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小学校の先生を4ヶ月やってみて

4月から小学校教員としてのスタートを切り、例年よりも少し長めの1学期を終え、例年より少し短めの夏休みを過ごしています。

噂で聞いていた通り、小学校の教員という仕事はなかなか大変で、忙しく、怒涛の日々でした。

でも、浅はかかもしれませんが、大学卒業後2年ほど一般企業を経験した人間としては、夏休みがあるというのは最高です。笑

今回の夏休みは残念ながら実家の岡山への帰省を断念しましたが、ほぼ毎日、五島列島の美しい海を眺めながら過ごしました。

1年以上、本格的にブログを書いて日々を振り返るという作業をサボってしまっていた影響で、なかなか筆が進みませんが、
正式な教員免許も持たず、教育実習も経験していない人間が、いきなり小学校4年生37名の学級の担任の先生をする中で、
考えたこと、感じたこと、学んだことを振り返り、先生になった経緯から書き綴ってみます。

長文になりますが、お付き合いくだされば幸いです。

まず、自分が小学校の先生になってみたいと思った理由の1つに、”実際の現場を自分で見てみたい、経験してみたい”という思いがありました。

近年、日本の学校教育や、教員の働き方について、さまざまな問題点が挙げられ、テレビのニュースやSNS、書籍などでも目にすることが増えました。
そんな情報を見たり、聞いたりしていた数年前の自分は、日本の学校教育や教員という仕事に対して非常にマイナスのイメージを抱いていました。

現在でも、多くの人たちがそのようなイメージを抱いてしまうネガティブキャンペーンが、メディアなどを通じて行われているため、教員採用試験の倍率が昔に比べ低下しているのだと思います。

もちろん現場が大変だということを、現場の先生方が声を上げて、発信して、多くの人に問題意識を持ってもらうことも大切で、それによって改善に向かうこともあると思いますが、現状、マイナスな部分の発信ばかりが目立ってしまい、なかなか先生という仕事って素敵!先生になりたい!って思わせてくれるような発信が世間的には少ないと思います。

なので過去の自分は先生になりたいと思うきっかけはありませんでしたし、一般企業でバリバリ働いてる人の方がスマートでかっこいいと感じていました。

【ではなぜ先生になったのか?】

興味を持ったきっかけは、
◉JICAボランティアの同期として一緒にブラジルに行った小学校や中学校の先生経験者の方々が魅力的で、面白い人が多かったこと。

◉Teach For Japan の理念に共感し、臨時免許という形で教員免許無しでも先生になることができると知ったから。
↓ Teach For Japan についてはこちらから↓​


理念ももちろんですが、世界的なネットワークがあるという点も自分にとっては非常に魅力的でした。(世界50か国以上)
そして期待通りTeach For Japan を通じて面白い方、すごい方に知り合うことができている最中です。

長崎県の離島の公立の小学校で働きながらも、勝手に世界と繋がりながら仕事ができているという感覚になっています。

【先生になるということを決意、後押しした理由】

◉ブラジルの2年間の活動の中で”現場力”の重要性を痛感していたこと。

やはり、現場の外の人間がいくら議論したところで現場は変わらない。
これは、ブラジルの小さな田舎町の野球チームの指導者という立場を経験し学んだことです。
↓詳しくはこちらの講演会動画から↓
22:00〜


現在の日本の教育界も似たような状況になっていて、現場の外から意見だけを言う。批判ばかりをする人が溢れているのではないか。

一億総ツッコミ時代といわれる現代において、この状況は教育界だけではないかもしれないが、仮に自分が日本の教育を良くしようと外からアクションを起こしたところで、
現場を知らなければ、その他多くの批判、ツッコミのひとつになってしまうのではないかと思いました。

Teach For Japan の理念にもあるが、一人でも多くの人が教育現場を経験し、日本の教育への当事者意識や問題意識をもった方が、日本という国が良くなるであろうと考え、
まず現場を経験したいと思いに。

◉ブラジル日系社会について知ったこと

日本という国は昔から教育に力を入れていて、それはブラジルをはじめとした南米の日系社会でも同じだった。

移民として入植したそれぞれの町で、まず学校を作り、教育こそが将来を切り拓くという思いで、子供の教育に力を入れ、
それが現在のブラジル各地、南米各地に残る日本語学校であり、昔の日本国内でも寺子屋から始まり、昔から教育に熱心だったからこそ、
現在の日本という国ができている。

