【MLBドラフト】2023ドラフトレビューBOS編

上位10人の簡易レポと総括になります。

凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ




1(14) カイル・ティール(Kyle Teel):C:右投左打:6-1/190:Virginia:$4M($4.66M)

ゾーン管理とコンタクトスキルに長けたアベレージヒッター。好球必打でラインドライブの打球を量産。打球がなかなか上がらず無理に長打を狙おうとすると露骨にスイングを崩してしまう。アームは一級品だが、その他のスキルは平均レベル。


2(50) ナザン・ザネテロ(Nazzan Zanetello):3B:右投右打:6-2/180:Christian Brothers College HS:$3M($1.7M)

打撃ではパワーポテンシャルの高さが魅力。好不調の波が激しく、安定したパフォーマンスを見せられないのが気がかり。守備では身体能力の高さを見せるが、SSないしはIFに留まれるかは微妙なところ。


3(83) アントニオ・アンダーソン(Antonio Anderson):SS:右投両打:6-3/205:North Atlanta HS:$1.5M($846.8K)

両打席でハイレベルな打撃を披露する。パワーポテンシャルの高さとバレルコントロールのスキルを両立させることに成功している。アームはSSを守るには十分だが、オーバーサイズなためSSに残るには厳しく将来は3Bに転向するだろう。


4(115) マット・ダフィー(Matt Duffy):RHP:右投左打:6-2/205:Canisius College:$350K($580.2K)

90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で95マイルをマーク。低いアングルから4ノビのある4シームを投じて空振りを奪う。アウトピッチのスライダーも低めにコマンドでき、アウトピッチとして優秀。チェンジアップは発展途上。試合を投げ切るスタミナも魅力。


4C(132) クリスチャン・キャンベル(Kristian Campbell):SS:右投右打:6-3/191:Georgia Tech:$492.7K($492.7K)

独特なスイングでギャップを狙うコンタクトヒッター。スイングの軌道から打球がゴロになりやすく、長打を多くは望めないか。守備ではスムーズな動きを見せるが、オバーサイズなため3B/2Bに移る可能性は高い。


4C(133) ジャスティン・リマー(Justin Riemer):2B:右投両打:6/170:Wright State:$500K($487.8K)

卓越したアプローチとコンタクトスキルを有する小兵。小柄ながらもバットスピードの速いスイングでギャップを狙う。スピードはあるが、アームが弱くSSに留まることはできないだろう。今年はシーズン途中で膝を手術したため、出場機会が少なかった。


5(151) コネリー・アーリー(Connelly Early):LHP:左投左打:6-3/195:Virginia:$408.5K($408.5K)

90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速でも92マイルと球威不足だがコマンドは優秀。カウントを稼ぎにいった速球を痛打されることも。スライダーとチェンジアップはいずれもハイクオリティでコンスタントに空振りを奪える。全ての球種でストライクを稼げるコントロールも魅力。



6(178) CJワインズ(CJ Weins):RHP:右投右打:6-3/223:Western Kentucky:$50K($320.2K)

90マイル前半の速球とスライダーのコンビネーション。最速96マイルの4シームを低いアングルから投じる。90マイルに届きそうなスピードのスライダーで大量に三振を奪う。


7(208) ケイデン・ローズ(Caden Rose):OF:右投右打:5-10/185:Alabama:$150K($250.3K)

守備では自慢のスピードを活かして広いレンジをカバーし、時折派手なプレーを見せることもある。一方で、ピッチセレクションに難のある打撃では存在感が薄い。


8(238) トレナー・オドネル(Trennor O'Donnell):RHP:右投右打:6-7/240:Ball State:$50K($201K)



総括

 1巡目はNo.1大学生Cのカイル・ティールを指名。このところ続いていた高校生SS指名からは外れましたが、ヒッティングツールを意識した指名は続いていると見ていいでしょう。打球がなかなか上がらないカイル・ティールですが、フェンウェイでプレーする左打者ならそれも大きな弱点とはならないので、プロ入り後もアプローチを変える必要はなさそうです。
 以降の野手はまず例年通りハイポテンシャルな高校生2人指名。いずれもプラスのパワーツールを持ちながらもコンタクトスキルに不安のあるタレント。時間はかかるかもしれませんが、独り立ちできれば大きな戦力となるでしょう。逆に大学生はコンタクトスキルに優れたIFを指名。クリスチャン・キャンベルはローパワー自体は低くないため、プロで化ける可能性はあるでしょう。
 トップピックが4巡目となった投手はアップサイドに欠けるものの、ハイシーリングなスターターを2人確保。マイナーでローテーションを回すにはもってこいで、メジャーでもスポット的に先発を務めることがあるかもしれません。


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