【『ホクロ男』執筆日記④】臨場感を演出するための工夫とは

 こんにちは、山本清流です。


 現在、『ホクロ男』は、40×40で、30ページにさしかかりました。

 3万5000文字くらいです。あとちょっとで第2章が終わります。


 前の作品では、1日3ページ書き進めていたのですが、今回の作品では、1日1ページの執筆速度です。

 締め切りまで時間があり、急ぐ必要がないので。


 どうやら、執筆速度は速いほうがいいわけでもないようです。

 ゆっくり書くことで、質が上がっているように感じるので。


 現在のところ、執筆上のトラブルはありません。

 あえて言えば、ノートパソコンのキーボードが壊れていますが、べつのキーボードを接続して執筆しています。


 わからない言葉についてはスマホで検索します。目の前に広辞苑があるけど、重すぎて使い物になりませんので。

 スマホは画面がバキバキになっていますが、まだ1年くらいは使えるだろうという感じです。


 近況報告はこれくらいにして、さっそく、今回の話題。

 それは、臨場感です。


 ちょっと前、たぶん、一週間くらい前、

 どうしても臨場感を出したいシーンがありました。


 それでどうすれば臨場感が出せるだろうかと、いろいろ試みたのですが、

 その結果をご報告しましょう。


 僕が出した結論はふたつあり、ひとつは「視点」で、もうひとつは「具体性」です。

 

 まずは、「視点」。


 ロシアのウクライナ侵攻のニュースが連日流れていますが、

 そのニュース映像の中にも、臨場感のあるものと、臨場感がないものがありました。


 臨場感のないものは、たいてい、遠くから監視カメラで撮ったような映像です。

 一方、臨場感のあるものは、個人がスマホなどで撮影した映像です。


 この違いは、おそらく、「視点」の違いだと思います。

 上から覗き込んだような神視点の映像は、どこか他人事のように映り、実際に体験しているような気がしません。


 だけど、スマホのように個人の視点からとらえた映像には現実感があり、実際に体験しているかのような臨場感があります。

 だから、まずは、個人の視点になるように気を付けました。


 もっと言えば、目の動きに合わせて描写するという方法です。

 手元を見たら、拳銃がある。目を上げると、30メートル先まで戦車が迫ってきていた。

 みたいに、目を動かし、目の動きに合わせて、状況を描写してみるというやつです。 

 貴志祐介先生も、こういう書き方をしていた気がします。

 これが意外と効果があるのではないか、と僕は感じています。


 もうひとつは、「具体性」です。


 臨場感のある感じにならないなぁ、と悩んでいたところ、

 単語を具体化しただけで、ぐっと臨場感が増すことに気が付きました。


 たとえば、「会社」と「オフィスビル」では、後者のほうが臨場感があります。

 「会社」という言葉には、働く場所という意味だけでなく、法人という抽象的なイメージもあるので、臨場感がぼやけるのです。


 これは単語だけではなく、表現にも言えるのではないでしょうか。

 「向日葵のような美しい少女」という表現は比喩としては面白いかもしれないけど、臨場感はありません。

 「すっとした顎に、きりっとした目つき」というように具体化したほうが臨場感があります。

 

 意外と、臨場感を出すには、新聞記事のような主観を排した表現のほうがいいのかもしれないという気がします。ただし、抽象的な言葉は禁止。


 そういうわけで、抽象性のある言葉を排除して、表現を具体化していくと、臨場感が増すのではないか、と思いました。


 とりあえず、今作においては、臨場感を出したいシーンにおいては、この方針で書いていきたいと思います。


 なにか、独自の工夫などあれば、教えてください!

 以上、山本清流でした。