そんな日本の教育界に携わろうとしている人間が減少しているので、その流れに逆行して教育現場に入りたいと考えた。

◉野球への恩返しから、日本への恩返しへ

JICAボランティアの野球隊員になった理由として、一番大きかったのは”とりあえず海外経験してみたい”という思いですが、
大学まで野球一筋で育った人間として、野球界への恩返しをしたいという思いもありました。

そんな思いでブラジルで2年間、短期ボランティアとしてパラグアイで1ヶ月活動させてもらいました。

JICAボランティアという立場で、自分の身銭は切らず、国民の皆様の税金に支えられて海外でかけがえのない経験をさせてもらい、
自分自身も成長できたと思います。

なので次は、日本への恩返しをしていくべきだと考えました。

そんな貴重な経験を自分だけのものにしてはいけないという思いで、JICAの活動と並行して、YouTubeやブログで自分の経験を記録し、発信してきました。

帰国後には講演会なども行いました。

そして、それだけでなく学校現場で先生として子供たちに自分の経験を伝えることも日本への恩返しであると考えています。

◉自分が圧倒的に成長できる環境

これは自分が先生に興味を持つまでは考えたことがなかったですが、小学校の担任の先生は学級経営という言葉があるように、
その学級の経営者、リーダーとして子供たちをまとめ、学級を経営、運営していく力が求められます。

その仕事に関しては、私のような1年目の教師であっても、ベテランの先生であっても同じです。(もちろんベテランの先生方はそれ以上にいろんな役職があり、仕事が多くなりますが)

なので、上から指示された仕事をこなすという働き方ではなく、自分自身で考え、トライアンドエラーを繰り返しながら、それぞれの子供に合った方法、それぞれのクラス合った方法を試行錯誤することが必要です。

この作業が非常に大変ですが、やりがい、楽しさを感じています。
実際に働いてみて、教員という仕事は比較的自由度は高いなと感じています。
自分の学級のことに関しては、基本的には担任が100%権限を握っているので、その分責任は重大で、他の先生には頼れない、他の先生のせいにもできないです。
※もちろん他の先生も協力はしてくれます。たくさん協力、アドバイスをしていただいたことで、なんとか無事に1学期を終えることができました。

自由には責任が伴うということですが、このような環境で自分で決断できることが多いので、仕事へのやりがい、充実感、楽しさを感じることができていると思います。
○自由→責任大→大変→やりがい、楽しさ?
○不自由→責任少→楽→つまらない、退屈?

自分が学んだことを試し、どんな反応が返ってくるか。
そのような実験を毎日猛スピードで何度も繰り返させてくれる環境です。

インプット→アウトプット→フィードバックのサイクルが早く、猛烈なので日々大変ながらも充実感を感じれているのだと思います。
※怒涛の日々に負けてインプットや振り返りの時間を怠ると、思考停止状態で機械的に業務をこなすだけになり、精神的に辛い時期もありました。

これに関しては、学級経営だけでなく、授業もまさにそうです。
毎日5〜6時間の授業は猛烈なアウトプットの場です。
毎日プレゼンがあるので、毎日準備しなければならないという感覚です。

もちろんこれが学校での勤務時間中で行うことは、1年目の教師の要領の悪い自分にとってはほぼ不可能な状態なので、夜や早朝に準備をします。
※食事、入浴、睡眠以外のプライベートの時間を平日に確保するのは難しいです。ただここにサウナの時間をぶち込むことで、圧倒的に生産性が向上することにも気付きました。サウナのお話は別でしましょう。

このように自己成長を求めている人間にとっては、強制的に学び、改善し、準備し、という作業をせざるを得ない環境になるのでオススメです。笑

まずはざっくりと、僕が小学校の先生になった経緯と実際の現場で感じたことはこんな感じです。
ここからはもう少し深掘り、専門的な話も交えてみます。

【”学校の先生”という共通言語の獲得】

皆さん、世界で英語を話す人は何人くらいいると思いますか?
ポルトガル語を話す人は?スペイン語を話す人?

僕もはっきりとした数字は分かりませんが、このような言語が少しばかりわかるようになったので、圧倒的に人生の豊さ、充実度が上がったように感じます。

共通言語が増えることで、コミュニケーションを取れる人の数や、事象が増えます。

僕はインスタグラムやYouTubeでブラジル人のしょうもない動画を見ることが大好きです。

でもそれはポルトガル語がわかるようになったから、それを一つの娯楽として楽しめるようになりました。

ちょっとだけスペイン語も聞き取れるようになったことで、プロ野球のヒーローインタビュで中南米の選手がスペイン語でインタビューに答えている映像を見ることも、自分にとって大きな楽しみ、娯楽の一つとなりました。

これと同じようなことが、小学校の先生になり、”学校の先生”という言語を獲得したことで起こっています。

日本全国には全部で何人の先生がいると思いますか?

