年開花。三振の少なさが特徴だが、パワーも平均レベルにはあり2桁HRをコンスタントにマークできるだろう。守備ではスキルは十分だがアームの弱さがネックで2B転向が既定路線。


4(117) マウイ・アフナ(Maui Ahuna):SS:右投左打:6-1/170:Tennessee:$497.5K($569.1K)

柔軟なスイングでヒットゾーンに打球を飛ばす天才肌。どのゾーンのボールでも反応してヒットにすることができるが、難しいボールも打ちに行ってしまうことも。パワーツールに欠けるが、優秀なスピードで二塁打/三塁打を稼ぐ。守備ではスピードが活かされていないとも指摘されており、2B転向の可能性も。


5(153) クイン・マクダニエル(Quinn McDaniel):2B:右投右打:5-11/180:University of Maine:$300.45K($400.6K)

小柄な見た目とは裏腹にプラスのパワーツールを有しており、長打数に期待できる。大きく足を上げて上手くタイミングをとり、大きなスイングの割には空振りが少ないが高めの速球に脆さを見せる。ポジションは大学時代で既に2Bに固定されているが、動く必要はないだろう。


6(180) ルーク・シュリガー(Luke Schliger):C:右投左打:5-9/180:Maryland:$272.5K($314.8K)

Cとしての経験を活かし、徹底したゾーン管理で臨むピッチセレクションが最大の武器。サイズ以上にパワーはあるが、プロでもそれを活かせるかは微妙。守備でもCに留まれるスキルと耐久性を有している。


7(200) スコット・バンデュラ(Scott Bandura):OF:右投左打:6-4/190:Princeton:$197.5K($246.5K)

小さくテイクバックを取るスイングで広角に長打を飛ばすことができる。マイナーカンファレンスでのプレーだったが、ハードヒットを飛ばすことができるパワーは本物。守備ではRF/LFを守る。


8(230) ジョシュ・ボスティック(Josh Bostick)RHP:右投右打:6-4/205:Grayson College:$397.5K($198.8K)

90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で99マイルをマーク。ノビのある4シームで空振りを誘発できる。スライダーはスピードを変えた2種類を投じ、遅いスライダーでカウントを稼ぎ、速いスライダーをアウトピッチにすることも。チェンジアップも改善の一途をたどっている。球速が安定しており、スターターとしての素質はあり。


9(270) チャーリー・サイコニー(Charlie Szykowny):SS:右投左打:6-4/225:University of Illinois at Chicago:$47.5K($177.5K)



総括

 1巡目は17年のヘリオット・ラモス以来となる高校生を指名。2年連続で二刀流選手の指名となりましたが、残っている時点でベストの選手を指名したのか二刀流を狙っているのかは分かりかねます。ブライス・エルドリッジが二刀流のままいくのか、どちらかに集中させるのかは分かりませんがいずれにしろスーパースター級の素材であることは間違いないでしょう。
 2巡目もハイシーリングな高校生SSのウォーカー・マーティンを指名。SFでは珍しい大幅なオーバースロットを敢行しての指名なので、かかる期待は大きいのでしょう。大学生野手も優秀な打者を多く指名。コール・フォスターやマウイ・アフナといったメジャーカンファレンスの名門の主軸から、スコット・バンデュラといったマイナーカンファレンスのスリーパーまで網羅しており、下位から大学生野手指名を始めたとは思えないラインナップになっています。
 野手を指名した分、投手は層が薄くなりましたが、今年大きく跳ねたジョー・ウィットマンや投手に完全転向してから間もないながらも成長著しいジョシュ・ボスティックと才気に富んだタレントを確保しています。


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