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薬を飲みながら思い出す『四十而不惑』

四十路とともに新天地に踏み入れて、初めて季節が変わろうとしている。制作に充てる時間を増やそうと意図していたけど、まぁ、そう簡単にはいかないものです。風土に合わせる前に、身体が壊れてしまったようだ。

薬を飲み始めたら元気になり「あれ? 今まで元気じゃなかったのか!」と発見して5月を迎えている。具合が悪いなら病院に行けばいいなんて当たり前すぎるけど、悪いときほど病院という選択肢が浮かばなくなるらしい。そもそも、普段からダウナー気味の人は、どの段階で病院に行けばいいのか迷ってしまう。

今回、身体に本格的なガタがきて、しみじみと開き直っていることがある。あっけらかんと、ではない。しみじみと、である。避けてきたことはやっぱりダメだったし、四捨五入して40年ほど努力してもできないことは、できないと言ってしまうことにした。できないまま、やり続けるしかない。

今まで、どんな苦行でも頑張ればどうにかなると思ってきたのだけど、それはバレエを習っていたせいだ。わたしは生来、ものすごく身体が硬い運動オンチだが、10年以上鍛錬を続けたおかげで、標準的な柔軟性を身につけることができた。今でも、少しストレッチをすると多少は動かせるぐらいには身を助けている。そして踊るのは今でも好きだ。でもそれは、すべてのことには当てはまらない。今さらだけど、諦められるようになった。

昨年、帯状疱疹に罹ったときも「節目だなー」と思ってたけど、甘かった。自分のできないことと向き合っておくのは大事だな。『論語』の「四十にして惑わず=不惑」ってこういうことなのかもな……と少し思った。孔子にしたら、迷惑な話かもしれないが。

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