これも調べていないので数字はわかりませんが、日本全国各地に学校はあるので、確実にかなりの数の”学校の先生”という職業を持つ人がいると思います。

現役だけでなく、すでに退職された方も含めれば相当な人数になると思います。

そんな全国の先生方と、先生の仕事という共通の話題、”学校の先生”という共通言語でコミュニケーションを取れるようになったことが、めちゃくちゃ面白くて、更に人生を豊かにしてくれています。

自分の学生時代やJICA時代の知り合いにも多くの先生という職業を経験している人が多くいますし、自分自身が小学校から高校までの間でお世話になった先生方とも、”学校の先生”という共通言語によって、コミュニケーションが深まりました。

更に、僕は今年の5月頃から「みんなのオンライン職員室」(以下みん職)というサービスを利用して、オンライン上で日本全国の先生方と交流、情報交換を行っているのですが、
先生という共通言語を獲得している状態だからこそ、全国の先生方とすぐにコミュニケーションを深めることができ、既に学校現場で多くの経験を積まれている先輩の先生方から多くのことを学ばせていただき、自分の仕事に生かすことができています。
※みん職↓


そして、世界中にはもっと多くの先生という職業を仕事にしている人がいます。
”学校の先生”だけでなく、”教育”という共通言語で考えれば、更に多くの人が携わっていると思います。

勝手な想像ですが、世界規模で考えると
“English” という言語よりも、
”Education”という言語で語り合える人の方が多いと思います。
まあどちらも兼ね備えればもっと最強だと思いますが
(※よし、英語の勉強をしよう!)

少し話は変わりますが、
サッカーの本田圭佑選手がプログラミングを学んだのもこういうことかと納得しました。

とにかく”学校の先生”という言語を獲得することは、英語を習得するか、それ以上に人生を豊にしてくれる可能性があるというお話でした。

【学びの対象の広がり、自分のアンテナの広がり】

簡単に言うと、生きているだけで目に入るもの、体験することなどなど、ほぼ全てのことが先生の仕事に生かせそうだなと感じられるようになってきています。

先生の仕事で一番大きなウエイトを占めるのが、

◉授業をすること
◉クラスをまとめること

この2つですが、この作業の滞りなく行うためには、様々な要素が複雑に絡み合っていると思います。

“良い授業”するためには、子供たちが聞きたくなる、学びたくなる授業を作ること、聞き手を惹きつける技術や準備が必要です。
雰囲気作りも大切です。

この技術を高めるために、僕は落語家さんが書かれた授業力アップの本を読みました。
プレゼン力を上げる技術について書かれたビジネス書も参考になると思います。

“クラスをまとめる”ということに関しては、ほぼ全ての書籍や人の話、自身の経験が参考になると思います。
※要は人間という生き物が、何を考え、どんな反応をし、どのように動くのか学んでいるかどうかという本質にたどり着くと思います

世の中のほぼすべて仕事や、人間が生きていく中で、人と関わること、人と関係を築くこと、人をまとめ、人を動かすことは必須で、
そのようなことについて書かれた素晴らしい本がたくさんあると思います。

もちろん教員向けに書かれた本もたくさんあり、非常に参考になるのですが、そのような教員向けの専門書以外でも、先生の仕事に生かせそうなことが書かれており、学びたくなるので、アマゾンでワンクリックでの書籍の衝動買いをやめられません。笑
やっぱり僕は野球をしてきた人間として、野球の指導者の方々の本は楽しく読めて、かつ学級経営に生かせる内容が多いと感じています。

他にも子供たちが好きなアニメから、大人になってから考えたことのなかったような素朴な疑問、様々な社会問題まで当事者意識を持って考えられるアンテナの幅がめちゃくちゃ広がりました。

アンテナをできる限り高くして、少しでも幅広く、調べたり、人に聞いたりしておくだけでも、子供たちとの関係性が良好になるし、業務に生かせることも増える。
そんなふうに感じます。

先生の仕事は多岐に渡ります。
学級通信を作成したり、様々な学校行事を企画、運営したり、それらに関連する膨大な事務作業が発生したりなどなど
これらの仕事には、文章を考え、書く能力、イベントの企画、運営力、事務処理能力などが必要になってきます。
とにかく総合力を上げる必要があると日々痛感させられます。

