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セザール・フランク:ヴァイオリン ソナタ イ長調 FWV 8

バイオリン:ルノー・カピュソン
ピアノ:マルタ・アルゲリッチ
収録:2020年 6月25日  At:ハンブルク ライスハレ


ヴァイオリン・ソナタは、通常ヴァイオリンとピアノの二重奏によるソナタを指します。ヴァイオリン・ソロによるソナタは「無伴奏ヴァイオリンソナタ」と呼ばれます。

古典派の時代、ヴァイオリンソナタは、ヴァイオリン助奏付のピアノソナタであり、ピアノの比重が大きかったのですが、ロマン派の時代になるとヴァイオリンの比重が大きくなり、ヴァイオリンとピアノの対比と調和の妙が
聴かせどころとなるようになりました。
***ここまで、Wikipedia より引用させて頂きました***

音楽形式のことは良く判りませんが、ブラームス以降のヴァイオリン・ソナタを聴いていると、まるで作曲家の「私小説」を読んでいるような気持に
なります。

判り易く、交響曲を「本格的文芸小説」に例えてみれば、ピアノソナタは「詩集」を読んでいるよう。
同様に例えると、ヴァイオリン・ソナタはまるで「随筆集」または「哲学書」を読んでいる錯覚に陥ります。

お国柄を反映しているのでしょうか、ドイツの作曲家のヴァイオリン・ソナタは、思考に一部の隙もなく論理を組み上げ、まるで、キルケゴールやハイデッガーを読んでいるよう。

それに較べて、フランスの作曲家のそれは情緒的で、感情の起伏がそのまま音楽になっていて、まるで、退廃の中を彷徨うアルベール・カミユの日記を読んでいるように感じてしまいます。

私には、時代を写し取った作曲家の心のひだを一枚一枚克明に辿っている
感覚を覚えてしまうのですが、如何でしょう?

そのフランス系のヴァイオリンソナタの最高傑作・・・と各界のご評価も高いセザール・フランクのヴァイオリン・ソナタをご案内いたします。

セザール・フランク(1822年12月 - 1890年11月)はベルギーはブリュッセルのすぐ隣の素敵な街リエージュのご出身で、フランスで活動した作曲家・オルガニストです。

リストやショパンにも才能を注目されましたが、ピアノ教師として、また
その後は教会オルガニストとしてつつましい生活を送りました。
その最晩年の、1885年ごろ(66歳くらいから)、ヴァイオリン・ソナタ イ長調、交響曲ニ短調など、現在よく知られる代表作を次々に作曲した方です。

厳冬の夜空を独り心ゆく迄 楽しんで頂ける曲だと思います。

演奏は、スピンのお気に入りのバイオリニストの一人、ルノー・カピュソン氏による、奇も衒いもない、心揺さぶられるものです。


#音楽レビュー#クラシック音楽#バイオリンソナタ#フランク

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