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『天国、それともラスベガス』からの低音のすすめ - サブウーファーで低音環境を強化しよう

先日夜中に友人のツイート見ていてなるほどと思ったのですが、コロナの影響でライブやクラブイベントが「配信」になり、自宅でバンドやDJのプレイを楽しむってことは、ライブハウスやクラブのフロアで提供されていた身体の芯を震わせるような低音を感じる機会を失っている、ということでもあるんですね。

同様に、コロナの影響で盆踊りがなくなれば、和太鼓を叩いたときにお腹に響くドンも聴けなくなるでしょう。コロナ以降の生活で無視できない、低音体験機会の喪失。

僕自身は、ハウスミュージックであったり、R&Bやジャズであったりと低音の比重が高い音楽を聴く機会が多いので、自宅デスクにもサブウーファーを設置していて、サブウーファーのある自宅音楽ライフを楽しんでいます。その楽しさを、ぜひ皆さんにもお伝えしたい。

今回は特に、アニソンやゲームソングのクラブイベントをきっかけにクラブミュージックを聴くようになったり、ライブ会場で低音の魅力を体験している皆さんに、全力で自宅へのサブウーファー導入をお勧めしていきます。

1. サブウーファーとは何か?

サブウーファーとは、通常のスピーカーではカバーしきれない20Hz~100Hzくらいの低音域に特化した専用のスピーカーのことです。ブーンとかズーンとかそういう領域の音を、空気の振動として・塊として身体に伝えてくれるので、高性能ヘッドフォンで耳を通じて聴く20Hz~100Hzとは全く違う作用を身体に与える装置です。

そしてこの低音域は、クラブミュージックをはじめとした現代の音楽で、世界中のアーティストが切磋琢磨して新たな音像を探している現在一番面白いホットスポットのひとつになっています。その状況は、アニメソング、ゲームソングでも無縁ではなくなってきました。特に最近はアニソンをクラブで聴くイベントも増えてきていたので、低音が生きる場面は増えていました。

2. 「さよならアンドロメダ」の低音域を楽しむ

ここで、そんな低音域の魅力をもったアニメソング、ゲームソングのひとつをご紹介したいと思います。

この曲は、人気のスマートフォン用ゲーム『アイドルマスターシンデレラガールズ』のキャラクターソングとしてリリースされた、『さよならアンドロメダ』(渋谷凛 (CV: 福原綾香)、森久保乃々 (CV: 高橋花林)、大和亜季 (CV: 村中知)、作詞・作曲・編曲:バンダイナムコスタジオ)です。イベントなどで耳にした方も多いのではないでしょうか?

近年は人気DJとしても活躍しているイノタクこと井上拓さんがバンダイナムコスタジオ在籍時に手がけた曲ですね。この曲が、サブウーファーで聴く低音域でどんなことをしているかを一緒に見ていきましょう。

こういう話はテキストだけでなく実際に音も聞いてもらった方がいいと思いますので、レコード会社(コロムビア)が公開している試聴音源より少し短い長さのパートを引用させていただいて、サブウーファーがカバーする領域で何が起きているかを解説します。

この動画が、今回のメインディッシュです。ぜひ動画をご覧ください。

サブウーファーがカバーする、紫色で囲まれた20Hz~100Hzの音たちが、楽曲を盛り上げ、演出し、感情にグッと働きかける重要な機能を持っていることが分かるでしょうか? 低音域に音があること、そして低音域の音がないことのコントラストによって、曲の展開と雰囲気を変えていることが見てとれると思います。

こうした低音域は耳よりも身体で聴く感じの音で、クラブで、またはコンサートのライブ会場で、大きな音で聴いたときにあなたの身体に作用していた部分です。

ですが、家庭用の一般的なスピーカーでは、特に30Hz以下のローエンド領域は音が小さくなってあまり聞こえなくなります(そのトレードオフとして、中域をクリアに聴かせるような特性を持たせています)。そしてヘッドフォンでは、どんなに再生周波数の帯域が広くても、構造上身体に振動が伝わることはありません(そのかわり、理知的に各領域の音を聞けます)。

つまり、こうした低音域が果たしている、身体と感情に訴えかける機能や魅力を自宅で楽しむには、サブウーファーがどうしても必要なのです!

「さよならアンドロメダ」で見られたような低音域の楽しさを身体で感じるために、いまご自宅で使っているスピーカーに追加する形で、新たにサブウーファーを設置することを全力でオススメします。世界が、変わりますよ。

3. サブウーファーを選ぶ

とはいえ、わかります。サブウーファーを部屋に設置するといっても、特に日本の住宅事情だとちょっと心配ですよね。家と家との距離が近く、必ずしも壁が厚くない日本の家屋。そしてなるべくご近所に迷惑な音をださないことが美徳とされる文化の中では、ド低いローを大きな音で鳴らすのはなかなか難しい。

でも安心してください、たとえ大きな音でなくても、サブウーファーからの低音をほんの少し足すだけで、音楽の印象はがらりと変わります。もちろん大きな音を出せれば最高ですが、小さな音でも低域が空気の振動として身体に響く感覚は味わえます。

