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The most personal is the most creative.

もっとも創造的な事とは何か。

「もうちょい早くレシピを書けないか?」
少し前に中の人に言われたこと。

オンラインレッスンもアトリエレッスンも結構ギリギリまでレシピの調整をしていることが多い。
どうせレシピを出すならば、何回も納得できるまでレシピの調整をしたいし、そもそもの性格が優柔不断で最後まで定まらないのだ。
それに、自分は、そんなに要領がよくなく、総じて不器用な人間だと思っている。

世の中の料理家と呼ばれる人たちはどうしてあんなにレシピをどんどんと世の中に送り出せるのだろうか。
雑誌や本が出るスピードは結構早くて、そこに追いついて行ける人たちのことを心から尊敬している。
彼や彼女たちは家から一歩も出ずに試作ばかりを繰り返すようなストイックな生活を送っているのだろうか?と真剣に思い悩んだ事もある。

「テーマに合わせるだけではなく、自分が食べたいと思うものを作ろうとしないから、なかなかレシピが定まらないのでは?」
ある日、家族に言われた一言で、「ぐうっっっ!!!!!!」と押し黙ってしまった。

そうなのだ、わたしも人間で結局は自分が食べたいものや好きなもののレシピしか作りたくないし、食べたくもないのだ。
どんなレシピでも自分の好きに落とし込めるかどうか、そこが重要。

さて、そこからが考えた事なのだが、料理をする人は一体何が目的で料理をしているのか。

  • 作る相手に喜んで欲しいから

  • 経済的だから

  • 料理が好きだから

  • 自分なりの研究テーマがあるから

  • 仕事だから

人それぞれだと思う。

中には、職人のようにその道を突き詰めて、自分に挑戦しつつ、人に喜んでもらう事を生きがいとしている人もいる。
でも、わたしのスタンスは、これとはちょっと違う。

料理は実験のように楽しい。
自分なりに調べたり、文化や知らない事を識ることには喜びを感じている。そして、何よりも毎日美味しいものが食べたいと考えている。
「美味しいもの」という定義は少し曖昧だな。言い直そう。
自分の好みに合うものを毎日食べたいと考えている。
家庭料理であるからには、そこに作りやすさがあるかどうかという事も重要になる。

12月のオンラインクラスのレシピテーマは「年末の食卓」だった。
なんでこんな曖昧なテーマにしたのかっていうと、わたしが年末になると食べたくなるものを紹介したいと思ったから。
その場しのぎで付け焼き刃的なレシピを紹介するよりも、わたしが本当に食べたいものや好きなものを12月は紹介させて頂きたいと思っている。

"The most personal is the most creative."

最も個人的なことがもっとも創造的である。
マーティンスコセッシ監督の言葉。
とても好きな言葉。