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インデペンデンス・デイ

1996年に公開されたこの映画、息子が観たいと言ったのか、私が観たいと思ったのか、きっかけは忘れてしまったが、当時もうすぐ4歳になる息子を連れて2人で映画館に行った。スケールの大きな映画は、できるだけ大きなスクリーンで観たいな〜と、思いながら出かけた記憶がある。

その頃の私は子育て真っ只中。なかなか自分のための時間が取れていなかったので、久しぶりの映画鑑賞に心が踊った。そして、わくわくしながら席に着く。

予告編から楽しんで、いざ本編が始まって大事なことに気づいた。

…あ、これ日本語字幕版だ。。

隣の席で足をぶらぶらさせながら口を半開きにしてスクリーンを凝視している息子は、
まだ文字が読めない。

さあ、どうしたものか。

「おかーさん、読んで〜。」

まぁ、そうなるよね。。
しかし、そのまま読んで聞かせるだけではとても理解できそうにない。3歳の脳みそでもなんとかわかるように、訳して、かいつまんで、周りのお客さんに迷惑にならないように息子の耳元でコソコソ喋る。申し訳ないが、これでは映画を楽しむどころではない。

そんな私の状況をよそに、生まれて初めて観るハリウッド超大作に、当の息子は大満足の様子だ。


あれから26年。
息子はテレビドラマの撮影現場で働いている。
大学を出て、助監督として歩き出した2年目、彼はメディアの取材でインタビューを受けた。
その時の一部がこれ↓↓

――彼女にフラれ、たまにしか友達と飲みにも行けないとはやはり過酷ですね…!それでもこの仕事を続けられる理由は何でしょうか。

野口「やっぱり、この仕事が好きだからってのが大きいかな。僕がこの業界に入りたいと思ったきっかけは1996年に公開された映画『インデペンデンス・デイ』。当時3歳だった僕を映画好きだった母が映画館に連れて行ってくれて。当然、字幕なんて読めませんから、母に全部訳してもらってましたね。そのときに『映画ってすごい!僕もこんな映画を作りたい!』と幼心に思ったのを覚えています。そこから20年経ってこの業界に入って、確かに仕事は大変だし給料も多くはないですが、辞めたいと思ったことは今まで一度もありませんよ。今でこそ月給20万円くらいですが、入ってすぐの頃は月7万~8万円くらいしかもらえなかったんですけど(笑)、性格上嫌いなことは続けられないタイプなので、辛くてもやり続けられているのは『好きだから』としかいいようがありません」

https://baito.mynavi.jp/contents/chousatai/tokusyu/vol1.html



ありがとう。
あの日のおかーさんの苦労が報われたよ。

#映画にまつわる思い出

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