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【2023年振り返り】ベスト映画10

これを出すととうとう年の瀬感が強まりますよね。
まだ鑑賞できていない今年の作品を配信で一気観しようと思うもなかなか進まず……。現時点で可能な範囲で、ベスト映画10を挙げてみました(Twitterではすでに更新済み)。

aftersun/アフターサン

じわじわと心と身体に効いてくる作品。劇中で明確なことはほとんど起こらない。けれど、匂い立つものから想像できるあらゆるできごとが哀しくてたまらない。映画館では出なかった涙が、帰宅後に滂沱の如く溢れた。QUEEN×デヴィッド・ボウイの“Under Pressure ”の使い方が良いです。

フェイブルマンズ

想像と違い、創作することの残酷性や男女のサスペンス劇を映し出した作品だった。映画監督になる前の、素地をつくった日々のことをぎゅっと閉じ込めた自伝的映画。すばらしかったです。

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス

圧倒的にバカバカしくて意味不明なのに、ぽろぽろと泣いてしまった。「家族」ってどうしても苦手なところがあるんだけど(絆、とか言われてもこわいし)、分かり合えなさを抱えながらも向き合っていくところが響いたな。あの石がふたつ並ぶシーン、最高。

イニシェリン島の精霊

ショックながらもコミカルでシュールなおじさんとおじいさんの争いに最初はケラケラ笑っていたけれど、互いが意固地を拗らせた先の暴力が顕になってからは心のヒリつきが止まらなかった。島の中の対立と、対岸の戦争の対比も示唆的。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3

愛すべきはぐれものたちの有終の美。口の悪い暴君・アライグマロケットの過去が主軸ではあったが、マンティス、ネビュラ、ドラックスといったサブキャラクターまでみんな大好きになれる。IMAX 3Dで観た時はアクションの奥行きに大変おどろいた。3Dになることをきちんと見越した撮り方だったんだろう。

CLOSE/クロース

兄弟同然に育った親友のふたりが、周囲からの好奇の目に晒され関係が崩れていく。男の子同士の親密な愛情表現が、意図せず性愛に結びつけられてしまうことで起こる悲劇。男子のこういう傷つきが起きない社会にしていかないとなと思わせられる。明確な自死の描写があるため、しんどい方は鑑賞を避けて。


ハント

ハマりすぎて2週連続で劇場鑑賞したし、パンフレットも舐めるように読んだ。激アツブロマンスの社会派スパイアクション。RRR×ジョン・ウィックのような濃厚さだった。一瞬たりとも油断できないキリキリとした脚本でシビれまくり。

理想郷

この世の中には「圧倒的に分かり合えない他者」がいるということをまざまざと見せつけてくる作品。対立した二者間の、どちらにも寄り添わないスタンスがこの作品を確立させている。大変重いが、ぜひ広く観られてほしいと思う。

フェアプレー

『花束みたいな恋をした』の後半部分の最悪さをさらに煮詰めたような映画だった。同じヘッジファンドで働く恋人同士のふたり。女性の方が先に昇進することによって関係が立ち行かなくなっていく。あまりにもイヤ描写が多すぎて、何度も画面の前から逃走したくなった。

ジョン・ウィック:コンセクエンス

とにかくおつかれ、ジョン・ウィック、そしてキアヌ・リーブス。労いの気持ちが大きい。シリーズを通してどんどん長尺に、どんどん派手になっていく過程にも胸が熱くなった。しかし凱旋門を見ると笑い出してしまう身体になってしまった。どうしてくれるんだ。リナ・サワヤマがめちゃくちゃかっこいいので観てほしい。


我ながらあまり明るい映画を選ばなかったなぁと思う。いつも心に残るのは、奥深くに刺してくる作品ばかりだ。来年も引き続き映画を観ていくぞ。


最後まで読んでくれて、ありがとうございます!