第97話・2018年 『日本女子代表U-24、史上初の世界舞台で金メダル!!』
伝来100年を1年1話で振り返る企画も残り10話を切りました。記憶に新しい身近な話題が続きます。引き続きご愛読ください。取材と執筆は本誌編集部。(文中敬称略。国名、機関・組織名、チーム名、会場名などは当時)
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夏、クロアチアからビッグニュースが届いた。7月末から8月初頭にかけて開かれた世界学生選手権(男子第24回、女子第12回)で、日本女子(U-24)が金メダル、男子(U-24)も銅メダルを獲得。「世界」と名のつくあらゆるカテゴリーの大会で日本勢としての快挙を男女揃って成し遂げた。
女子は世界大会で大きなポイントとなる1次リーグ(A組)初戦で地元・クロアチアに31-17と快勝。続くチェコも29-23と退けて流れをつかんだ。3戦目、ブラジルには24-29と一歩譲り、A組2位での準決勝進出となったものの、準決勝でB組1位の韓国を28-21と一蹴。金メダルをかけ、1次リーグで敗れたブラジルとの決勝に挑んだ。
決勝は初戦の教訓を的確に活かす戦いで、相手の大型選手の動きを封じ、27-19と大きな差をつけてのリベンジ。日本球界初となる世界大会での金メダルをつかみ取った。
男子は1次リーグ(B組)を3勝1敗、得失点差の争いを1位で駆け抜けたあと、準決勝でクロアチアに27-28と1点差での惜敗。ポルトガルとの3位決定戦を29-24で制し、銅メダルを手にした。
他のアンダーカテゴリー代表も、世界、アジアの大会で躍動した。
世界選手権の年となる女子は、7月、第21回世界ジュニア選手権(U-20、ハンガリー)に挑み、1次リーグ・オランダと34-34で引き分け、決勝トーナメント1回戦・フランスに25-29、13位決定戦・ドイツに22-23と、結果は14位(24ヵ国中)だったものの、ヨーロッパ勢と対等に戦って存在感を示した。
8月、第7回世界女子ユース選手権(U-18、ポーランド)でも2大会ぶりとなる決勝トーナメント進出を果たした(最終順位は24ヵ国中14位)。
一方、男子ジュニア(U-21)、同ユース(U-19)は各アジア選手権で決勝に進んで2位、翌年の世界選手権出場権を手にした。
次世代の主役たちの躍動に比べ、男女代表の姿は輝きに欠けたのは否めない。男子は1月、世界選手権出場権のかかった第18回アジア選手権(韓国)で、カタール、バーレーンに敗れて2次リーグを突破できず、5位決定戦でもイランに屈して6位。「東京2020」に向け、経験を積み、弾みをつけたかった世界選手権への出場を逃がした。
8月のアジア大会(インドネシア・ジャカルタ)でも、女子は3位でメダルを死守したものの、男子は準決勝でバーレーン、3位決定戦で韓国に敗れ4位。男女ともチームが決勝進出を逃したことで、男子決勝(カタール-バーレーン)を池渕智一・檜崎潔ペア、女子決勝(韓国-中国)を太田智子・島尻真理子ペアがジャッジを担当するチャンスが生まれた。日本人ペアのアジア大会決勝担当は初だった。
「東京2020」を前に海外代表の来日が多くなり、6月、男子はドイツ、ブラジル、女子はポーランドと代表戦を組んだ。ドイツ戦はインターネット情報でスター選手の消息を知る“新しいファン”の姿が会場でめだった。また、日本男子代表の愛称が「彗星」に決まった。
4月1日、「日本体育協会」が「日本スポーツ協会」(JSPO)に改称。国民の祝日の1つ「体育の日」も2020年1月1日付で「スポーツの日」に、「国民体育大会」は2024年(当初は23年の予定)の佐賀大会から「国民スポーツ大会」にそれぞれ改められることも決まった。
第98回は10月29日公開です。
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