いよいよファイナル!Vリーグ男子(V1)優勝争いの注目ポイントは?
10月に開幕したバレーボール・VリーグV1男子の2021/22シーズンも、4月17日に千葉でファイナルを迎えます。まずは4月9日に行われるファイナル3で2位と3位が静岡・このはなアリーナで対戦、その勝者と首位のチームが10日の静岡、そして舞台を移して17日千葉ポートアリーナ、の二回にわたってファイナルを戦います。
ここではファイナル3に進出した3チームのポイントを、ファイナルステージの仕組みと共にご紹介します。
※成績や順位等の数字は2022/4/3終了時点のものです。
■4月9日開催ファイナル3 サントリーサンバーズ(2位)対パナソニックパンサーズ(3位)
まず、2位と3位のチームが一戦のみの直接対決を行います。2位のチームには1勝のアドバンテージがあるため、この試合に勝てば無条件でファイナル進出、3位のチームは、勝った場合はゴールデンセットと呼ばれる25点先取の1セット限定の延長戦に突入します。
レギュラーラウンド最終戦に勝利し、東レアローズと勝率で並ぶも、セット率の差で3位に食い込んだパナソニック。16/17、17/18シーズン連覇を果たしていますが、ここ2シーズン連続で準優勝と涙をのんでおり、チームとしては優勝奪還への思いはどこよりも強いはず。
数字で見るとアタック決定率が2位、サーブ効果率は1位と高く、サーブで一気に流れをつかみ効果的にアタックを決めていると言えますが、実はアタックの総得点、決定率でトップ5に入っている選手がいません。いわば絶対的なエースが不在ということで、その点チームの総合力の高さが光ります。
また何より新加入の大塚達宣選手に注目です。大学在学中に日本代表に選出され東京五輪にも出場。同じ大学生の高橋藍選手と共に29年ぶりの予選リーグ通過に貢献し、一躍注目を集めました。現在大学四年生で、つまり在学しながらVリーグでプレーするいわば「二刀流」としても注目されています。
その実力の片鱗は、1月にデビューして早くもレギュラーに定着し、265得点、決定率55.6%とたことからも伺えます。大舞台での活躍に期待が集まります。東京五輪でフランスを金メダルに導いた名将ティリ・ロランが再びチームに栄光をもたらすか。その采配にも注目です。
迎え撃つのは連覇を目指す2位サントリー。何よりアタック決定率53.1%の1位の攻撃力が光ります。トップ10に柳田将洋選手(4位)、デ アルマス アライン選手(6位)と、上位3チームで唯一2人を送り込んでおり、決定率2位で並ぶパナソニック、名古屋の両チームに2.2%もの差をつけているのが大きいです。
また2013年のドーピング検査の結果、出場停止処分を受けていた攻守の柱であるドミトリー・ムセルスキー選手が年明けから復帰しています。逆に言えば不在の間でも上位につけていたのも、チーム力の証と言えます。
なおこの組み合わせは昨シーズンのファイナルと同じ。そのときはストレートでパナソニックを下しました。今シーズンアタック決定率日本人選手1位のエース・柳田選手を筆頭に、まずはファイナルの再現で、連覇への足掛かりをつかみたいところです。
■4月10日、17日開催ファイナル ウルフドッグス名古屋(首位)対ファイナル3勝者
ファイナル3を勝ち上がったチームは早くも翌日、そして翌週と二回にわたって首位名古屋と戦います。もし二戦が終わった段階で1勝1敗となった場合は、ファイナル3同様、ゴールデンセットで勝敗を決めます。
昨シーズン、ファイナル3で勝利しながらゴールデンセットでパナソニックに惜しくも敗退した名古屋ですが、今シーズンも好調で12月の天皇杯は堺ブレイザーズを破って見事優勝しました。
アタック決定率、1セットあたりのブロック決定本数、サーブレシーブ成功率がどれも2位になっており、攻守共に一番バランスがとれています。その攻守それぞれの柱となっているのが、アタック決定率1位のクレク・バルトシュ選手と、サーブレシーブ成功率1位の日本代表、小川智大選手です。
クレク選手は10年近くポーランド代表として、2018年の世界選手権優勝など栄光をもたらしている選手。昨シーズンの加入でいきなり得点王に輝き、今シーズンも1位のパダル・クリスティアン選手にわずか2点差の2位と、その実力は本物です。キャプテンとしてチームの精神的な柱でもあります。
また小川選手は、昨シーズン17/18以降のサーブレシーブ成功率(73.2)の記録保持者。後ろから支える彼の存在感、頼もしさがチームに安定感をもたらしています。日本代表にも昨季に続き選ばれており、東京五輪ではその座を譲ったライバルの堺ブレイザーズ・山本智大とのレギュラー争いを勝ち取るためにも、チームにタイトルをもたらしたいところです。
さあ、残るは3戦。静岡と千葉で熱戦が繰り広げられますし、テレビ放送、ネット配信もあります。ぜひカレンダーアプリ「スポカレ」で日程をチェックして、お近くの会場に足を運んだり、中継で観戦してください!
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