そしてどうせ大きな音が出せないわけですから、そんなにパワフルで高価な機種を買う必要もないのです。ざっくり、一桁まんえんの前半でOKでしょう。僕が自信をもってオススメできる機種は…たとえば実際に僕が使っているサブウーファーの後継機にあたる、FostexのPM-SUB8(Amazonで3万6000円)とか、もう一回り小さいPM-SUBmini2(同1万6500円)あたりが使いやすいと思いますし、パワー的にも全然十分じゃないかと思います。

Fostex PM-SUB8

Fostex PM-SUBmini2

他にも、左右のスピーカーにヤマハのHSシリーズを使っている方には、同じHSシリーズのサブウーファーも良いと思います。

YAMAHA HS8S

ここに上げた3機種の中で、もし皆さんが手軽に始めたいなら、僕は値段の安いFostex のPM-SUBmini2を1番にプッシュしたいと思います。

4. 接続もかんたん

上でピックアップした3機種のおすすめポイントのひとつが、接続の簡単さです。「サブウーファーを設置する」というと、専用のアンプが別途必要なのかな?といった悩ましい(そしてそれはそれで楽しい)探求の世界が待っているわけですが、上記の3機種については接続はとても簡単で、以下の図の通りにつなぐだけでOKです。

簡単に言うと、いま使ってるオーディオインターフェース(またはPCの音声出力)とメインスピーカーの間に、サブウーファーを挟むだけです。

お勧めした3機種は「パワード型」または「アクティブ型」といって、スピーカー自体に電源が内蔵されているタイプのモデルです。なので、サブウーファーを鳴らすための専用のアンプを別途揃える必要がありません。

また、3機種とも本体背面に「INPUT」という入力端子とあわせて「THRU(スルー)」という出力端子を持っています。これは、入力された音をそのまま外に出してくれる(スルーしてくれる)端子で、なのでTHRUからの出力をそのまま、いま使っているスピーカーに入力してあげればOKなのです。ね、簡単でしょう?

パワード型(アクティブ)型で、背面にTHRU(機種によってはOUTPUT)端子を持つサブウーファーは他にも多数あるのですが、入手のしやすさなど考えて、僕は上記の3機種を選びました。

5.サブウーファーを設置する価値

コロナの影響でコンサートホールやライブハウス、クラブのフロアで鳴り響く低音を感じることが難しくなっている今、当面の間「自宅で配信イベントを楽しむ」という機会は増えていくと思います。なので、自宅にしっかりと低音を鳴らす環境をつくる意義はとても大きいと、僕は断言できます。

ちょっと高級なヘッドフォンを1つ買う程度の値段で、いままで感じていなかったような「身体で感じる低音」を自宅で楽しめるようになります。音楽体験の質ががらりと変わり、音楽から感じられるものが増えていく、費用対効果の高い投資だと思うので、アニソンやクラブミュージックだけじゃなく、もちろんクラシックとかジャズを聴く人にもオススメしたいです。

お勧めしたい気持ちが溢れて、サブウーファーのPVも作ってしまいました。

この動画の音、実はそんなに大きなボリュームで鳴らしていません。サブウーファーの横に置いたデジカメの内蔵マイクで録音した音声そのままですが、音も割れてないですよね。これくらいの優しいボリュームでも、サブウーファーから空気の振動が出力されて、あなたの身体に届くのです。

そしてこの動画の後ろで引用してる曲は、Terrace Martin, ロバート・グラスパー、9th wonderで「Sleepless Nights (feat. カマス・ワシントン&Phoelix)」。アルバム「Dinnder Party」収録曲。こういう現代のジャズやR&Bも、サブウーファーがあるのとないのとで相当印象が違うんですよね。

この音楽もまた、サブウーファーがあることで、存分に魅力を感じられる音楽のひとつです。

6.サブウーファーでこれからの音楽体験を豊かに

以上、低音の体験機会が失われつつあるwithコロナの時代に、自宅へのサブウーファーの導入をお勧めする話でした。

皆さんのこれからの人生、まだまだたくさんの音楽をご自宅で聴く予定があるなら、1日も早い導入をお勧めします。

平日の昼間とか、周囲の家にあまり人がいない感じの時間帯は、僕もちょっと大きなボリュームを出しちゃったりします。すると、部屋の中でサブウーファーが鳴り響き、唸る低音が身体を満たしていく至福の体験ができます。これができるのがリモートワークの密かな楽しみだったりして。

僕のデスクを「天国」にしてくれる大事なピースのひとつ、サブウーファー。世界中のアーティストが挑戦している低音域の冒険を感じる装置としてのサブウーファー。ぜひ皆さんにも、自宅にサブウーファーがある楽しみを味わっていただけたらと思いました。

まじで、楽しいですよ! ぜひご検討ください!!

★僕の自宅デスクチューン話については、こちらに記事を書いています。よかったらこちらもぜひご覧ください。

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