ベトナム・ホーチミンで詐欺にあった
こんにちは。
私は今ベトナムのホーチミンに滞在しています。
ホーチミンには約1ヶ月、そしてそのあとはダナンとホイアンに移動する予定でした。
ホーチミンのラストの週で、ベトナムに来る前には予想もしていなかった事態になってしまったのでその様子をシェアします。
こんなことに引っ掛かるなんておかしい!と思われる人もいると思いますが、実際にあった話です。
そしてこの話を先に私のInstagramのストーリーズで共有したところ、たくさんのDMやメッセージをいただきました。
そのメッセージ内容で気づいたこともシェアしたいと思います。
まず私は詐欺に遭いました。
在ホーチミン日本国総領事館からも注意喚起のメールが送られている詐欺です。
不幸なことに私はそれが配信される一日前に被害に遭いました。
ただ、配信後だとしても私がそれを読んでいない限りは気づけないことだったと思います。
ベトナム人の男性が市場近くで声をかけてきました。
話してみると妹の娘が千葉の大学にいる、と。
その男性は日本語が話せて、そしてずっと話し続ける人でした。
人懐っこい笑顔のおじさんで、話も面白く、少しその場で立ち話をしていました。
ランチはとったのか?と聞かれ、近くのコムガーを食べに行くと伝えると、
妹がすぐ近くにいるので合流してうちに来てランチを食べないか?と誘われました。
本来ならここでナシ!となるはずなのですが私は長期滞在中に仲のいいベトナム人の友達ができていたので、心のガードがすっかりおりてしまっていました。
彼はすぐに妹にビデオ通話をし、私と彼女をスマホ越しに会わせました。
本当に女性ということもあり、安心していました。
コンビニで妹を待ち合流、タクシーで家へと向かいます。
外の風景を見ようとしましたがずっと話しかけられ、外が見れません。
なんとなく見覚えのあるところを通り、そのあとはわからなくなってしまいました。
家に着くともう1人男性がいて、みんなで昼食をとりました。
※人ん家のご飯を普通に食べるな!と思いますが彼らが先に食べ始めたので食べました。
ここで薬が盛られていても文句は言えません。
そもそも家に行くこと自体間違っています。
※ご飯はそこそこおいしかったです。
昼食を食べたので帰ろうかなと思ったら、男性が話しかけてきて日本の地名や政治の話をしてきました。
そして自分はディーラーだと。
カードをコントロールできるので一緒に組めば山分けできるね〜ヒミツね〜と笑ってきました。
そんなことしたらダメだよ、とクソ真面目日本人を発揮したのですが、まあ陽気なおじちゃんだなと冗談だと思っていました。
帰ろうとすると女性に腕をとられ、2階につれていかれました。
するとそこには机と椅子のみがあり、そこに座れと。
座るとディーラーがカード捌きを見せてきます。
狙ったカードを出すという、マジックショーを始めました。
すごいすごい!と喜んでいるとゲーム説明をはじめ、バンカーの説明をはじめ、
なんでこんなことを説明するんだろう??と思ったところで下の玄関から声がします。
誰かが上に上がってきました。
マダム登場です。
マダムて!!!
気迫に気圧され、そして何が何だかわからなくて女性をみます。
が、シッ!と黙らされ着席を促されます。
わけがわからず、頭がパニックになりどうすればいいかわからなくなりました。
そんな混乱の中ゲームがスタート…
緊張した空気の中、席も立てずもちろん逃げもできず、泣くことも騒ぐこともできず。
最終ゲーム中に負けていたマダムが高額な賭け金を追加し、私に借金を負えと。
そこで別室に移動され、
私は全部冗談だと思っていたし、本物のゲームだと思っていなかった。
お金もないし借金も負えない。聞いてない。私はできない。と伝えるも
なにいってんだ!!あれは本物のゲームだ!!
と怒鳴られ、早口でまくしたてられます。
クレジットカードを切れ、と言われ、
カードは切りたくない。あなたたちが負ってくれ。あなたが前に言っていた山分けもさらさら興味ない。それに冗談だと思ってた。そもそも何も言わずにこんなことに巻き込まれて困る。と言っても
ずっと大声で捲し立てられ、その頃からもう私の恐怖ゲージが振り切れて何をしてるのかわからない状態になりました。
本当にそこから記憶が曖昧です。
よくわからない借金のために携帯電話をクレカで買わされました。
しかしマダムの賭け金には及びません。
今日の話にはならない、ということでまた別日に集まろうとなり、期日をきめ、その日は帰されました。
帰りながら、やっと意識が戻ってきてこの場所の近くの目印を覚えないと…と外を見渡したり、写真撮らないと!と思って最後に写真撮っていい?と聞くとペースメーカー入ってるから無理と言われ、写真も撮れず。
ただなぜか、最初に声をかけてきた男性とのツーショットだけは昼食時に撮らせてくれて(というか向こうから撮ってきた)手元にあります。
ホテルに帰っても放心状態で、これは警察案件なのか…?なんなのか…?
