マガジンのカバー画像

ものうる人びと

編集出版・代理店・制作会社・法人広報・生活者として……いろいろな立場で広告に関わってきた著者による、広告にまつわる色々なテキストが集まっています。広告のまわりにいる人が、ふと足を…
広告にまつわる色々な文章が読めるマガジンです。ものを「売る」「得る」ためのフィクションとして広告を…
¥300 / 月 初月無料
運営しているクリエイター

2024年9月の記事一覧

kintoneの「きとみちゃん」が要らなくなる日

あなたは「ホップステップきとみちゃん」を知っているだろうか? 電車のドア上の広告に、よく登場する。 絵柄は1970年代の少女マンガ風。某テニスマンガの雰囲気を出しながらも、世界観は「日ペンの美子ちゃん」みたいな日常コメディ。 きとみちゃんが職場で次々と襲われる災難を、ノーコード開発ができるkintoneで快刀乱麻を断つごとく、切って切ってきりまくる。まぁ、マンガのフォーマットを借りた広告なんですが。 数年前に見かけて以来、ずっとモヤモヤしている。

¥100

広告コンテンツも【待てば読める】の時代?「ひみつのPRIME」について

屋外広告は、たいていオープンな場所にあるもの。ただし、交通広告は少しだけ、事情が異なる。とりわけトレインチャンネルについては(意識している人は少ないが)、運賃を払ったうえで目にしている。だから実は「見なきゃ損」ではある。 その意味では、タクシーのシート裏にあるタブレット端末「タクシーメディア」は、乗客として「見なきゃ損」の具合は、電車賃の比ではない。だけど、やたらと威勢のいいビジネス系CMや、疲れているときに流れてくるし読み物系マガジンは、どうにも目のやり場に困ってしまう。

¥100

プレゼンで刺されて、目が冴えた話

広告クリエイティブの提案を「受ける」立場になって、はや3年目。まさか自分が刺される羽目になるとは思わなかった。怖いな……きゃー! 今日は担当者目線のプレゼン受容について。

¥100

『赫夜(かぐや)』の〈全冊著者直筆サイン入り〉は、もっと騒がれていい

澤田瞳子の『赫夜』は7月末に発売された。もとは雑誌『小説宝石』で連載されていた作品の単行本化だ。平安時代初期に起きた富士山の噴火にまつわる群像劇を、国司に任命された主に京から連れられてきた「鷹取」という男の目を通して描いた作品。 時代小説、あるいは歴史ジャンルの中で、人の心に棲む澱を吐き出しながらパニックを描く筆致は、澤田瞳子の作品ならでは。苦しいのだが心地よくて、癖になる。加えて本作には「なにがあっても生きていかねばならない、人の心のありようを描く」という強い意志がある。

¥300