逆に言うと、これまでにどんな仕事をしていようが先生の仕事に生かせることはたくさんあると思います。

このように、さまざまな経験をし、いろんな学びをして、幅広い能力を身に付ければ付けるほど、仕事に生かせることが増えるというのが先生という仕事です。
逆に、先生という仕事を経験しておくことで、他の仕事に生かせるさまざま能力が身に付くというふうにも考えられると思います。

そこで、

まだまだ閉鎖的だと言われることの多い、学校の先生という仕事ですが、このような認識がもっと広がり、
学校と一般社会の双方向の人材交流が活発になればなるほど、学校教育界にとっても、一般企業にとってもメリットが多いのではないか、
その結果として、日本全体が、世界が少しでも良くなるのではないかと思います。

それを実現するためにTeach For Japanというプラットフォームの活用が非常に合理的であると思います!


なんだかTeach For Japanの宣伝をしているのではないかという方向に文章が向いてきていますが、僕が宣伝をして、応募者が増えたからといって、
僕に何かインセンティブが入るわけではありません。笑
単純に仲間が増えることが嬉しいことだし、楽しみなのでこのように書いています。

それはJICAボランティアに関しても同じ感覚で、同じ組織の一員として、同じような経験をした方々がいることが僕は嬉しいです。

もちろん、一般企業でバリバリ活躍されていて、圧倒的な結果、数字を残している方からすると、先生という職業は物足りなさを感じる仕事になるかもしれません。
なぜなら、仕事の成果を数値化することは困難だからです。
野球界のサイバーメトリクスのようなシステムが学校現場にも導入され、もう少し仕事の成果などをデータで表すことができるようになると、そのような物足りなさは改善されるかもしれません。笑

YouTubeでもブログでも、自分の仕事の成果のフィードバックが数字でリアルタイムで返ってくるので、良くも悪くもそれがモチベーションにもなるし、自分の仕事を客観的に振り返り、分析ができます。

先生の仕事の成果は数字以外の部分で、見える化する必要があると思います。

その方法に関しては今後、自分なりに模索してみます。
既にノウハウがあったり、良い書籍などあれば教えて頂きたいです。

理論と実践
”理想論”と”地に足のついた実践”のバランスが重要で、キーポイントになってくるとは思っています。

以上!
こんな感じです。
後半はなんだか眠くなってくるような文章になりましたが、こんな感じです。

学校現場を4、5ヶ月ほどしか経験していない新人教師の思考を言語化してみました。

もしよければFacebook、Twitterなどでシェアなどよろしくお願いします。
少しでも多くの方が、日本の学校現場や先生という仕事に興味に持って頂けたら嬉しいです。

P.S
この文章を作成する際に使ったメモ、文章にまとめきれなかったメモを残しておきます。
こんな感じで考えました。
かなり時間がかかりましたが、夏休みというまとまった時間で、頭をリセットすることができたので書けました。
文章を書くこと、コンスタントに発信することが、いか体力が必要なことか久しぶりに痛感しました。
2学期がんばりましょう!

魅力的、面白い先生多い
みんしょくの存在
教育という共通言語
たしかに怒涛の日々
もっと内省の時間欲しい
すぐにアウトプットできる環境
やるからないか
すぐに試せる
トライアンドエラーの繰り返し
まさに学級経営
言われたことを機械的に行う仕事ではないので、充実感がある

経営者という視点
ビジネス本の内容
野球の指導者の言葉などなど
人を動かすということに関して、
本質は同じ
学べる対象が広がった

大変だ、たしかに大変
その分楽しさもあると思う

シンプルに授業力
授業を通じた組織作り
野球で言うと、練習中とか、試合中の選手への声かけとか
先生の方針、理想像を掲げる
それに基づいた指示、声かけ

◉最初の仕組み作りに時間を投資すべき!
運動会がんばろう!
◉数字を突きつけてもらえないことへのもどかしさ、物足りなさ
公務員という立場で守られてる安心感とのトレードオフ

それは仕方ないのかな
数字絡むなら塾の講師になるし
数字がないからこそ、
学校の先生だからこそできることも多いはず

YouTubeやブログ、保険の営業など
数字のフィードバックが常にある
それがモチベーションや安心感に繋がるし
淘汰される
ビジネスマンが教員になるには、
評価制度の改革は必要かな?

サイバーメトリクス的な
もう少しデータを取り入れて貢献度とか、
絶対的に学力アップとか

社会主義による
保守的な風土からの脱却は難しい
なんらかのインセンティブを
自治体単位、学校単位、学年、クラス、個人で設けると面白いかも
評価制度は大切
公務員だから無理だと言う言葉で片付けてしまえばそれまでだが

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