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スタッツを見るとトップリーグ観戦はもっと面白くなる!

SpoLive編集部の成田です。みなさんはスタッツをご存知でしょうか?

スタッツとは成績表のようなもので、勝敗とは別に、チームがどれだけ優勢だったか、プレーの精度がどれだけ高かったのかを比較することができます。このスタッツを振り返ることで、チームの特徴が数字で明確になります。 

日本では野球、サッカー、ラグビーなど多くのスポーツでスタッツがサイト上に掲載されています。ラグビーでは、トップリーグ2020大会の公式サイトで公開されていて、チーム別、選手別にそれぞれの成績を数字で比較することができます。

今回はチーム別のスタッツを見ながら、それぞれのチームの状況を分析してみたいと思います。

思い通りの攻撃ができているチームは?

攻撃のスタッツとして、トライ数やパス数など様々な指標がありますが、どれだけ思い通りに攻撃できているかを可視化するのに参考になるスタッツが「ゲインメータ」と「クリーンブレイク」です。

ゲインメータはボールを持って進んだ距離で、フィールドプレーでどれだけ効果的に攻撃できているかの攻撃実績の指標です。この数字が大きいほどラグビーで重要とされている「陣地を取りに行く」ことができており、ゲームを有利に進めていることになります。

クリーンブレイクは相手のタックラーに触らせずに抜け出した回数です。つまり、相手のディフェンスが予測できなかったパスやランコースを選択できたということになります。この数字が大きいほど、相手を出し抜いた攻撃ができている(=自分たちの戦術が成功した)と見ていいでしょう。

ゲインメータ(攻撃実績)とクリーンブレイク(戦術成功)をかけ合わせてみることで、チームとしてどれだけ思い通りの攻撃ができているかを可視化することができます。

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チーム名の横の数字は第6節時点での順位

チーム別にそれぞれの指標をグラフに落とし込むと、ゲインメータ、クリーンブレイクともに、神戸製鋼(グラフ青枠部分)が抜き出ていることがわかります。全チーム平均と比較して、ゲインメータは1.8倍、クリーンブレイクは2.1倍。数字にすると、改めて神戸製鋼の攻撃力が秀でていることが明らかになりました。神戸製鋼の攻撃の起点は元ニュージーランド代表のスタンド・オフ、ダン・カーター選手。この秀でたスタッツは彼の凄さを表していると言ってもいいでしょう。


得意なセットプレーはスクラム?ラインアウト?

次はセットプレーの成績をチーム別に見てみます。ラグビーのセットプレーで代表的なものは「スクラム」と「ラインアウト」です。これらの勝率も公開されており、すぐに確認することができます。

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こうしてグラフにすると、ほとんどのチームがラインアウト勝率よりスクラム勝率の方が高い(グラフ赤枠部分)、スクラムタイプのチームであることがわかります。

特に、パナソニックは、ここまでのスクラム勝率がなんと100%!一回もスクラムで負けていません。 

一方、現在4位のサントリーは、どちらの勝率も90%を下回っており、他の上位チームと比較して、意外にもセットプレーで苦戦しているようです。


規律を守っているチームは?

「被ペナルティ」と「被ターンオーバー」をチーム別に比較したグラフを見ると、“規律”をどれくらい守れているのかを可視化することができます。ラグビーでいう規律とは、反則しない、チームの約束事を守るなどの規則を遵守してプレーすることを指します。

被ペナルティは、相手にペナルティを与えた回数です。この回数が少ないほど、試合中反則の少ないクリーンなプレーを続けていることになります。

被ターンオーバーは、相手にターンオーバーされた回数です。試合中にターンオーバーが起きやすいシチュエーションは「スクラム」「ラインアウト」「ラック」です。これらのプレーは、攻撃時でも反則が起こりやすく、特に規律を意識しなければいけません。被ターンオーバーも、被ペナルティと同じく回数が少ないほど、良い成績といえる指標です。

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グラフに落とし込むと、ヤマハ発動機(グラフ青枠部分)が被ペナルティ、被ターンオーバーともに少ない回数で抑えられていることがわかります。特筆すべきは、被ペナルティの少なさ。ヤマハ発動機の被ペナルティは31回で、最も多いクボタの61回のおよそ半分。規律を守ることへの意識が高いチームであるといえます。

一方で、宗像サニックス、神戸製鋼(グラフ赤枠部分)はどちらの回数も多くなっています。特に課題となっているのは被ターンオーバーの回数の多さ。両チームともに6試合で102回(1試合平均で17回)となっており、全チーム平均の82回(1試合平均13.6回)を大きく上回ってしまっています。

まずは、いろいろとスタッツを比較してみましょう!

ここまで紹介したスタッツ以外にも、公式サイトには様々なスタッツが掲載されています。それぞれの数字を並べて見るのも面白いですが、今回の記事のように2つのスタッツをかけ合わせてグラフに落とし込むと、より深く分析することができます。

例えば「タックル勝」の回数が多いチームほどディフェンスが上手いチームであると読み取れますが、その分ディフェンスに時間を割いている(攻撃の時間が取れていない)ともいえます。そのようなときは、「ボールキャリー」の回数と合わせて比較すると、数字の真意が見えてきたりします。

試合の順位を見るだけではなく、チームの状況を数字で可視化することで、もっと深くトップリーグを楽しむことができます。スタッツでの分析、いろいろと試してみてくださいね!

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