マスクをつける前から、わたしたちはずっと、悪態をつきたくてたまらない
ずっと「SNSに投下する前にコレやったらいいと思うんですよ」という形で紹介したかったけど、紹介してこなかった本の話。
『イライラノート』(英題:The Little Book of Bad Moods/プレジデント社・2019)だ。ずっと紹介しなかったのは、わたしの怠惰でもあるのだが、なんとなく気乗りがしなかった。理由は後ほど。
詳しくは上記リンク先から飛んでもらうことにして……フィンランドの作家2人による書き込み式のワークノート。2018年に発売されると英米、ロシアはじめ世界30ヶ国で(版元紹介文より)出版されたそうだ。中身はたとえば、このような感じ。遊びの効かせ方と悪趣味自分史は、サブカル的なものと相性がいい。
「色を塗ってみよう」という指示もあるし、大人の知育グッズみたいな感じだ。反面教師セラピーと言うべきか。それにしては、プレジデント社にしては、仕事や勉強への効能書きが特にないのは良い。書店で手に取ったとき「これでネガティブツイートしなくて済む」と思ったものだ。
が。しかし。
写真の通り、手元にあるのは真っさらな本。正直に言って、やっていない。ミもフタもないけど「SNSって便利」というところに着地してしまう。「これでネガティブツイートが●割減りました!」みたいな素敵な文章が書ければ良かったんですけどね……残念。
これは感染症が世界に広がる前の世界で生まれた本。わたしたちはすでに、悪態をつきたくてたまらなかった。
参考までに、主にアメリカのレビューサイトを紹介しておく。世界が突然二分されたような気がしているけれど、実のところずっとイライラしている。どの国の人も、同じような状況に置かれたら人類は同じようなことで悩んでしまうようだ。
https://www.goodreads.com/book/show/43252666-the-little-book-of-bad-moods
※日本の版元の売り方と比較すると、2019年の時点で、日本ではそこまで「病的なポジティブ」を感じる場面は少なかったのかもしれませんね。
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