見出し画像

佐藤究、『テスカトリポカ』がヤバい。ハスミンを思い出したが、スケールはケタチガイ。

 『テスカトリポカ』がヤバい。

 とにかく、ヤバい。


 とりあえず、読んでほしい。

 暗黒を愛するすべての人が読まなければいけない。


 などと、ちょっと引くぐらいの言葉を並べ立てたくなるくらいにヤバいのである。


 読んでいるときに、『悪の教典』を思い出した。

 『悪の教典』と言えば、ハスミンこと蓮実聖司というサイコパスが高校を支配しようとする物語だったが、

 

 それにも似ているような暗黒たっぷりの世界が繰り広げられている。暴力も、裏切りも、信仰も、なんでもあり。

 しかも、彼ら暗黒が支配しようとしているのは、ひとつの高校ではなく、裏社会の資本主義だ。


 それも、緻密に計算されている。裏社会に跋扈するビジネスのアイディアが刺激的で、説得力がある。あまりにクールすぎて、うっかり心酔してしまいそうだった。いや、心酔したかもしれない。


 バルミロは、ハスミン並みにカッコよかった。


 まさか、『QJKJQ』と『Ank:a mirroring ape』のあとに、資本主義に切りこんでいこうとするとは。

 想像できなかった。


 ぜひ、読んでほしい一冊。『悪の教典』が好きな人には、オススメです。


 より詳しいオススメ文はこちら。