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【ラグビー】コベルコ神戸スティーラーズ インタビュー:変わりつつあるチームとファンの関係性

あらゆるスポーツには、そのスポーツを応援するファンの存在があります。
スポーツチームとファンの関係性は様々ですが、ここ数年の技術発展や世情の変化によって、その関係性が変化してきているスポーツもあるのではないでしょうか。

対面でのコミュニケーションがなかなか難しい昨今、スポーツチームやアスリートたちはどのようにファンとのつながりを形成しているのでしょうか。

私たちSpoLiveは「デジタルの力でアスリートとファンの距離を縮める」をスローガンに、チームとファンの新たな関係構築にチャレンジしています。
私たちを取り巻く環境が変わってきているからこそ、リアルな現場を深堀し更なるサービス改善に活かすべく、スポーツチームとファンの関係性を深堀りしたいと考えました。

そこで、今回はコベルコ神戸スティーラーズのバイスキャプテン・橋本皓選手とチーム広報を担当されている近藤さんに、「ファンとの交流」をテーマにお話を伺ってきました!

選手と広報担当者に聞く! コベルコ神戸スティーラーズのファンってどんな人?

ーーよろしくお願いします!

バイスキャプテンの橋本皓選手
チーム広報の近藤さん

ーーコベルコ神戸スティーラーズは力強いアタッキングラグビーが魅力ですが、現在のチームの調子はいかがでしょうか?

橋本選手: ジャパンラグビーリーグワン2022の前半戦は、正直言って良い結果だったとは言いにくいです。ただ、チームの意識は同じ方向にしっかり向いていると思っていて、個人としてもチームとしても試行錯誤の期間となったと思っています。

それは連携がうまくいっていない、というわけではなく、むしろ自分たちらしいプレーをするために歯車を少しずつ噛み合わせて調整しているような感覚が近く、むしろこれからが、どんどん自分たちらしいラグビーができると感じているので、楽しみにしてもらえると嬉しいです。

ーーコベルコ神戸スティーラーズさんらしい力強いプレーを引き続き楽しみにしています!

橋本選手: 応援よろしくお願いします!

ーー試合中もかなりの数の応援やコメントがSpoLiveに寄せられています(※)。熱量の高いファンが多い印象がありますが、選手の方にとって、コベルコ神戸スティーラーズファンはどういう方ですか?

※スポーツ観戦アプリSpoLiveでは試合のリアルタイムレポートを見ながら、応援バトルや応援コメントの投稿を楽しむことができる。
先日の試合でも多くの応援コメントが寄せられている

橋本選手: 苦しいときも変わらず支えてくださる心強い味方です。僕たち選手との距離もかなり近いんじゃないかなと思います。

歴史のあるチームなので、ずっと応援してくれているファンの方には顔馴染みの方も多いんです。

ファンの方が「お〜う、最近どうだ?がんばれよ〜」と軽い感じで話しかけてくるので、こっちも「おう、がんばるわ〜!」って軽い感じで応える、そういう関係性なんですよね。

ーー親戚の人たちのような温かさを感じますね!

そうですね(笑) 何度も試合を観に来てくれている人の顔は自然と覚えていくし、気がついたらこちらから「こんにちは〜」って声をかけることもあります。

ーー応援している選手とその距離感で接することができるなんて、とても嬉しいと思います。ファンとの関係づくりにおいて大切にされていることはありますか?

橋本選手: 関係づくりか〜。正直、チームメンバーとして特別、ファンの方にはこう接しよう!みたいな意識をしているわけではないです。

選手全員が「ファンの方を大切にするのは当たり前だ」って自然と思っていて、それが意識せず対応に現れてるんじゃないかな。

チームの地盤が神戸なので、関西人の気さくなノリがチームやファン関係なく根付いていて、コミュニケーションに影響しているような気もします。

まあ、親密な距離感だからこそ、期待どおりのプレーが叶わないことが続くとストレートに厳しい言葉をもらうこともあって、たまにヘコみますけど(笑)

近藤さん: 親ゴコロ的な感じかも(笑)

橋本選手: みんなで1つの家族みたいな感じですよね。いろんな意味でファンの方に支えられていますし、頭あがらないです笑

ファンとのコミュニケーションに変化が? スポーツチームが挑戦する新しい取り組み

ーーここ数年、コロナの影響で無観客試合の時期もあったと思います。ファンとの交流に何か変化はありましたか?

近藤さん: 元々、地域密着型のチームではありましたが、2003年のトップリーグ創設時に、より一層ファンの方との関係づくりに力を入れる方針で活動してきました。

試合に出ていない選手が チームのブースに立ってグッズを配るなど、選手たちを身近に感じてもらえるような施策も積極的に実施していて、ファンの方との距離を縮められればと頑張ってきたつもりです。

それが最近では感染対策のため、どうしても選手のコンディションを優先せざるを得ず、対面でのコミュニケーション施策は難しくなってしまいました。それでも何かファンの方とのつながりをと考え、最近はSNSの運用にも力を入れています。

ーー元々ファンの方からSNSをやってほしいと希望の声も上がっていたそうですね!

