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くるくる。
2019年10月18日 18:50
スポットライトがあたった。真っ暗闇の中に、小さな光の円が縁取られた。ハッとして、ぼくは自分の置かれた状況を手探りに確認し始める。ここは、どこだ。手を伸ばす。何かに触れたいと思う願いもむなしく、手のひらはただ虚空を掴む。指先は何にも触れない。重い空気だけがその指の隙間から通り抜けていく。冷や汗が頰を伝う。ツーっという冷たい筋が、いやにはっきりと感じられる。そこにあるのは無音だ。無限遠まで広がる、しん