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大阪の空の星は

受験生だった中3の冬は、自転車で塾に向かうとき、見上げればきれいな星空がよく広がっていた。大阪なので満天とはいかないけれど、晴れた夜にはオリオン座がくっきりと見えた。それを眺めながら、「おお、理科の教科書で見たあれじゃん。砂時計のくびれみたいなところに、本当に星が一列に並んでんだなぁ」と思っていた。

あの時から幾度かの引っ越しを重ねて、私はまた大阪に住んでいる。戻ってきてからそろそろ7年くらいになるだろうか。仕事から帰るのが遅くなった日には時たま、「あーあ、疲れたな」と思いながら空を見上げるのだけど、星はほとんど見えない。なんというか、とても寂しい。

同じ大阪市内だ。確かに場所はちょっと違うけれど、電車で移動すれば30分程度で昔住んでいた場所に着ける。なのに、どうしてこうも違うのだろう。単純に、今は繁華街の近くに住んでいるから街の明るさが違うのかもしれないし、昔よりも今の方が空気が汚いのかもしれない。自分の目が悪くなったのかもしれない。でも、こうも見えないものか。

だけど今日、帰宅途中にふと空を見上げたら、大きな光がピカーン!と輝いていた。星じゃなくて、惑星だったのかもしれない。木星とか? わかんないけど。とにかくびっくりした。「うおお、なんだよ見えるじゃん」って。

大阪の空の星は、見えないと聞かされていたけど
見えないこともないんだな

そんなことを思った。




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