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断熱合戦の罠にかかるな。

こんにちは、1月に入ってから関わるお客様の量も多くなってきました。

一つ一つの物件に、真剣に向き合ってみると、12年も家づくりの仕事をしていますが、気づくことも非常に多いです。



僕は仕事柄、なかなか他の会社のしている家作りを見ることができませんが、お客様の話から非常に感じるのは.競うように断熱性能や、空調の性能、推し進めている住宅会社の多さに、疑問を感じています。

関東から、九州にかけての多くの平野部では、日本海側の地域を除いて、穏やかな気候のエリアが多いです。

そのため、積雪の量は非常に少なく、年間を通じて冬場の最高気温が氷点下を下回る日数はそこまで多くない状態が普通です。


現在の、家づくりのレベルは本当に底上げされているなと感じています。

多くの住宅会社で取り入れられている、複合樹脂サッシが基本になってきていますし、断熱材のレベルも、基本的な性能の高さと、床下の断熱水回りやお風呂場の断熱なのも、各メーカーでレベルがかなり上がっています。

例えて言うなら、20年前の家づくりの高級品が現在では標準になっていると言う感じです。


ですので、そうした標準的な断熱性能のレベルの高さ以上を求める事は、住宅の価格をかなり押し上げてしまうものだと思います。

確かに性能が高い方が、温熱環境は良くなりますが、身体的な体感値はかけたコストの割には、体感しにくいレベルだと僕は思います。


2,000,000円から5,000,000円かけた設備や、断熱性能のグレードアップは、冬場に温かさを感じれるわけですが、グレードアップしなかった住宅と比較しても、実はそこまで差がないと思います。

事実、私たちの会社で作らせてでもらった家で比較しても、冬の朝の気温差は1度や、1.5度程度になりました。

この温度差は、実はかなり大きいのですが、体の体感レベルで行くと、かけたコストの割には評価しにくいです。

ただ、家づくりは完成してしまうと比較しにくいため、現在の住んでいるアパートや古い一戸建てと比較すると、確かにかなり暖かいわけです。



反対に言えば、超高級住宅を建てても、一般的な断熱性能を保有している住宅を建てても、どちらもそれなりに暖かいといえます。


一戸建てを建てる地域にもよるのですが、断熱合戦の罠にかかって、かなり高額なコストを無理矢理納得させられるような口車には乗ってほしくないなと思っています。



なかなかできないとは思いますが、いわゆるそこそこのレベルの断熱性能のおうちで、冬に寝たり起きたりすることができるならば、案外、今の家ってかなり暖かいんだなと体感することができると思います。



家づくりを検討するときには、それなりに断熱の良し悪しと、コストバランスの感覚を持っている担当者と話し合うことが重要ではないかと僕は思います。

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