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自分が変わると世界が変わる(心の打ち出の小槌 上級編)第2章

-私のリアル初任給-

あれは、今と同じ

少し寒い季節でした。

私に

「会いたい」

と言ってきた

メルマガ読者と、

大阪のあるホテルの

ロビーで待ち合わせを

したんですが、

そのホテルに私は

一度も行ったことがないので、

下見を兼ねて早めに

家を出ました。

正直に話すと、前々日から

緊張はすでに始まっていました。

その日の夜はあまり

寝れていませんでした。

「どんな人が

 来るんだろうか?」

「直接会って、

 何を話したいのか?」

「どんな期待を

 私にしているんだろうか?」

「果たして私は

 その方の期待に

 ちゃんと答えられるのだろうか?」

実はこの最後の思い、

不安が一番強く、

目的地に着くまで、

ずっと心臓の音が

耳に聞こえている状態でした。

15分くらい早めに

到着したんですが、

事前に聞いていた服装のー

茶色のコートを着た女性が

フロントから少し離れたところに

すでにいるのが見えました。

「きっと彼女だ…」

一度、その場で息を大きく吸い込み

気持ちを少し落ち着かせると、

少し早足で近づき、

私の方から頭を下げつつ、

声をかけました。

「こんにちは。初めまして、奥田です」

やった。

噛まずに言えた。

本当に最初は、

そんなところからの

スタートでした。

目を見て挨拶なんて

大それたことは、

まだ当時、難しくて

できなかったので、

下向き加減の挨拶が

何とか終わってから、

改まって、頭を上げ、

その方を顔を見たんです。

待っていたのは、

少し白髪が気になる

小綺麗な50歳後半の女性でした。

「初めまして!いつもメルマガ、

 読ませていただいています!」

「思っていたよりもお若くて、

 ビックリしました!

 先生にお会いできて光栄です!」

彼女は初対面の私のことを

「先生」と呼びました。

私は先生なんだ。

センセイ。。

何か自分の中の

よく知る

「奥田裕之」

が、その瞬間に

音を立てて壊れたように

感じました。

先生として振舞わないと。。

そういう気持ちも

確かにありました。

しかし、それ以上に、

すでに私はこの人にとって、

「先生なんだ」

という

“先生の自覚”というのが、

自然と芽生えた瞬間でした。

ロビーから、すぐそばの

ラウンジへ移動し、

椅子に座ると同時に

とにかく連続で

彼女から質問攻めを

受けました。

「いつからメルマガを

 書かれているんですか?」

「書き始めたきっかけは?」

「今はどういったお仕事を

 されているんですか?」

「若いですね。何歳ですか?」

「ご結婚はされているんですか?」

「講演会、セミナーとかも

 されているんですか?」

「今どこに住まれているんですか?」

「いつもどんな本を

 読まれているんですか?」

ずっと30分くらい、

質問され続けていたと思います。

一通りの質問を受けた後、

少し間ができたので、

「そういえば会って話したいことがあると

 言われていましたが何でしたか?」

と私が、初めて質問をしたんです。

すると…

明るかったその方の顔が

急に暗くなり、

少し重たい声で、

「実は…」

とゆっくりと

話し始めたんです。

その話の内容を

はっきりとは

覚えていないのですが…

確か友達が最近、

おかしいみたいなー

そんな内容だったと

思います。

その友達があんまり

自分の話をいつも

聞いてくれないとか、

全然、近頃、話が

かみ合わないとか、

あの人はとても

自分勝手だとか、

そういう巷によくある

分かりやすい愚痴でした。

なぜ、内容をあまり

覚えていないかというと、

本当にくだらない

内容だったからです。

当時、私の感情としてあったのが、

どうしてそんなことに

いちいち悩んでいるんだろう

わざわざ人を呼び出して、

会ってまでして

言いたいことなんだろうか

これは前置きで、

他に何か理由や、

考えがあるのではないか、

という考え、思いの方が

当時、強かったです。

その女性からすれば、

本当に凄い

大変なことなんだろうと、

今であれば、分かりますし、

とても理解できるんですが、

そのときの私は、

知らない人と

会うなんてことに

全く免疫がなく、

しかも、知らない人の悩みを

直接、聞いたことなんて

一度もありませんでしたので、

急に会って話がしたい

ということでしたので、

きっとよっぽどのことだと

思ったんですね。

家族が亡くなったとか、

重い病気が見つかったとか、

仕事をいきなりクビになったとか、

とんでもない借金があるとか、

いろいろあって今すぐ死にたいとか、

もうその問題が、

気になって気になって

他のことが全く

手につかなくなるようなー

そういう人生での

大問題にこの方は

今、直面しているんだとばかり

思っていたんです。

しかし、実際の悩みが、

そういった緊急事態に比べると、

全然、大したことが

なかったので、

それに驚いて、

終始、心の中で

意味が分からないと、

つぶやいていました。

特に彼女に対して、

アドバイスというのもなく、

以前に読んだ

デールカーネギーの

「人を動かす」

に書いてあったことを

ちょっと思い出しつつ、

相手のことを認め、

否定せずに、

理解を示して、

ひたすら1時間半くらい

その方の話を聞いていたら、

胸の内を人に話せて

スッキリしたのか、

段々、彼女の顔色が

良くなっていき、

「なんか吹っ切れました!

 ありがとうございます!」

と言って、

「これはお礼です」

と、

机の上に白い封筒を置くと、

「今日はありがとうございました。

 また明日のメルマガも

 楽しみにしています。

 また会ってくださいね!」

と言って、

あっさり帰っていたんです。

封筒を開けると、

「3万円」が

ピン札で入っていました。

お茶代もすでに

支払われていました。

これが私の人生初の

完全なる自力で

得た報酬でした。

何が起こったのかを

整理するのに

しばらく時間がかかりました。

私は、いろいろ

その日あったことを

思い返しならが、

考えていたところ、

“一つの大きな気付き”

を得られたんです。

それはー

・少しの勇気

・少しの知識

・話を聞くスキル

があれば、

お金(食べるもの)には

困らない

ということ。

この後、私は

この「偉大なる発見」が

「真実」かどうかを

確かめるために、

「ある行動」

に出ます。

その行動を起こすのに、

最初はとても不安が

ありましたが、

一つ目の気付き、

・少しの勇気

をここでもちゃんと

出さないといけないと

思ったのとー

検証したい気持ちの方が

検証したくない気持ちよりも

はるかに上回ったので

早速、試したんですが、

結果は、当初の予想を

大きく超えるものとなり、

「真実」が「確信」に

変わっていったんです。

第3章へ続く…

奥田 裕之

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