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【公開】長編小説『独白』が完成するまで⑤【推敲について】

 こんにちは、山本清流です。


 2019年の9月に『独白』という小説を書きました。

 登場人物の独白形式で、物語が展開する長編ミステリです。↓

 無料(結末以外)なので、ぜひ。

 

 この小説の創作過程について公開していく企画です。

 ①アイディア、②アイディアを具体化、③プロット、④執筆、⑤推敲の5つのプロセスに分けて、解説します。今回は、⑤推敲です。

 あくまでも僕の一例ですが、「こんな感じで小説を書いているのか」とイメージできるかと思います。

 はじめから読みたい方は、こちらへ。

 さっそく、創作過程を覗いていきましょう。


 【推敲する】

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 今回は、推敲です。

 『独白』の推敲をしたときの難しかったポイントをご紹介します。


 【基本は、誤字脱字を正す】

 とりあえずは、誤字脱字を正しました。

 ここはそれほど難しくないです。

 

 ただ、自分で書いたものを読み返すのは面白くないので、

 そこはちょっと辛いところです。


 間違いがないか、画面に目を近づけて、チェックしていきました。


 【表現をわかりやすく】

 こちらのほうが、重要。

 大変なところでもありました。


 『独白』は勢いのままに書いた作品なので、

 推敲以前には意味不明なところが少なからずありました。


 もともと登場人物の独白形式なので、登場人物本人にしかわからない記述はあってもいいのかもしれませんが、

 なにはともあれ、小説なので、わかりやすいことは大切でした。


 ぐちゃぐちゃとなったところを、論理的に、丁寧に直していきました。

 もちろん、作品の性質上、わざと文体を崩したりしたところは直していません。


 【表現の吟味】

 いちばん難しいところは、ここでした。

 『独白』は推敲の段階で、かなり表現を変更しました。


 というのも、さすがに不適切だろうという表現が多くあったからです。

 ひとつひとつ吟味して、削れるところは削り、変更できるところは変更しました。


 しかし、右に倣えですべて修正したわけではありませんでした。

 本編には、『死ね』などの言葉がふつうに登場します。


 これは、最後まで考えたところなのですが、

 さすがに『死ね』を修正してしまうと、作品の雰囲気が崩れると考え、本編に残す判断をしました。『クズ』との言葉も登場します。


 正直、いまでも難しい問題です。

 どうしようかと悩みます。


 でも、いまの僕は、そういう表現はなるべく避けるべきだとの考えに傾いている感じがします。

 単純な表現には創意工夫がないし、

 読者を傷つける可能性もあるからです。


 しかし、侮蔑表現であれ、作品によってはそれらの表現がフィットしている場合もあると思うのです。


 『独白』はまさに、フィットする作品なのでは、と考え、いろいろ悩みました。


 結果としては、一部の表現を作品に残すことにしたのでした。


 【不適切かどうかは推敲で直せばいい】

 僕の考えです。

 執筆中は勢いで書くのもひとつです。


「これはダメなんじゃないか」、「これは許されないんじゃないか」と気にしていたら、僕の場合、手が動かなくなるので。


 ひとまず、書ききって、それから熟考に移る。

 そんなイメージです。


 【ついに完成】

 こうして推敲を終え、『独白』は完成しました。製作期間はおよそ一か月でした。

 一か月といっても、大学の夏休みを利用したので、かなりの長期間です。


 タイトルは『嫉妬』で考えていましたが、友人からの指摘を受け、『独白』のほうがフィットしていると思い、変更しました。


 完成したときは、サイコーな気分でした。

 最近もひとつ中編くらいの小説を書き終えたのですが、そのときも、テンションが上がりました。

 

 小説を完成させたときの達成感はなかなか日常生活では味わえません。


 【推敲をするのに時間を置くべきか】

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 基本、置くべきだと思います。

 補足的に、推敲について考えを。


 【時間を空けたほうが冷静になれる】

 経験上、執筆終了時点では興奮しているので。

 だから、なかなか冷静になれません。


 時間を空けてから、冷静になってから、

 自分の作品を振り返ると、いろいろな修正ができます。


 【しかし、空けなかった】

 しかし、『独白』では、時間は空けませんでした。

 執筆終了した次の日から、推敲を開始しました。


 時間がなかったからです。

 

 あまりよくはなかったと感じています。 

 実際、『独白』はもうちょっと読みやすくできたのではと後悔することもあります。


 時間がある限りは、時間を空けてから推敲したほうが完成度は高まるはずです。


 【推敲しない方法も】

 推敲は必要不可欠かと言われれば、そうでもないという気もします。


 執筆段階で神経を研ぎ澄まして、一字も間違いないように、ゆっくりと書けば、

 推敲しながら執筆しているようなものです。


 その場合、執筆終了後に推敲しないままで完成できる。

 そういう方法もアリなのでは。


 【よし、次の作品へ】

 以上。山本清流でした。『独白』の創作過程と、僕の考えにお付き合いいただき、ありがとうございました。

 なにか参考になっていれば幸いです。

 

 過去の作品はあまり構わず、次の作品へ。

 どんどん書いて、レベルアップしていきたいです。


 お互い、頑張りましょう。