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【まとめ】小説において頻出するパターン5個を箇条書きしてみた【量的データではありません】

 こんにちは、山本清流です。


 小説の中で利用できるエピソードパターンについて、まとめたいです。

 僕の頭の中身を吐き出すような気分で書いてみたいと思います。


 以下、箇条書きみたいに書いていくので、よろしくお願いします。

 パターンとはなにか、という方は、こちらの記事をお読みください。


 ①「え、あんた、マジで?」の法則

 「信頼していた相手に裏切られたとき」→「絶望してしまう」


 例:『ハリー・ポッターと謎のプリンス』にて、ダンブルドアが信頼していた(ハリーも信頼していた)スネイプ教授がダンブルドアを裏切り、殺してしまった。これを見ていたハリーは絶望の底に沈む。

 演出効果:絶望感を演出したいときに便利である。身近な人物(あまりに身近すぎると、嘘くさくなる危険性がある)が急に寝返り、主人公と敵対的な立場になるような展開にする。ただ、この演出を頻出させると読者が疑い深くなるので、ここぞというときにだけ仕込みたい。わざとそのほかの怪しい人物を用意しておくことで、そちらにミスリードさせておくという高度な技術もある。どんでん返しとして機能すると、絶望のインパクトも強まるはずだ。


 ②「ひたむきすぎて、ごめんなさい」の法則

「どんな困難にもひたむきな態度を取る人」→「共感してしまう」


 例:朝ドラの主人公の多くは、たぶん、これ。どんなに苦しい出来事にぶつかったとしても、真っすぐに向き合おうとするし、できるだけ明るくいつづけようとする。人間というのは、ひたむきな人には好意的な感情を抱き、共感してしまうところがある。これを活用するのは最重要課題だ。

 演出効果:ひたむきにしておけば、共感は得られやすい。主人公の前に出現したさまざまな障壁に対して、できるだけ真っ向から挑もうとする強さを描くとよい。ただし、ときどき、自暴自棄になったり、ちょっとくじけそうになったりするシーンを入れてもよい。むしろ、そういうのが一切挿入されていなかったら、現実離れしてしまい、逆に共感しにくくなる危険性がある。


 ③「自分語り、せんのかーい」の法則

 「自分語りをしそうでしない」→「苦しくなる」


 :東野圭吾の『白夜行』に顕著である。だらだらと自分語りをするようなシーンを頻出させるよりも、あえて自分からは何も語らないという戦術をとったほうが、その人物の苦しみは伝わりやすい。なぜなら、本当に苦しんでいる人は、自分のことを語らない、というような価値観を持っている人が多いからだ。

 演出効果:自分語りをさせないでおくと、読者はその余白を勝手に想像してくれる。どんなことがあって、どんな苦しみを抱えているのか。それを客観的にしか描写せずにいたほうが魅力的な人物になりやすい。ただし、共感を得るということを考えると、開けっぴろげなキャラクターのほうが便利ではある。


 ④「断定してみるぞ、このやろう」の法則

 「断定するように話す」→「惹きつけられる」


 例:湊かなえの『告白』に顕著である。キャラクターはわざと断定するような口調でしゃべったほうが惹きつけられる。たとえば、こういう人はバカの傾向があるけど、例外としてそうじゃない場合もあります、みたいに厳密に述べるよりは、こういう人は全員バカだ、と断定したほうが魅力的になる。

 演出効果:キャラクターの魅力を生み出したいときに便利である。なんでもかんでも断定してみると、読者は、そのキャラクターから目が離せなくなるはずだ。これは心理学的にもおそらく正しい戦略である。ただ、断定をするキャラクターというのは、厳密さには欠けることになるから、反感を抱く読者がいることについても把握せねばならない。


 ⑤「私、平均以下なんです」の法則

 「平均よりレベルが低い」→「安心できる」


 例:ホラー映画や怪談などによく出てくる手法である。主人公やその周りの人たちを、わざと頭の悪い人や、能力値の低いキャラクターとして設定しておくことで、読者は安心していられる。なぜなら、劣等感を一切、刺激されないからだ。劣等感を抱えている人が多い日本では、とくに効果があるものと思われる。

 演出効果:とくに日常に近いところを描く場合には、有効利用できる。怪談のように日常に密着した物語では、一般的、あるいは、一般以下のキャラクターが主人公であると、読者も入り込みやすい。ただし、あまりにバカすぎたりすると、読者から突っ込みが入る危険性がある。キャラクターがおバカなことと、物語の整合性とは、切り離して考えるべきだ。


 以上です。

 なんだか、書いていて、楽しかったです。

 お読みいただき、ありがとうございました。