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【執筆の実況中継】ショートショートを書く日常のひととき②

 今日もショートショートを書いてみたいと思います。

 だいたい、いつも、昼頃に書きます。新型コロナウイルスの影響で大学の授業は全面オンラインに移行し、今学期は自宅で生活していました。そのために昼間が自由なので、たいてい、昼頃になってショートショートを書き出します。

 なにか書きたいアイデアがあるときはそのまま書きますが、アイデアがないときは、広辞苑とか辞書とかを開きます。膨大な言葉の中からアイデアを探すのです。

 今日は、とくにアイデアがないので、僕の友達――広辞苑を開いてみます。

 さっそく、アイデアを探しにいきます。(※思いついたままに書いています)

 広辞苑を適当に開いたところ、『満腹中枢』という言葉がヒットしました。その意味は『摂食行動をつかさどる中枢神経系の一つ。視床下部にあり、ブドウ糖やホルモンに反応して摂食を抑制する』というもの。 

 なんだか、面白い言葉を見つけました。

 この満腹中枢という言葉から物語をつくることができるでしょうか。

 アバウトにとらえて「生体内の抑制システム」とすると、いろいろなアイデアが出てきそうな予感がします。

 一方で、満腹中枢という言葉そのものに注目したときは、どうでしょうか。難しそうです。

 一口食べただけで満腹中枢が働いて摂食を抑制するように指示するという迷惑な生体システムを持った人を描くのもいいかもしれませんが。いまひとつ、ピンとこない。

 「摂食」という言葉をより抽象的にとらえてみることもできるかもしれません。広辞苑で「食べる」を調べると、意味は二つあるようです。①飲食物を口から体内に入れる。②生計を立てる。

 「食べるために働く」という文は、意味上は、「生計を立てるために働く」でもあるから、たしかに、「食べる」を生計を立てるという意味で解釈してもOKです。

 生計を立てることを抑制する機能となると、やりくりできないように派手な買い物をしたりする衝動でしょうか。生計を立てるように節度を持って買い物をしようとするけど、買い物衝動があふれてくる人の物語とか。うーん。壁にぶつかった感がある。

 最初に戻って、「生体内の抑制システム」というアバウトな捉え方で挑んでみることにします。

 真っ先に浮かんできたのは、性欲を制御するシステムでした。性交することは、相手を食べると表現することもあるので、満腹中枢という言葉と抽象的な連関があるはずです。性交をする前に、満腹中枢が働いて、満足してしまった人の物語とか。

 続いて浮かんできたのは、嫌いな人に近付かないようにする制御システムです。嫌いな人が目の前にいると、そちらに身体が動かなくなる。面白そうです。

 ある日、嫌いな人に近付こうとしても近づけなくなっていた。一定の範囲に嫌いな人が入ってくると、自分の身体が後退していく。動こうとすれば動けるけれど、怖すぎて(恐怖という感情の抑制作用)嫌いな相手に近付けない。これは、よく考えたら、崖から飛び降りれないことと似ている。みたいなショートショートもありかもしれない。

 そんなこんな、あちらこちらを飛び回りながら、いろいろ考えていたら、次のような物語が出来ました。

①ある日、ある高校生が宿題の計算問題に取り組んでいたら、好きな人のことが頭に浮かんできた。

②集中力が途切れると思ったら、まったく途切れなかった。計算問題と好きな人のことを同時に考えることができた。

③その後、いろいろと試してみると、脳内にもうひとつ空間ができたことがわかった。同時並行でふたつのことを考えることができるのだ。

④「嫌いな作業をしながらでも、楽しいことを考えることができる」と喜ぶ。

 一切、満腹中枢は関係なくなりましたが、いつものことなので、ご安心ください。おそらく脳という連想から、この物語は生まれました。いまから、この物語を書いてみることにします。タイトルは、『平成の聖徳太子?』としておきます。



 と、いうことで、書いてきました。

 今日は、あまり満足はしてないです。アイディアが面白くなかったかなぁ、という気がしています。こればかりは思いつくか思いつかないか、なので、仕方ないところもありますが。

 ありそうでない話。日常に紛れていそうな不思議な話をこころがけています。そこのところを忘れないよう、気を付けます。

 今日はこれくらいで。明日も頑張ります。

 完成した作品が気になる方は、カクヨムという小説投稿サイトで『日刊怪異新聞』と検索してみてください。そこに山本清流という著者のショートショート集が出てくると思います。その最新の記事が、今日の『平成の聖徳太子?』です。(ただし、夜の9時に公開されます)

 読んでいただき、ありがとうございました。