2:旅立ちの章

息子達に起こされると妻は出掛ける風で、子供達に着替えをさせてやってくれと頼まれた。妻が用意の服を着させるとなんだか「おぼっちゃま」みたいな情けない状態の2人を見かねた自分は

「ねえ。ホントにこのカッコでいいの?いつもの動物のトレーナーとかでいいんじゃない?」

と声を掛けてみるのだけれど、妻はそれで良いという内容の答えしか返してこない。子供達はそもそも服という概念に一切の興味を示していないので準備完了ということにした。そうしてじゃあ自分も支度を、どこに行くのかも知らんけどと思っていると

「御母さんも来るから貴方は無理して付いて来なくても良いよ上手くいかないじゃない?家でゆっくり休んでいたら?」

なるほどあのババアも参加の行事なのねん。そもそも自分は上手くいかせようなどとは一粒の米程も思っていなくてそれはどうやら相手も同じであろうと確信を持っている。やんわりと妻の申し出を快諾してみんなを見送った。


ええっとなんだったっけああそうそう。

化け狸の斬殺に成功した自分はその旨を相談元に報告した。みんな大変に喜んでくれて自分もなんだか凄く嬉しくって、行きしなに購入出来なかった木こり帽なんかも購入して其れを被ってはしゃいだ。

翌日。なんでもこの広い世界には自分の知らぬところで様々な苦労や困難な状況が人々を苦しめているらしく、自分にはそれを解決に導くだけの力が備わっているのだから導かないといけないと言われた。

自分は目を閉じて神に祈った。

俺は導く。導いてみせる。絶対に、だ。




#小説 #書いてみた


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