彼らの言い分だと、そのマダムに勝ったらiPhoneをショップに返却するから大丈夫だ、と。
そしてラストゲームに確かに私には21のカードが揃っていてマダムは20。
私の勝ちではありました。
そういえば最初の方に、マダムが前日に山分けせずに3割しか払わなくてそれが腹立つみたいなことをディーラーは言っていました。
でも私はあんまり本気で聞いていなかったので(英語なのもあり)、ふーんくらいにしか思ってませんでした。
っていうかマダムそもそもグルやん。
そんなことをバーっと思い出して、どうしていいかわからず、とりあえず寝てみたものの心穏やかにならずホーチミン在住の友達に相談しました。
そして領事館のメールを知るという…。
こうやって文章にすると、なんで気づけないのかな、なんで逃げないのかな、と自分でも思います。
でも、本当に思考がストップして身体も硬直して、何にもできないんです。
今回はかなり高額な勉強代になりましたが命と身体だけは無事だったのでよかったです。
注射を打たれたり、薬を盛られたりして、4〜5人に○わされる、もしくは○されることも全然あったことだと思います。
そしてどうやらベトナムでは、体に触れるだけで相手をコントロールする?昏睡させる?薬があるそうです。
意識がはっしりしなくてもいろいろさせられるそうです。
そう思うと本当に本当によかったです。
きっと立ち直れない。
海外に行くと実際に辛い経験をされる人もいるし、日本のような平和には過ごせません。
最近日本もおかしいけど…。
今回の被害をこうやって包み隠さずに言うのは正直とても勇気が必要でした。
でも少しでも注意喚起になればいいかなと思って文章にしました。
今回のことがあって相談した友人たちには、
困ったことがあったらその場で電話して!!
と言ってもらえました。
私はこの事態を自分1人でなんとかしなくちゃいけない、という気持ちが強すぎて
そもそも人に頼る、相談するという選択肢が抜けていました。
海外で日本語が堪能な人には気をつける、
女性だとしてもついていかない、
困った時はまず誰かに連絡をとって一呼吸おく、
それらが必要だなと思いました。
お金は帰ってこないですが命まで失わずに本当によかった。
みなさんもどうぞご自分を大事にしてください。
そして、このことをシェアした時にあたたかいメッセージをたくさんいただきました。
ほんとうにありがとうございます!!!
ただ、その中で前の私ではなんとも思わなかっただろう温度差のあるメッセージにも気づきました。
私のベトナムでの楽しい投稿を見ていてくれた人から、
「キラキラした面ばかりじゃないと知って安心した」というメッセージがきました。
他にも、
「返済大変だね」
「密かに応援してます」
「負けずに旅行して」
たぶん何気なく言ってるだけの言葉なんです。
きっと被害に遭う前の私もこういうこと言うんだろうなあと思いました。
※いただいたメッセージの批判をしているわけではないです。念の為。
日本の穏やかで平和な環境で過ごしていると犯罪に巻き込まれることも少なく、いわゆる平和ボケをしていたなと私自身が感じています。
今回ベトナム警察をまわり、そしてたらい回しにされましたがいろんな話を聞きました。
こちらでは盗難や詐欺、暴行、なんでも日常茶飯事です。
通訳として同行してくれた女の子もとても悲しい被害経験をされていました。
なのでこのような被害に遭った側の視点に立てないというのは、そもそも幸せなことだなと思ったんです。
(これは皮肉ではなく。本心から。)
きっとこういう怖い思いをすることなく、平和に生きてこられたからだなと。
そして、願わくばそのまま怖い経験なく過ごしてほしいなと。
誰もが怖く悲しい経験をしてほしくない。
私は詐欺の人たちもこういうやり方しかできないのかなと気の毒に思えました。
そして、でも、私のような平和ボケで危機管理能力の低い人間がいるから彼らたちもこの仕事?を辞められないのかなと。
人を疑いたくはないけど、でもそれらは必要なことなんだなと。
私たちがしっかりすれば彼らもジョブチェンジをせざるを得ないんじゃないかと。(?)
今回のケースは私にとってそれはもうとても悲しいし困りますが(返済も何年かかるのだろう?、、、??)
きっと私にとってとても重要なことだったんです。
昔のカルマがあったかもしれないし、
私のために彼らが嫌われ役をやってくれたのかもしれない。
どちらにせよ、私はこの経験を経て次へと自分を向かわせます。
そして被害に遭われた方や、怖い経験をもつ方、いろんな方へと想いをめぐらすことができるようになりました。
今回のことで想像力って愛だなと思いました。
そして周りにはとても優しく心強い人々がいてくれることにも気づきました。
私は1人ではないし、みんなも1人ではない。
警察署をたわい回しにされてる時、ベトナム人の友人はずっと私の手を握ってくれていました。
こうやってそばにいてくれる人がいることがどれだけありがたく、頼もしいことか。
私もこんな優しく強い女性でありたいです。
私は必ずこの困難を克服します。
そして今回のことから学び、これを他の人の役に立てるように繋げていきます。
この良くも悪くも起こったご恩を返していきます。
悪意や呪いではなく、感謝で返していきます。
どうか皆さんもご安全に。
心穏やかで、平和でいてください。
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