手術の緊張感
皆さんはどのような手術のプレッシャーが大きいと思いますか?
難易度が高くて大変な手術や、動物の状態が悪くリスクが高い場合の手術を想像しますか?
もちろんこのような場合も緊張感はありますし、プレッシャーも大きいです。
しかし、獣医師にもよると思いますが、私が最もプレッシャーを感じる手術は、
『元気で健康な動物の手術』です。
そう、毎日のように実施している若い動物の避妊や去勢などです。
病気で状態が悪い動物の手術は難易度も高いことが多いですし、確かに緊張します。
しかし、『その手術を受けることにより元気になる』という次のステージがあるのです。
そのために、なんとしても頑張ろう!というモチベーションが上がるので、それがプレッシャーを上回る気がします。
一方で、『元気な動物の手術は元気な状態でお返ししないといけない』のです。
元気なのでそれ以上良くなることはありません。しかし、悪くなることはあります。
麻酔や手術はどんなに元気な動物でもリスクを伴います。そのために健康な動物が手術を受けることによって状態が悪くなることだってあるのです。
私は経験したことはありませんが、避妊や去勢手術によって亡くなることだってあります。
『元気な動物を元気にお返しする』ということは、単純なようですが本当に大変なことだと思います。
それなら避妊や去勢手術などを滅多にしない二次診療施設で働けよって話なんですけど(笑)
他にも色々な理由で私は一次診療の動物病院で仕事をしています。
しかし、真剣勝負である手術を実施するにあたっては、完全に脱力してリラックスした状態よりも適度な緊張感が必要です。
慣れている手術だと思って、油断していると思わぬ失敗を招くこともありますし、かといって緊張しすぎたり恐怖心を抱いていても、うまくいきません。
だから私は、これからも適度な緊張感を纏っていきたいと思います!
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