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何かがうまくいかなかった時

「僕が一番変わったのは。何かがうまくいかなかったときに、その場に飛んでいってその問題を解決するのではなく、長期的視点で人々を見るようになったこと。」

自ら設立したApple社を追放され、Next 社を立ち上げたスティーブ・ジョブズが、”Appleで個人的に学んだことは何か”と学生に質問された時のこたえだ。

問題が起きた時、さっさと解決の指示をしてしまうのではなく、関わる人々が問題から学ぶのを見守るようになった、と説明したのだ。例えそれが、時に失敗という痛みを伴うとしても、と。

おそらく若き日の天才ジョブズは、自分が即座に導き出した正しい答に周りを従わせようとしていたのだろう。そして、それは経営者として適切なやり方ではない、と気づいたのだろう。

まだ追放の傷が癒えていないはずなのに、言葉を選びながら、丁寧に自分が得た教訓を学生たちに伝えようとする姿に、彼がそのことから多くを学んだのだということが伝わってきた。

この後も多くの挑戦と失敗を含む経験を経たジョブズは、スタンフォードの卒業式であの有名なスピーチをした。長命ではなかったけれど、他の人にはできない壮大な挑戦をし続けたジョブズ。自ら興した会社をクビになるという大失敗を、自分の人生における必要なプロセスだったのだと語る境地に到達した人の凄さ。

私はジョブズの足元にも及ばないけども、その姿勢に学びたいと思う。ちょっとくらい何かがうまくいかなくても、たとえ消えてしまいたいくらいの大失敗をしても、へこたれている場合ではない。人生は続いていくし、それは突然終わるかもしれないのだから。


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