近藤さん: 我々としては対面コミュニケーションに力を入れたいと思っていましたし、正直SNSの運用には時間とマンパワーの兼ね合いから、それまで優先度を上げて取り組んではいませんでした。

しかし、世間一般でSNSが広く普及したことから、より多くのファンの方とつながりを持てるようにと、2019年の6月からSNSの運用をついに開始しました。

それが結果として、コロナ禍の情報発信の助けになりました。

試合中のレポートや試合に来てもらうためのキャンペーン情報、ファンとの直接のコミュニケーションなど、積極的に運用されている
Twitter公式アカウント
instagram公式アカウント

ーー反響はいかがでしたか?

まだ試行錯誤の途中ですが、今までとは異なるコミュニティの創出に繋がったかな?というのは感じています。
歴史のあるチームなので、長く応援してくださっているファンの方に支えられているなとは感じていたのですが、SNS上では若い女性の方なのかな?と感じるようなコメントも多く、新たなご意見や反応を直接見られるありがたい場となっています。

また、一度にたくさんの人にメッセージを届けられるという拡散性と、みんなで場を作り出す共創性もSNSならではで新しいなと感じます。

定期的にインスタライブを行っているのですが、こちらの伝えたい情報は一度に数百人の方に届けることができますし、最近では「選手への質問」をコメントで募集して、その場で選手に回答してもらうという試みを行っていますが、チームとファンが双方向でコミュニケーションできるのは面白いですね。

インスタライブの様子

ーー確かに、対面の1対1コミュニケーションだと一度に少ししか質問や会話はできないですが、SNSだと他の人の質問やそれに対する選手の回答も見られるので、より深く選手たちのことを知ることができますよね!

近藤さん: そうなんです! インスタに限らず、試合で見ているだけではわからない選手の意外な一面を見てもらうこともできるので、僕たち裏方のスタッフだけが知っている情報なんかは積極的に配信していきたいなと思っています。

橋本選手: そういえば前にSpoLiveのぞいたときに、「橋本皓選手交代、意外と笑いにうるさい」って書いてあって、「これ誰が書いてんだ!?」って思いましたよ。

近藤さん: それ、僕(笑)

橋本選手: (笑)

近藤さん: 普通にやってもおもろくないから選手のトリビアのっけてやろうと思って。

ーーそういう内部の人こそ知る情報って、ファンにとってはとってもうれしいと思います! 逆にファンの方の応援コメントも見れますが…?

橋本選手: 自分が関係する配信の後は気になって見に行ったりすることもありますよ。

そういえば前に試合の告知配信をしたとき、「橋本選手、こんなおちゃらけた人だと思わなかった…」ってコメントついてて!
「テンション高めでやって!」って言われたから頑張っただけなのに!(笑)

インタビュー中の橋本選手。「笑い」に厳しいとウワサが。ただし、自分の笑いには甘いそうです

近藤さん: でも反応見てると、やっぱり新しい層が見てくれてるんだなと感じますし、嬉しいですよね。こういったファンの方に楽しんでもらう機会を増やして、それが応援の熱量につながってくれるとありがたい。

ただ、いろいろな取り組みをするうえで、選手たちのコンディションとの兼ね合いは課題です。
実は「配信時間帯をもっと遅くしてほしい」というご意見をいただいているのですが、練習時間の確保や体調維持のため、なかなか難しく…

試合を楽しんでいただくためには、選手たちのコンディション維持が最優先です。ただ、その中でも、より試合を楽しんでいただけるためのコンテンツをお届けできたらと思っていますので、これからも見守っていただけると嬉しいです。

勝つことがファンへの最大の恩返し。交流の形は変わっても、心のつながり方は変わらない

ーー今まで思い出に残ったファンとの交流はありますか?

橋本選手: 以前、カップ戦(トップリーグカップ2019)の直前にスタジアムがある地域の小学校を訪問して、子どもたちと一緒に遊ぶイベントに参加しました。そこで子どもたちに試合の招待券を配ったのですが、試合当日、子どもたちがたくさん駆けつけてくれて! 「お兄ちゃんがんばれー!」って声を張り上げて応援してくれるんですよ。

一時でも同じ時間を過ごしたからこそ、1人1人の顔も覚えてたし、子どもらしい生意気さもあった子たちが、こんなに真剣に、心から応援してくれるんだ…って、めちゃくちゃ嬉しかったですね。

試合の後も熱いまなざしでサインを求めてくれる子どもたちを見て、これからも頑張ろうって強く思いました。

ーー時間は短くても、同じ時間を過ごすと親密度が変わりますよね。

近藤さん: 今後も、リアルでもSNSでも、そんな関係性が作れるよう頑張っていきたいですね。

ーー素敵なエピソード、ありがとうございます。最後に、ファンの方へのメッセージをお願いします!

橋本選手: いつも応援ありがとうございます! 苦しい状況でも、変わらず応援してくださるファンのみなさまに支えられています。選手としては、試合に勝つことがファンのみなさんにお返しできる一番のお礼だと思っていますので、スティーラーズとして、精一杯お返ししていきます! これからも応援お願いします!

近藤さん: 選手はとても頑張ってくれているので、運営としては試合以外のところでも「神戸おもろいやん!」と思ってもらえるような取り組みをどんどんやっていきたいと思っています。ぜひ、お時間あるときなどにSNSやSpoLiveを覗いてもらえると嬉しいです!

ーーありがとうございました!