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ひらめき☆マンガ教室_第4期/初回のネーム感想を全作品書いてみた

4期がはじまったひらめき☆マンガ教室です。

わたしは勝手に応援するだけの卒業生ですが、今期も気になった作品の感想は書いていこうかなと思います。

……と思ったものの、第1回目の課題、すべて感想を書きました。たぶん次回からは数を絞って感想述べると思いますが、よろしくお願いしますということで。

何しろ、基本的にみなさんがうまい……。プロの人もいるようですが、イラストしか描いてないという人も割といるので、基本的に作画能力が高そうです。マジでマンガ初心者の人は悩んでいるかもしれませんが、やや、たぶん大丈夫だと思います。聴講生のOBって謎すぎるポジションですが。

もしかしたら、自分と年齢が近い人が多いかも…とぼんやりと思いました。


『木陰のヒツジ』シバ

現実に起きた出来事(高校卒業後に起きたこと)をシュールギャグにメタ化しているのかな、と思って読んでいて楽しかったです。ここまで飛べるのであれば、遊園地にしなくても表現できそうな気もしましたが……。ラストにかけて、スーパーイケてるランドに入ってからの様子がよく分からず、主人公の心の動きを追うのが難しくなっている感じがあります。
https://school.genron.co.jp/works/manga/2020/students/83me33/16904/

『厄年』丫戊个堂

2期途中で起きた出来事を元に描かれたのですね。昨年は聴講生として参加されていました。「損失」は病気によって失ったものだと思うので「利得部分」をハッキリさせたほうがわかりやすいかなと思いました。「父母に対する思い」よりも「理性できない」損失の事例を出した方がインパクトがあるのかもしれません。
https://school.genron.co.jp/works/manga/2020/students/abokadou/17129/


『「いただきます」が言えなくて』ahee

プロフィールに、まず共感です。VRゲームで遊んでいるモヒカンの父が小心者、というギャップに萌えましたが、そういう不思議感だけではなくて大きいことを物語ろうとしているのが沁みました。昨期の作品を眺めたときの研究しどころや、家族をキャラ化する際の観察力・考察眼がすごいと思いました。消化不良の部分はあるのかもしれませんが、ペン入れしたものを読んでみたいなと思います。
https://school.genron.co.jp/works/manga/2020/students/ahee/17421/


『リアルとフィクションの狭間』あまこう

最近とみに騒がしくなっている系の話を、ご家族とのエピソードで切り込んでいるのが生々しいですね。タイトルが説明的すぎないほうが良さそうな気がします(最初「うがい薬は治療薬ではない」がタイトルとして読んでました)。特定の媒体を想定しているのであれば、配信された作品と、それに対するコメントの滑稽さに頷けるかもしれませんが、その界隈を知らない人への自己紹介とすると「?」が多いだろうなと思います。
https://school.genron.co.jp/works/manga/2020/students/amakou01/17119/


『葛藤の修行生活』俗人ちん

狙いはハマっているのではないでしょうか。いちど修行生活ってしてみたいです。たぶんすぐに下山するのでしょうが……。ほんとに初めてネームを描いたのでしょうか?取捨選択が潔いです。たしかに、佐藤さんが先に下山するほどの理不尽なエピソードが入っていたほうが自然かもしれませんが、あれこれ描かれてないのがわかりやすいです。ペン入れの際は、長谷川さんが美僧であることを希望……。
https://school.genron.co.jp/works/manga/2020/students/fatetsan/17371/


『かわいい好きには』藤原白白

fuji46さんとはおそらく同世代だ(私の方が2〜3コ下かも)。かつ属性が似ている。私も図工で木工パチンコ台を作った時はぎょぴちゃんの絵を描いたし、確かに森田くんより蔵馬の方が1億倍カッコよかった。それゆえに気になったことがいくつか。前半部分は「あるある」ですが、もしかしたら【こじらせオタク】が夫と出逢ってからの話をメインにした方が現在の気持ちは伝わりやすいかと思いました。素敵な夫だ……理想なのか、実際に近いのか…。細部ですが「人」よりも結婚遅かった」ではなく、「友人よりも」、「予定よりも」のほうが共感できそうです。
https://school.genron.co.jp/works/manga/2020/students/fuji46/17292/


『いつだって消えたい』かれーとそうな

モノローグが中心ですが、心象風景がとてもよくわかります。コンテを切ってる感じがするコマだと思いましたが、アニメーション方面の人なんですね、なんとなく納得。せっかくなので、次回からネームも線を濃くしてアップしてもらえるとありがたいです!
https://school.genron.co.jp/works/manga/2020/students/hyidejp/17319/


