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第89話・2010年 『新しい波へ日本協会の対応』

日本にハンドボールが伝来して100年になるのを記念した1話1年、連続100日間にわたってお送りする企画も終盤です。21世紀に入っての20年間は“あすの課題”でもあります。大会の足跡やチームの栄光ストーリーは少なくなります。ご了承ください。取材と執筆は本誌編集部。
(文中敬称略。国名、機関・組織名、チーム名、会場名などは当時)

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11月、広州(中国)で開かれたアジア大会は女子が準決勝で韓国を29-28で破り中国との決勝に進出。中国とは1次リーグで顔を合わせ6点差で敗れていたが勝機はあると期待された。前半13-14の接戦、後半はこの日に備えていた中国に主導権を握られ22-31で突き放された。銀メダルは広島大会(1994年)以来。

男子は準決勝でイランに29-30で敗れ、3位決定戦でサウジアラビアを降しての銅メダル。優勝は韓国。

この年は男女のアジア選手権も行なわれ男子(2月、レバノン)、女子(12月、カザフスタン)ともに3位。いずれも翌年の世界選手権出場権は手にした。

第4回世界ビーチ選手権(6月、トルコ)の女子に国際ハンドボール連盟(IHF)の推薦を受けて第1回(2004年)以来の参加となったが9位(参加12ヵ国)。12月には第2回アジアビーチゲームズ(オマーン)へ出場、女子はタイ、インドネシア、ベトナムなど7人制の実績が少ない国での普及が進み注目された。日本は5ヵ国リーグでインドネシアからの1勝にとどまり4位、優勝は中国。男子は最下位(11位)に終わった。

8月、国際オリンピック委員会(IOC)の新イベント、「ユース・オリンピックゲームズ(夏季大会)」がシンガポールでハンドボールを含む26競技・205ヵ国約3200人の参加で歴史の幕を開けた。

IOCは競技力の優劣よりオリンピズム、オリンピックムーブメントの「学習の場」と捉え有名メダリストの講演などを織り込んだ。ハンドボール(男子のみ、日本不参加)は5大陸からの推薦とシンガポールの6ヵ国で行なわれ、エジプト(アフリカ)が韓国(アジア・ハンドボール連盟推薦)を制して1位。

ボールゲームは1国の参加が1競技に限られ、予選や推薦で複数の競技で参加資格を得ても本大会へ進めぬなどの規程にも課題が多く浮かんだ。IOCの理念が支持され続けるか。

日本協会は「ビーチ」と「ユースゲームズ」(第2回アジアユースゲームズは2013年8月、中国・南京でハンドボールなど16競技で開催を予定)と、新しい波への対応を検討「ビーチは競技型よりレクリェーション(楽しみ)型」を推す意見が大勢、「ユースゲームズは今後の国際展開と日本オリンピック委員会(JOC)の動向を見る」ことで落ちつく。「ビーチ」「ユースゲームズ」よりも男女代表チームの強化優先を望む声が多かったとされる。

ヨーロッパではこのシーズン(2009年9月~2010年5月)からヨーロッパチャンピオンズリーグ(前・ヨーロッパクラブ選手権)の準決勝、決勝を伝統のホーム&アウェイからヨーロッパ・ハンドボール連盟(EHF)の直轄事業として4強を一会場に集め、「ファイナル4」のタイトルによるスーパーイベントへと画期的な“転換”を試み成功を収めた。

第90回は10月21日公開です。


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スポーツイベント・ハンドボール編集部
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