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ビバルディ:グローリア ニ長調 RV.589第10曲:「御父の右に座りたもう者よ」

A・ヴィヴァルディが作曲した宗教音楽「グローリア ニ長調 RV.589」から、
その第10曲 "Qui sedes ad dexteram Patris" を歌う、
アンネ・リ-セ・ポリクロペク( Anne-Lise Polchlopek )さんをご紹介いたします。

演奏は、指揮:ギ・ファン・ワース 氏 演奏: Ch-Ensanbleの皆さん

アンネーリーセさんは、私スピンが3年前からInstagramでフォローしているフランスご出身の歌手です。
お名前以外は、生い立ちも、略歴もなにも判りません。ただ、バイオリンの演奏から音楽を学び始め、或る時から声楽家の道を目指されたと理解しています。

メゾ・ソプラノ歌手が持つ、独特の落ち着いた声質、まろやかで、穏やかな歌唱に、すっかり魅了され、ここ数年フォローしてきました。

普通の合唱団による演奏でも、おごそかな雰囲気を漂わせながら歌われる曲ですが、アンネ・リーセさんは、祈りを捧げることを楽しんでいるかのように、時に、神と共にあることに官能的なほどの喜びを謳いあげているかのように感じます。

オペラ歌手は、フランス語・ドイツ語・イタリア語・英語、そしてラテン語等々の多言語の歌詞をまるでネィティブであるかのように美しく操りますが、その曲・歌詞に含まれる意図をも、見事に表現するのです。

聴いていてまるで飽きるという事がありません。

この曲でも、ラテン語の「Quī sedēs ad dexteram Patris, miserēre nōbīs.」
(クィー セデース アドゥ デクステラム パトゥリス、 ミゼレーレ ノービース)
(直訳ですが: 父の右に座(ざ)し給う主よ、我らを憐れみたまえ。)
という歌詞を何回も繰り返すだけなのですが、ニュアンスは、その都度、変わっている処が見事です。

また、以下に添付する映像は、フランスの作曲家マスネがゲーテの小説「若きウェルテルの悩み」に感激して作曲した歌劇「ウェルテル」第三幕冒頭に謡われる「手紙の唄」を、アンネ-リーセさんが独唱する、つい先日の映像です。

主人公ウェルテルが自殺を図ったことを聞いた、ウェルテルに心を寄せる女性シャルロットが「私の心にウェルテルがいると誰が想像できたかしら--」
と、切々と歌い、彼女の力量の広さを強く感じさせてくれます。

一歩づつ、オペラ歌手として成長を目指す彼女の頑張りに、遠く日本から
応援を続けさせて頂いております。(o^―^o)

Air des lettres, Werther, Massenet
Mezzo-soprano : Anne-Lise Polchlopek
Orchestre Opéra Royal de Wallonie
Direction : Dayner Tafur-Díaz

At Studio 4, Flagey, Bruxelles, Belgique.  On February 2023




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