『宇宙人との180分』iyutani

子ども苦手なので、すごいわかる。親戚の子もかわいいんだけど、なにを話していいのかわからないですね。お別れが今生の別れみたいになりますね。謎のオブジェをプレゼントしてくれるし。気になったことのは、冒頭にある学校や教室が苦手な話が回収されないことです。敢えて、だったのでしょうか……?(ただ暑くて早退した話ではないように思えたので)
https://school.genron.co.jp/works/manga/2020/students/iyutani/17491/


『漫画を描きたい』かずみ

持ち込みをしたときのエピソードを、ましてや自分のよくないところを俯瞰して描いている……これを1回目で出せるというのは、自分の体験を客観視できていることでもあるので、これから1年間で答えを見つけられるはず、と思います。ロボットかわいい。
https://school.genron.co.jp/works/manga/2020/students/kajyuu2/16931/


『イケメンを創りたい!』真田圭

タイトルそのまま突っ走っていて押し切られる勢いがすごい。夢女子的に描く楽しみ方を晒しているので、そこに対する感情に動きがもっとたくさんあったら、さらに伝わりやすいのかなと思いました。カヲル君を観ているTVが薄型だったので、安藤さんは若いorお嬢様……と要らぬ想像をしました。
https://school.genron.co.jp/works/manga/2020/students/kei0913/17318/


『わたしとマンガ』こぐまあや

[描いてた漫画は未完の物語になった]わかります……小説ですが……宇宙戦争で地球にオアシスを求めに来るはずが、太陽系に到達しないままノートをどこかへやってしまったことを唐突に思い出しました。飲み会のシーン、駒谷くんに気持ちが奪われてしまうのかと思ったらモブキャラでしたね。金井くんと家飲みした翌朝に見つかるぐらいのほうが、誰にも言えず悩んできたことが報われる瞬間が印象的になるのかもしれません。https://school.genron.co.jp/works/manga/2020/students/kgmaya/17414/


『人の心の声が聴こえていた頃の実体験』kinoshitamarisa

他の人はあまりしていない体験だと思うのですが、プロットが整理されていてわかりやすい。実は似たような経験があります。まだ世に出ていない型番の携帯電話を夢で見て(ネットで出回る情報の解像度が今より少ないiモード全盛期)、少し後に発売された新機種がまるで同じだった……読みやすいのですが、「未来は解らないから面白い」と思えた感情の動き自体をマンガの中で読みたかったなと思いました。
https://school.genron.co.jp/works/manga/2020/students/kinositamarisa/16897/

『先生は私を贔屓したのだけれども』ハミ山クリニカ *特待生なので選出外

うわ〜〜〜とてもよくわかる。でも三木さんはクラスで浮かせられていただけで、ワンさんなど良い関係性が築けそうで本当に良かった。読後にホッとしました。細かい小道具ですが『明日から俺は』であの髪型だと年代が特定されるので、誰にとっても共通の「高校時代」にしたら、この内容であれば読者の間口が拡がるような……敢えて、かもしれませんが……その辺りは難しいなぁと思いました。
https://school.genron.co.jp/works/manga/2020/students/kllinika/17064/


『からっぽのリアリスト』コバヤシ

どこまでがフィクションでどこまでが現実かわからないようになっていて「見せる話」として成立させていますね。ゆる百合の要素も好きです。ただ気になったのは、ラストでまだ話が続くような感じがします。問いかけで終わるのであれば、コマ構成を変えるなどしたほうが印象的なのでは、と思いました。
https://school.genron.co.jp/works/manga/2020/students/kobayashi1/17213/


『不思議としか言いようのない気分なんだ』kubota  *特待生なので選出外

あの試合観てたんですね。「ホンダに負けた本田」ってバカなことを思ったのを覚えてます。主人公が興味なさそうな割に、プレイ中のシーンが迫真でサッカーとの距離感が面白い。あのホンダFCなのに!…などと思い入れのない読者にとって、特に応援してるチームがない主人公なら、判官びいきをする方が自然に入っていけるのかもしれません。そうすることで天皇杯の醍醐味もけなさずに済むのでは。こういうのって結構あるかもですね。実体験→狭いハコで見かけたバンドが「日本一チケットが入手困難」と言われるとか、一度だけ追いかけっこをして遊んだ人がなでしこJAPANとしてピッチに立ってたとか。
https://school.genron.co.jp/works/manga/2020/students/kubota/17459/

ちなみに、こんな試合でした。


『ウッカリさん』シギハラ

昨年からの受講なのですが、あれ、初回にして「目下の目標」はほぼ達成されているように思います(初回の課題は共通なので意図がハッキリ見えるというのもあるかもしれませんが)。ズレた感覚のいたたまれなさを自虐ネタでオチにしていないところがいい。万引きGメンの強引さに違和感を覚える人も乗ってくれるし、そんな視点があるのかと興味を持ってくれる人もいるのではと思います。ペン入れが読んでみたいです。
https://school.genron.co.jp/works/manga/2020/students/kuzikuzira/17303/


