Wantedlyで痛い目に遭ったブラック企業経験談

noteで投稿するのは初めてでございます。こんにちは。

これまではてなブログで書いていたのですが、シンプルイズベストな嗜好もありましてこの度noteを利用してみる事にしました。末長くご愛読して頂ければ幸いです。

いつもは主にライフワークであるスポーツや音楽についての内容が多いのですが、今回は表向きの自身のキャリア経験である採用、就職関連について書いていきたいと思います。

今年、自身の就職活動でWantedlyを初めて活用してみました。Wantedlyと言えば日本におけるソーシャルリクルーティングサービスの先駆的存在で、今でこそ採用の現場でもインターネット経由のダイレクトリクルーティングが浸透していますが、その手のサービスで名を上げた日本の企業としては一番有名だと思います。

私も以前所属していた企業で採用を行なっていた時も、自身の就職活動の際もその名を聞く機会は断然増えていきました。そういった事もあり、直近の就職活動で活用してみようと考えた次第です。

理由は、Wantedly掲載の企業はベンチャー企業が多く、私自身古い体質の企業文化よりも小規模ベンチャーのような環境の方が合っている事を過去の経験から学んでいる事、その中でリクナビやリクルートキャリアといった既存の媒体、人材紹介企業では出会えないような企業とも出会える可能性があるのではないかと思った事。以上の点です。

そして実際にプレミアム会員にもなり、かなりの頻度で活用しました。元々通常の求人紹介業と違い、「企業と人を繋げるSNS」といったようなスタンスなので、まずは選考なしにお互い会ってざっくばらんに面談をして相性を図る、といったルールがあります。(実際は企業によってまちまちであまり守られているようではありません)

そして今回のタイトルにあるように、私はWantedly経由でとある企業で働く事になり、結果的にそこでとんでもない痛い目に遭いました。まさか自分が生涯でこんな目に遭うとは…と顔を覆いたくなるような、はたまた一生笑いのネタにも出来るようなバカな事件でもあったので、これは記録に残しておくべきじゃないかと思い、今回のトピックにしています。

その痛い目に遭った詳細ですが、これ以上悪い企業他にあるのかというレベルで企業の質が悪かったのです。ここがWantedlyの落とし穴であり、今までの求人紹介サイトと同じスタンスで臨むと痛い目に遭うという点です。

普通の求人紹介業であれば、基本的な求人データを掲載しますが、Wantedlyはそれが無いのです。昨今の企業は職種によって正社員や契約社員、リモートワークや業務委託など雇用形態や契約形態が多様化しており、ベンチャー企業であれば尚の事です。故に、それらの情報が掲載されている求人データは大事な情報です。

ところがWantedlyはそれらの情報が無いので自分でその企業から情報を引き出して、吟味していかなければなりません。つまりWantedly側は「基本的な労基法も守れていない」だとか、「詐欺的な契約」をするようなレベルのブラック企業かどうかも構わず掲載しているという事になりますね。(前振りです)

今となってはネタにしていいレベルなのでもはや企業名も出しますが、

(※以下追記)

なんと、上記企業は2020年10月1日付で、ランサーズ株式会社に吸収合併され、消滅していました😅笑

これは経営の杜撰さを見れば言わずもがな、ですが、低賃金と長時間労働で搾取されていた若手社員や多くの非正社員、アルバイトの子達からすると、とんでもない事態で、創業者である社長は事業を売却してトンズラしたというわけですね。雇用者としての責任を全く感じていない、大層なメンタルです。

…話を戻しまして…

私はシクロマーケティング株式会社というベンチャー企業の人事採用職種の求人に応募し、そこで働く事となりました。あっ、名前出しちゃった…笑

結論から述べると私はそこで事前の話や契約とは全く違う内容の仕事をやらされ、あまりに働く環境も酷く体調を崩していた為試用期間で終える事を会社に表明したところ、堂々と賃金未払いにされました。笑

どうしてこんなレベルの求人掲載しているのかと目を疑ってしまうレベルで、まさか生涯で「賃金支払い請求書」を発行する事になろうとは夢にも思わないというものです。

Wantedlyの求人では確かに人事採用という仕事内容の紹介で、実際面接した際にも当然そういう話でコンセンサスを図っていきました。曲がりなりにも過去人事や採用で仕事をしていましたので、条件面に関しては慎重に確認を進めていったつもりです。

しかし結果として最初の反省点となる落とし穴が、「試用期間だけ業務委託契約」でした。昨今その手の契約形態が増えているらしいですね。かなり悪質です。

業務委託契約がどのようなものかは理解していましたし、3ヶ月間だけだから何か問題があったら試用期間で辞めれば良いという腹積もりでした。まさか業務委託契約を盾に賃金未払いなんていう手段で悪用してくるとは思わないではないですか。

業務委託契約というのはいわば個人事業主扱いなので労働者としての待遇(社会保険等)を受けません。その代わり労働者のような時間や場所の拘束(勤務日時や勤務場所)も受けないのです。私は仕事内容からも当然、社員としての契約です。勤務日時や勤務場所、更には月額報酬も定められておりました。その時点で業務委託契約というのは本来破綻しています笑。

その中で私が行なっていた業務というのはカスタマーサービス、いわば既存顧客にひたすら電話掛けを行い、サービスに関するヒアリングから企業ロゴ活用のお願いや、インタビューのお願いなどをしていくというものです。あれ、人事採用はどこへ…?

