見出し画像

#41 'そんな'ことじゃない

小さい頃(3歳くらい)から今日まで
SMAP、嵐、ドラえもん、ディズニー、野球、ラジオなどなど
趣味に没頭していなかった日は殆どない。

(1日もないと言っても良いかもしれないけど、話を盛っていると思われたくはないので
'殆ど'ということにしておこう。)

小学校や中学校時代、趣味に没頭している人間はなぜか異端児扱いを受ける。
「何でそんなことに時間を使うの?」
自分を仲間はずれ扱いしたい奴らは
みんな口を揃えて言う。
全く関係のないクラスメイトの保護者からも
言われたことあったな。
(おっと口が悪くなってしまった。)

最初は面倒くさいと思いながらも、
腹が立つので、声色を変えて
「そんなって言い方やめろよ」
質問の回答をせず、質問の言い回しに文句をつける返しをしていた。

言われる回数が増えると
もう反論するだけ無駄だなと感じるようになり
「分かんないよぉ〜」
身体を左右に揺らしながら甘い声を出す。
(想像しないでください)
そして、しれーっとその場から立ち去る。
これが自分流のやり過ごし方だ。


同時に
あの質問をしてくる人は
「よくそんなに好きでいられるよね」
と言う確率が高いことが分かった。
(自分調べです)

2つの発言に共通して入っている
'そんな'という言葉。
心の底から何かに没頭している人を尊敬したり、凄いなと思ったりしている人はあまり使わないだろう。

'そんな'という言葉を使うということは
私には到底あなたのことが理解できない
と遠回しに表現しているのと同じなのである。

そもそも理解しようとも思っていなかったのだろうし、適当に発言しているだけなのだろう。




この発言をしてきた人たちは
何かに夢中になったことがないのだろうか?
ずっと考えていた。


ある日学校で
「〇〇君と〇〇ちゃん付き合い始めたんだって〜」
教室にいる時間以外にも
部活の時間や家に帰るまでの帰宅路でも
その話題で持ちきりだった。

学校内でも2人で一緒に姿をよく見かけたし、
LINEや電話を使ってプライベートもラブラブだと友人から聞いた。
(どっからそんな情報が入ってくんだよ
という思いを心の中でグッと抑えていた)


ふとその〇〇君に言われた
「よくそんなに好きでいられるよね、俺には無理だわ」という言葉を思い出した。


(ん?好きなもの出来たじゃん、
めちゃめちゃ好きだよね!彼女さんのこと!)


ここで初めて思った。
彼にとっては没頭する対象が彼女であるが、
自分は彼女ではなく趣味であることに。


好きな人が出来たら、
そのことで頭がいっぱいになったり
もっと知りたいと思ったり。


その対象が自分は人ではなくて趣味であった。
ただ、それだけのことだ。


極端な話だが、
自分の大切な人に対して
「そんな人に時間を使ってるの?」
「よくそんなに好きでいられるよね」
と言われたら良い思いはしないだろう。

「俺の彼女を馬鹿にしやがって!」
とその場で怒り散らす人もいるだろうし、
心の中に怒りを閉じ込めて
どこか違う場所で発散する人もいるだろう。


発言する前に1度、自分の大切なものに置き換えて考えてもらいたい。


'推し活'という言葉が流行したように
少しずつ世の中が趣味に没頭する人を
容認するようになってきた。

あの時自分に無神経な言葉を浴びせてきた人たちもアイドルやアニメのキャラを推したりしているようだ。

あれだけ言っておいて私は推し活を楽しんでます!みたいな雰囲気を醸しだされると
何だかなぁと思う気持ちも多少はあるが、
それ以上に自分が趣味に没頭しているので
マイナスな気持ちを抑えることが出来る。




何かに没頭している人間に
優しい世界であってほしいな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?