『タダ券の完全勝利』盛平

おそらくですが、マンガ本編の「タダ券の完全勝利」としては前半だけでも成立しそうです。後半は「自己紹介」につられてしまったのかもしれません。タダ券から流れ流れて[飲んだくれで胡散臭いけど]ここにいます、と端折っても、タイトルが回収できそう、などと思いました。とはいえ、ネームの処女作を見せていただいてることに、ちょっと感動しています。
https://school.genron.co.jp/works/manga/2020/students/morihei/16944/


『祖母の素顔』motoko

狙っていたところは伝わってきました。奇妙な話で誘導するまではいいのですが、オチの付け方が技術があるがゆえの照れ隠しのように見えてしまいました。ノスタルジックな感じもありますが、すでに題材が「思い出す」ものなので、現在の時間帯では「今っぽい」表現のほうが、リアリティがあるかなと思います。
https://school.genron.co.jp/works/manga/2020/students/motoko105/17187/


『異世界に来たのにチートスキルが何もなかった話』なないつ

異世界へきて「12年」……!?すごい大河ロマン的な冒頭で、大丈夫なのかなと心配になりつつ読みましたが、杞憂に終わりました。プロローグと最後のコマが良い感じにつながったら素敵だと思います。作画がどのようになるのかですが、ペン入れの状態で読みたいです。ぜひ、最後まで描きあげてほしいです。
https://school.genron.co.jp/works/manga/2020/students/nanaitsu7/17028/


『帰れないひとり』のり漫

こういうこと、なりがちですよね。わかります……。流れがよくて読み進めました。小出しにされるエピソードが面白いのですが、詰め込みすぎの感じがありました。退社日に大きな荷物を持ち歩きながら資本主義の底辺を味わい、助けられたのになぜか最終的にマリア様と呼ばれる(捨てる神あれば拾う神あり、的な)おかしみが軸として立ってくるとテンポが整うのでは、とも思います。タイトルは、「帰れない二人」とは関係なさそうに見えますが、どうなんだろう。微妙に気になります。
https://school.genron.co.jp/works/manga/2020/students/noriman/17011/


『たからもの』つまようじ

割合に狙い通りの作品になっているのでは。セグウェイで追いかけたり、貼り紙が変わっているとか既にあるのですが、ディテールさらに込み入ってくると、他愛ない会話と変わった学園生活感との落差が面白いなと思いました。ギャグに行きたいのか「ちょっといい話」に行きたいのか、どちらに振りたいのかによっても変わってきそうですが。
https://school.genron.co.jp/works/manga/2020/students/o0w0o/17266/


『ラストワン』西岡京

12ページ以降から、ちょっと話が追えなくなってしまいました。作者の中には「これ」という展開が見えているのだとは思いますが。3つのエピソードを違和感なく子どもの頃の不思議な体験+アルファの物語に収斂させているのすごいと思いました。キャラクターも絵柄によって変わってくると思うので、ネームの段階でも、ある程度は人となりがわかる方が読む方はわかりやすいな……と個人的には、思います。
https://school.genron.co.jp/works/manga/2020/students/okakyo/16985/


『たまごOLたまこ』畑こんにゃく

来るべき時に備えて格闘技系を始める話、働く女性には割と聞く話なので、安定感のあるオチだと思いました。ぜひ春麗のように、たまごOLとしてオフィスクラッシャーをしていただきたい……などと妄想する次第。どのような仕事をしているのか謎めいているのですが(割と特殊な受注をしている模様)、その辺りはスッキリした方が不条理劇をエンタメ化できる感じがします。(そっちじゃない方向にしたいなら違うと思いますが……)
https://school.genron.co.jp/works/manga/2020/students/pistachio111/17083/


『ゆいのランドセル』pote

いいキャラがいる。変な子に成長してるゆいちゃんかわいい。それだけでテンション上がりそうです。アピール文への応答を。忘れ物の多い人生なので、忘れるはずのないものを忘れるのは日常茶飯事です。それでも焦りますね。バレエレッスンで練習着一式忘れていったり、衣装合わせなのに衣装を置いてきたり……そういえばセンター試験の数学で名前を書き忘れてて、問い合わせの電話がありましたね。
https://school.genron.co.jp/works/manga/2020/students/potenote/17450/