確かに面接において、カスタマーサービスの部署の仕事も手伝ってもらえれば、という塩梅でお願いは受けていて、簡単なヒアリングを行ってもらえれば良いという事だったので、OKはしていました。カスタマーとの電話くらい過去何度も経験しているのでそれくらいはまあ…という気持ちでした。

ところが蓋を開けてみると、営業が行うテレアポの電話も行う事となり、それも併せて阿呆なKPIが設定してあるのです。1日60件とかカスタマー対応しながら出来るわけがない笑。

そこに追い打ちを掛けるように、何故かランニングマシンのAmazonによるEC委託販売を行う業務なんてものをやる事にもなりました。これは事前に全く聞かされていなかった業務です。

私はECサイトの活用に関してなど当然未経験ですが、いきなり社長が社内チャットでAMAZONのEC活用術的な書籍のリンクと共に、「この書籍を購入して休みの日に勉強して活用出来るように」とコメントしてきた時は仰天しました笑。

書籍は自費購入で、休みに勉強を強制とな…

似たような事例として、日中に業務内容を前以って日報に書いていたら、「日報は業務では無いので業務時間外に書け」とか、顛末書を書いていたら「顛末書はコア業務では無いので業務時間外に書け」とか、コア業務以外は業務時間ではありませんというスタンスでした。(白目)

念の為補足ですが、コアだろうとノンコアだろうと、会社の指揮命令の下行うものは全て業務です。信じられない事に、この会社の社員はノンコアは業務じゃないという事が当たり前かのように洗脳されていました。

組織の環境や人を支える立場で仕事をしてきた身としてはもうふざけんな状態になりますので、先述したECサイト活用の件を言われた翌日に、「来月の試用期間満了月で辞める」と会社に伝えました。

ところが、必要最低限の人員しか置いていない上に悪いタイミングで私の前任者の同僚の社員が辞めてしまい、契約最終月はカスタマーサポートの部署が私1人になってしまいました。

その為、ただでさえ過重だった電話掛けを1日中ひたすら行う事になり、これが中々のストレスで、月が始まって10日目くらいで体が悲鳴をあげ始めてきたのです。

昔勤めた企業で体を壊しそうになった経験があるので、「もうこれ以上は危険だな」と直感で判断しました。まして業務委託契約は労働者ではなく労災適用がされない為、万が一入院なんて事にもなれば費用もバカになりません。

その点も含めて、こちらの置かれている事情や会社としての問題点等を理由として、欠勤させてもらう事にしました。それを社長に伝えた際に帰ってきたコメントが、

「それは困ります。業務委託契約は個人事業主なので責任が発生します。今行なっている業務をいつ終わらせるのか、引き継ぎはどうするのか、報告して下さい」

という旨のものでした。そんな事を経営者が堂々と主張出来てしまう昨今の若手企業に唖然ですが、そもそも週5勤務で就業時間と就業場所が定められている時点で、業務委託契約は無効です。そもそもひたすらオフィスで電話掛けを行う個人事業主とか何それ美味しいの状態です。

当然、実態として労働者ですよという事を述べたら半ばキレ気味に、

「契約書を交わしているので貴方は個人事業主です。個人事業主の意味は検索で調べて下さい。」

「業務を完遂した後に、残りの報酬を支払わせて頂きます」

と言われました。要するに、これまで勤務した中で未払いの賃金は支払わないという意味も同然です。

まさかそんな事をいち経営者が堂々とやるのか、と最初は思いましたが、給与支払日になっても本当に支払われなかった為、労働基準監督署に契約書等の証拠を持参して詳細を報告し、人生初の賃金支払い請求書を発行するという事になったわけです。

因みに賃金を踏み倒すなどという愚行をする悪人は十中八九、支払い請求書を突きつけられようが、労働基準監督署の勧告を受けようが支払いに応じません。それくらいで応じるようなら最初から支払った方が良いですからね。

して、請求書を送付したこの企業ですが、数日後、

未払い分が振り込まれていました。笑笑

あれだけ悪態付いておいて、最初から支払え!と…

…というようなとんでもない企業が若手の無垢な社員を洗脳してブラック労働をさせ、貴重な人材価値を搾取している現場を垣間見る事が出来たという点は良い経験になったかも知れない、と今はポジティブに捉えております。そりゃ日本デフレ化するわ、と納得したものです。

そんなブラック企業求人が堂々と、マザーズ上場している有名企業の求人サービスサイトに掲載されていたわけですね。勿論今振り返ると自分の詰めの甘さも大いに反省しておりますが、普通に考えると堂々と詐欺契約で賃金未払いを犯すような企業を上場企業が掲載してはダメでしょう、と。

恐らくこれは既存の媒体サイトや人材紹介会社では起こりえず、リクルーティングSNSという新しい業態を取っている新興企業だから起きたものと言えると考えております。

今までの求人サイトと同じ感覚でWantedlyを活用すると同じような事態に遭遇するかも知れません。自己責任でやって下さいというスタンスがより強くなった感じですね。

今後Wantedlyを活用しようと考えている方の助けになれば幸いと思い、辛辣な事も含め正直な経験談を書かせて頂きました。

…世知辛い世の中になりましたなあ…

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