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大学生が、本気で江戸川乱歩賞、狙ってみた②【キャラクターについて】
こんにちは、山本清流です。
江戸川乱歩賞を狙っています。
現在、キャラクターを練っているところです。
前回は、どんな作品にするか迷っていると書きましたが、近未来SFミステリに決めました。こちらのほうが面白いと思ったので。
今日は、(コロナの影響で)バイトが休みになったので、キャラクターについて考えます。
参考にしたのは、これ。
ネガティブな性格の辞典で、「甘ったれ」とか、「愚直」とか、「仕事中毒」とか、たくさんの項目が見開き2ページで解説されています。
まずは、主人公のキャラクターをつくっていこうと思いました。女性にすることはすでに決まっていました。
あと、見た目も、です。
先日、散歩しているときに、ダーク紫のショートボブに、全身黒い服を着ている女性を見かけて、「センスいい!」と思ったので、それを真似ることにしました。
主人公は、ダーク紫のショートボブで、全身黒い服を着た二十代の女性。一流のプログラマーで、政府の中央コンピュータの制御スタッフとして勤務している。二十代で頭角を現し、上層部からも一目置かれていた。
これで、属性はある程度決まりました。その主人公の女性の性格をつくりこんでいくのが今日のいちばんの仕事です。
今朝、『性格類語辞典 ネガティブ編』をざっと読みなおしたのですが、キャラクター論について、面白い指摘がありました。
それは、キャラクターには、外的動機と、外的障壁、内的動機と、内的障壁があるという話です。
外的動機というのは、客観的に見えるものへの欲求です。たとえば、金メダルを取りたい、とか、新人賞を受賞したい、とかです。
外的障壁というのは、外的動機を阻むものです。たとえば、ライバルの存在とか、怪我によって動けなくなるとか。
一方で、内的動機というのは、心の中にある欲求です。たとえば、人に注目されたい、とか、役に立つ人間になりたい、とかです。
内的障壁というのは、内的動機を阻むものです。たとえば、人前に立つことへの恐怖、とか、「自分は役立たずだ」という思い込み、とかです。
僕は、この話に「なるほど」と思いました。
今回の主人公における四つの要素を考えてみることにしました。
まずは、外的動機。いまからつくろうとしている作品の中心となる謎はデジタル化された人々のお金がどこかへ消えていくことです。だから、主人公の目的は、その謎を解き明かし、システムの改善を図ること。
つまり、政府の中央コンピューターのシステムエラーを正す。これが、外的動機。
外的障壁は、悪役の存在にしたいと思います。システムエラーの鍵を握っているエンジニアの男(このキャラも、あとで考えたいと思います)が、システムエラーを起こしたことが判明。その男が、システムエラーの謎をひた隠しにすること。これが、外的障壁。
続いて、内的動機ですが、主人公は、なぜ、システムエラーを正したいのか。考えたのですが、しっくりとくるのは、「人々の生活を守りたいから」という動機です。
なんだか、就活のエントリーシートみたいな動機ですが、それが自然な気がする。
説得力を持たせるために、なぜ人々の生活を守りたいのか。そこまで考えて、主人公に心の傷を設定することにしました。過去に人を傷つけた経験から、「自分は、人を傷つけてしまう」という思い込みがあり、その思い込みから、人の生活を脅かすことに躊躇いが生じる性格。
そんな主人公であれば、自分が担当する中央コンピュータのシステムエラーで人々のお金がどこかに消えていくとなったら、全力で取り組もうとするはずです。
内的障壁は、上記したとおり、「自分は人を傷つけてしまう」という思い込み。その思い込みによって、自信がなくなり、諦めそうになってしまうところ。
「自分は人を傷つけてしまう」との思い込みが生じたきっかけの事件についても考えたのですが、あまり極端にするのもわざとらしいだろうと思い、いまのところ、子供時代の些細な経験を検討しています。
たとえば、「サンタなんているわけないでしょ」と言い放ってしまって友達を傷つけた経験や、勉強ができることを誇っていたら勉強の苦手な友達を傷つけていた経験など、知らず知らずのうちに人を傷つけた経験。
本作のテーマは、「犠牲への追悼」にしたいと考えているので、ちょうどいい設定だと思いました。
名前も決めました。早見咲慧です。外的障壁となるプログラマーの男の名前を羽山聖にしようと考えているので、それのアナグラムで、この名前にしました。
小難しい話になってしまい申し訳ありませんでした。でも、外的動機、外的障壁、内的動機、内的障壁から考えると、具体的にキャラクターが浮かんできました。
次回は、主人公の外的障壁となる羽山聖について、つくりこんでいきたいと思います。お読みいただき、ありがとうございました。