『母は迷探偵』片橋真名

この母の思い込みぶり!多様性大事と言いつつ現実突きつけるとおののくところ!わかる……。マンガのストーリーのようにハマればいいんですけどね、現実は難しい。タイトルなのですが、結果的に名推理でもあったので、「迷探偵」と断定するとフワッと齟齬を感じました。娘側だからか、娘には好感が持てました。母も悪一辺倒ではないので憎めない感じがします。怒っている女性を描くのが好きだとアピール文にありましたが、最近流行っている「怒っているだけ」のマンガを描きたい作品だったとは読めません。むしろ、怒っている女性を描くのがなぜ好きなのか、そこに感情の動きがあるように思います。
https://school.genron.co.jp/works/manga/2020/students/qnuuu2/17137/


『どうせゾンビ』くたくた

諦めのあとのポジティブという感情の動きを、ゾンビものにトレースしているアイデアが光っています。その際に主人公が言い放つ「(もともと)どうせ人間だったし」というセリフ、言い得て妙ですね。出オチにならず、ゾンビものにしないとダメだったと思わせるところがよいと思いました。それと、デザイナー経験があると、同人誌作成ですごく頼りになる存在になれるはずです!
https://school.genron.co.jp/works/manga/2020/students/qutakuta/17044/


『雪うさぎ、つくる』柴田舞美

彼の容貌が雪うさぎっぽくなかったのが違和感があったのかもしれません。最初、雪うさぎの精ではなく、近所のお兄さんが話しかけてきたのかと思いました。記号的には「うさぎ」は「ぴょん太」がいいなと思います。どうしてもカエルのことを思い出してしまうので。
https://school.genron.co.jp/works/manga/2020/students/shibatama/17188/


『懺悔室の清水くん』清水しの

清水くんも薬師さんも、どっちも表情がとてもいいです。半沢直樹バリの「顔芸か」というぐらいの、感情が顔に目に見えてるのがいい感じです。かなり書き込まれているのですが、仕上がりがどのようになるのかは見てみたい。たしかに「いろんな漫画が描ける」(そして講評も受けられる)という受講理由もアリですね……。
https://school.genron.co.jp/works/manga/2020/students/shimizushino/16958/


『101みらい』内存ナコト

描こうとしている世界の気配は、なんとなく嗅ぎ取れる、ただモヤがかかっている状態という感じで読んでいました。読み手の日常にない装置が複数出てくるので、作中で5W1H的な手がかりがもう少しわかりやすく存在していると読みやすくなるのかでは。とにかくマンガを描こうとしている!という熱意は伝わってます。こちらこそ1年間よろしくお願いします。
https://school.genron.co.jp/works/manga/2020/students/sonakotonainai/17492/


『生きてるかもしれない』田山

4コマ面白い……と思ったら途中で違っていたので、見開きで驚きました。ラノベとアニメしか「世界」がないTくんの実存をめぐる物語。これが本編だとすると、前振りのエピソードが多いのかもしれませんが……とはいえ、小ネタ面白いですね。でもそうか、Tくんの行動からすると、前置きが長いのは自然なコトなのかもしれませんね。構造的に……!
https://school.genron.co.jp/works/manga/2020/students/tayama222/17416/


『ぬいぐるみの衣装製作が得意な先輩』桃井桃子

エス的なシスターフッド……ゆる百合でもよいのですが……そんな多幸感が伝わってきました。ムリにつなげるわけではないのですが、たしかに例の「ミロハの甘さ」を思い出す作品でもあります。気づかってもらうときのこそばゆさと安心感は、いくつになっても覚える感情ですね。
https://school.genron.co.jp/works/manga/2020/students/umintz/17147/


『僕らの身体はコンビニで出来ている』ヤノナナミ

コンビニを神の意志だと思っているのかと思ったら、怖いなということから発想したのですね。「過去のわたし」がずっと続いてるように読めてしまったからです。【ヤバいと気付いた。しかし前までは〜】と語り出すなど、流れを整理すると読みやすくなると思います。たしかにコンビニ食が続くと、一度は思うことに違いない。コンビニのネタは、共感を得られやすそう。
https://school.genron.co.jp/works/manga/2020/students/yanonanami/17249/


『I am a Snoozer』横たくみ

「気持ちが動いた」のが、後輩との会話がきっかけですよね。受動的な主人公が踏み出すところで、少し唐突な感じがしました。それは、CDショップで働いていることや、お気に入りの曲が目覚ましになったら嫌いになったということから、音楽に興味があったのかと思ってたからです。なので、伏線として最初の方に「絵を描いていたことがある」のを出しておいた方がいいかもですね。
https://school.genron.co.jp/works/manga/2020/students/yokoes335/17063/

もしもサポートいただけたら、作品づくり・研究のために使います。 よろしくお願いいたします。