テネリフェ空港ジャンボ機衝突 KLMオランダ航空機生存者なしの謎を解く方法
1977年3月27日 現地時刻 17時06分にテネリフェ航空で大規模な事故が起こった。事故当時のことをリアルタイムに知らなかったが、ドキュメンタリー番組を通して知ることになった。
航空事業者は検証を重ねて安全で快適な空の旅を提供してくれているが、想定以外の状況になったときに想像もつかないことが起きる。
車と船の免許を持っているが、長年乗っていると通常のヤバいことはほぼ経験している。知らないことが起こったらどうしたらいいかはその時考えるしかない。
何気なくテレビを見ていたら「メーデー!:航空機事故の真実と真相」を放送していた。
その中の世界最大規模と言われているテネリフェ航空ジャンボ機衝突事故は、テロ騒動、悪天候、コミュニケーションミスと問題が重なりに重なって起きてしまったようだ。
メーデーは難しい内容をわかりやすく説明してくれたので興味を持つことが出来た。この事故の搭乗者被害は、衝突した二機のうち、KLMオランダ航空は全員犠牲になってしまったが、もう一機のパンナムは操縦クルーと乗客合わせて全体の15%が生還できたようだ。
KLM機が全損になる謎
衝突の瞬間を見ると正面衝突ではなく、KLMがパンナムの上にいる。この図ならKLMが全損に思えないのだが。
ニュース、ドキュメンタリー、Wikipedia、解説動画、検証記録
複数の情報ソースを利用すると内容をより詳しく知ることができる。
今回の謎解決に聞き漁ったリソースをリストした。
シネフィリックス社 Air Crash Investigation
メーデーというタイトルでよく知られている。 視聴時間 45分
構成
1.事故の再現シーン
2.タイトル
3.事故が起こる前の日常
4.当事者や関係者の証言
5.事故の始まり
6.事故再現
7.検証
8.原因と対策
一定のパターンを保っているので視聴しやすい。1で最初に何が起きたかを端的に教えてくれるので3~5の説明が理解しやすい。
事故現場という凄惨なシーンもグロテスクな表現がなくて家族と一緒に見れる安心さ。
CGによる内部画像
キャストが魅力的
基本的に有料放送
ナショナルジオグラフィック
スミソニアンチャンネル(US)
ディスカバリーチャンネル(カナダ)
ディズニープラスにはナショジオがついてくる
Mayday: Air Disaster 公式チャンネル
1時間25分
テネリフェのエピソードはシネフリックス社より40分長い。
本編の内容は一緒だが、乗客のバックグラウンドにフォーカスを当てている時間が多い印象。キャストも違う。
シネフィリックスをサブスクリプションしていたつもりだったが、ある日この公式に変わっていた。700本ほどのビデオがあり、メーデーと刻されているものが大半を占めているが他の制作会社のも入り混じっている。
まったく同じ番組が複数あったり、ショート版もある。
メーデー公式で見逃した番組はここで探してみるといい。
Wonder
航空機事故だけでなくあらゆる事故・事件を取り扱ってる。
航空機事故番組では客室の悲鳴やパニックシーンにフォーカスが当てられ、検証や安全対策に重きをおいて見てる人には好まれないかも。
Mentour Pilot メンツアーパイロットチャンネル
元パイロットのキャプテンペターさんが、パイロット目線で事故を詳しく解説してくれる。
画面にディスプレイされるデータはメーデーよりも細かくて親切である。
CGでの説明もあるが、メーデーのような再現ドラマではない。基本、ペターさんがしゃべりっぱなしである。
KLM生存者なしの謎はここで解決した
パンナム機は横に避けようとしたが機体は大きく、思ったように曲がり切れない。KLM機は上に避けようとしたが、最終的に中途半端に浮揚したために衝突後に墜落して大破。
Wikipediaを読み返したら、そのように書いてあったが文字だけではワカラン!
素人はどこをどう勘違いしたのか
KLM機は目前にパンナム機が見えたとき、機体後部を引きずっていたのは急ブレーキを掛けたのだろうと解釈。止まり切れず追突してしまったと思い込んでいた。
パンナムのクルーが生還してるからその追突にならない
KLMは「頼むから上に避けてくれ!」と操縦桿を引いたが、速度が準備できていなかったために機体を滑走路上で引きずってしまった。
普段では起こさない、起こらない操縦だったんだね。
しかし、引きずったあとでわずかに浮揚したのでパンナム機のコックピットを避けて衝突し、浮いてしまったからこそ墜落して大破しまった。
納得した
ここまで来てようやくわかった。
ついでにNTSBのデータも読んでおく
この事故についてはA4ページ1枚ほどのシンプルなデータしか残されてなくて上記以上のことは知れなかった。
ドキュメンタリー番組があったからこそ
最初にNTSBのデータや元パイロットさんのしゃべりっぱなしを聞いたら、事の重大さやどうして起こったのかわからなかった。
この事故に対して興味を引くという意味でもドキュメンタリー番組のおかげである。
そしてこういう空という現場の知力の結束力が、私のいる足に地が付いている場所で起こるパニックに対して冷静な判断力を持つ必要性を与えてくれている。