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夢を絶望に変える労働環境(保育園編)

昨日、ウチの法人に転職を希望する保育士さんが施設見学に来た。昔は就職や転職をするのに、あらかじめその保育園を見学してから応募するようなシステムは多分なかったので、良い時代になったな〜って思う。

実際に保育園を見学してから応募するパターンと、一次面接と二次面接の間に施設見学を希望するパターンがあるのだが、今回は後者だった。

この施設見学の後、本部のオフィスで面接を受けるという彼女は、リクルートスーツに身を包み、約束の5分前に保育園にやって来た。

一通り保育園の中を案内して、質問を受けるというのがいつもの流れ。私は面接官ではないので、どんな事でも遠慮なく聞いてね。と言うと、面接では聞きにくいであろう質問がいくつか出てくる。

「実際の休憩時間はどれくらいですか?」 
「有休は取りやすいですか?」
「勤務中に事務作業をする時間はありますか?」
「残業代は正しく支払われますか?」
「不適切保育などはありますか?」
「人間関係、実際はどんな感じですか?」

このような質問が出るということは、これらが原因で転職を考えているという場合が多いので、逆に聞いてみる。
「今、あなたが働いている保育園はどうですか?」

○食事は子ども達の給食の介助をしながら一緒に食べる。子どもの午睡中に休憩を取るが、実際は睡眠チェックをしたり連絡帳や日誌を書いたりしているので休めていない。
○保育士が少ないので、たとえ体調不良でも熱がなければ基本は出勤。勤務中に体調が悪くなっても、横になって休んでいてもいい。と言われて帰ることができない。コロナで休んだ時は有休で処理したにもかかわらず、無症状なら制作はできるでしょ。と言われ、ダンボール箱一杯の材料が自宅の玄関前に置かれた。
○一緒に働く保育士はみな自分より10歳以上年上で、そこに長く勤めている人ばかり。子どもに対して強い言葉を発したり、大人の都合でお散歩に行く行かないを決めたりするのが嫌で、施設長に相談したが、すぐに主任の耳に入って自分への当たりが強くなった。

見学に来た彼女は、新卒でその保育園に入職して2年目。7名定員の小規模保育所で0歳児の担任をしているという。ただ、現在は園児不足で4名しかいない。そこに園長はおらず、同じ法人の介護施設の施設長が兼任している。当然その人は保育を知らないので、実際は主任が全てを取り仕切っている。

ここまでの話を聞くと、「え⁈それってヤバくない?」って言う人が多いと思うが、実際は保育園あるある(いや、ダンボールが玄関先に置かれたってのはさすがに初めてか。)で、私が今まで聞いてきた話はこんなものばかりだ。こんな状態で、保育の質向上とは聞いてあきれる。

ただ、これからの保育士のみんなには言いたい。
「決してこんな法人ばかりではないからね。」
それに、今いる保育園ヤバいかも。と思うなら、ぜひ声に出してほしい。働く環境を変えるために現状を伝えられるのは自分達だけなのだから。

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