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美女イケメン

まだ僕が20歳そこそこだった頃、
街中で美女イケメンを見ると、嫉妬した。

彼ら彼女らにも、彼ら彼女なりの悩みがあると、
世間は言うけれど、
それが僕にはどうしてもわからなかった。

「振られたことはありません」
ニヤニヤ笑いながら、そうコメントするテレビの中のタレントを見ると、
どうしても「ほらね」と思ってしまう自分がいた。

しかしきっと、それはそれで正しかったのではないかと思う。
当時の僕の辛さと、彼ら彼女らの辛さの問題は、
同じ異性愛をテーマにしていたって、
やはり異なるものだったのだ。

向こう側の辛さがわかるようになったのは、
そして、彼ら彼女らに嫉妬しなくなったのは、
今思うと、
歳のせいではなく、
君のおかげだと、気づいた。

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