僕が父になる日まで④

39週を過ぎ、いつ産まれるんだろう。
今日か?数分後か?寝たら夜中に産気づいたりするんだろうか?

仕事をしていても妻からLINEが来る度に「きた!!!!!!!!!???」となってしまって気が気じゃない日々。
予定日当日になってもウンともスンとも言わないので週1回の健診が週2回になりました。

医学的には42週を過ぎないように指導する事がほとんどで、予定日を5日過ぎた健診で「明日午後から入院しましょう」となりました。
何時でも育休に入れるように仕事を進めていたものの慌てて有休を取り最後の仕事をまとめて退勤。
入院に備えて準備をしたり、妻が冷蔵庫の中身を少なくしたりしてその夜は休みました。



深夜に妻の大きな声で飛び起きました。
そこから慌ただしくタクシーを呼んで入院予定のクリニックへ。
今思えば、引越してクリニックが近くなった事がこんなに有難いと思いませんでした。
飛び起きてから30分で着いた。


妻を病院まで送って僕は自宅まで30分ほど歩いて帰宅しました。
ポジティブな事と、そうでない事も色んな事を考えながら歩いていたらあっという間に家に着きました。
朝早く起きてまたクリニックからの連絡に備えないとと思いながらも全然寝付けませんでした。


朝、妻からのTELで起きました。
先に聞いていた持ってきて欲しいものを準備してクリニックの最寄駅で待機。
朝7時開店のマクドナルド助かる〜。

一般的には初産は陣痛から12〜15時間は掛かると言われていて、「あ〜順調なら今日産まれるのかな…?今日が誕生日になるのかー。レアケースだと24時間以上掛かる人もいるみたいだし、それだと妻は体力が続くんだろうか…」なんてことを考えていました。

妻の頑張りと先生方の処置のおかげで少しずつ確実にその時は近づいていましたが、まだかかりそう。
妻も仮眠を指示され、その連絡を受けて僕も昼前に一度帰宅しました。


午後からいよいよお産が始まるとの事で再度、同駅で待機。
入院後も連絡は基本的に妻から来ていたので、その間は最悪の事態になる事はないんじゃないかと考えていました。
これでクリニックから直電だったら…ひいいいいと考えていたら妻からLINE









ごめん産まれた(出産直後の赤ちゃんの写真)







えっ




ちょ、やった




はは、産まれたよ






産まれたああああああああああああああああああああ







ショッピングモールのユニクロの前のベンチで弱虫ペダル読んでたよ。
いてもたってもいられず飛び出す。
しかしそこから妻が検査や産後の処置で連絡付かず、1時間ほどウロウロ(汗)

定期健診も病院の規則で1度も行けず、面会も限られた条件しかないクリニックだったので、面会無理かなと思っていると「ダメ元で来てみたら?今丁度面会時間だし」と妻から連絡。
確かに。てか厳しいのは分かるけどさすがに夫には会わせてくれよとクリニックへ。


すんなりOKで良かった。
手洗いと手指消毒を済ませて分娩室へ。
これは緊張した。娘との初対面だ。


産後にカテーテルで繋がれ輸血中の妻(事前に採血していた分を戻す)と隣に娘がちんまりと寝ていました。
髪の毛もフサフサで、服を着てタオルに包まれて、時々モゾモゾ動いて、気に入ってるのか袖を一生懸命吸っている。


看護師の方に促されて初めての抱っこ。
両親学級で習ったように、首を二の腕でちゃんと支えて…っと。

丁度隣の分娩室でも出産中の妊婦の方がいて、そちらの対応で出ていかれて妻と娘の3人に。
妻に朝からの進行具合や、実はこれこれこうで結構危なかったんだよと聞かされました。
「うん、うん」と娘を抱きながら聞いていました。

今の状況に至るまで、とにかく妻と娘が頑張ってくれました。


妻はとにかく命懸け。
計画では麻酔無し(せっかくだから痛みを経験してみたいとの妻の意向)だったけど途中で無痛に切り替えたし、表情も充実感は見えましたがやはりボロボロだったと思います。

娘も命になった瞬間から今日まで妻のお腹の中でよく育ってくれました。
胎動なんか肋骨折れるんじゃないかってよく妻が言っていました。


そんな2人のお陰で父になれました。
むしろ父にしてもらいました。
月並みだけど、本当に感謝の気持ちしかありません。
自然と泣きました。


お互い娘との記念写真を撮り、面会時間終了。
その後、両親と義両親に無事産まれた事を報告し、会社へも報告。
7月から育児休暇に入り、現在に至ります。




これで僕が父になる日までシリーズは完結になります。
今回は4話となりましたが、その分1話1話の内容が重く多くなってしまいました。
1話1話区切るタイミングも難しかったです。

書いていて思いましたが、夫側からの出産体験記って結婚に比べて自分の事のように書けないので、どうしても表現出来る事が限られて中身が薄くなってしまうなあと思いました。

クオリティ的にもいつもなら各話の出だしに前話のリンクを貼ったり、見出しもちゃんと作ったりできたのだけど、妻が退院するまでに草案としてまとめていただけだったので、文章の構成を丁寧に出来なかったですね。

あと、妻の妊娠出産を経て分かった事。

男は本当に何も出来ない生き物だなって思いました。
おなかの中にいる間は直接子供に対して何か出来る訳じゃないし、実際産める訳でもない。
正直、何もしなかったとしても子供は産まれるし、大きくなると思います。

でも家族として生きていこう、ちゃんと家庭を育もうと思ったら、妻が少しでも楽できるようにとか、子供の為にって我慢せざるを得ない事ってやっぱりあります。
男は別に何もせずとも子供は産まれてくれた訳だし、身体も傷ついてないし体力もあるので、出産前に何も出来なかった分、残りの人生を妻と娘の為にっていうのはやっていく必要があると思います。
少なくとも僕はそう感じています。(でもほんの時々でいいから一休みはしたい)


なんて、まだ父親になったばかりの新米パパが偉そうに書いてしまいましたが、いかがでしたでしょうか。

これを読んで、色々感じてもらっても良いし、ただの文章として読み飛ばしてもらってもどちらでもOKです。
それは僕たち家族には影響する事ではないので(笑)


ではでは、育児しながらまた執筆出来る余裕と題材が見つかったら書いていこうと思います。
ありがとうございました。

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