マガジンのカバー画像

タッチフット戦術クルーズ

30
タッチフットボール(アメフト)の戦術・技術・トレーニングについて解説します
運営しているクリエイター

#認知の揺さぶり

再生

タッチフットの『それ以外の部分』~スナップ前にDFのゾーンをずらす仕掛け

今日も思いつきでタッチフットの楽しさについて書きます。 前回「シフト」で使ったプレーを、今回はモーションに変えて、ディフェンダーの認知のずれを誘います。 前回紹介した動画 https://note.com/ishidatomohiro/n/n424f0193079a と今回の動画は、別のゲームですが、同じシチュエーション(ゴール前3ヤード、DFは3-3システム)です。<左右は逆です> 前回のプレーでは、レシーバーがシフトして、SF(3-3のDBの中央)の視線を外したところへのGパスでしたが、今回はレシーバーがモーションして、タイトエンドくらいの位置まで動かしたところで即スタートします。 前回は、3-3のDBのうち中央に位置するSFの視点を外すのが目的でしたが、今回は、画面手前側の左CBのゾーンの変化の瞬間をついています。 微妙な位置へのモーションによって、アサインメントミスが生じ、左CBのゾーンがドロップダウンする(下がる)左エンドのゾーンとかぶり、中央のゾーンが空きました。 細かく言うと、DFは手前側のエンドが引いてのエンドゾーン4分けという任務です。 セット → 左CBの任務は左から2番目のゾーン → モーション → 一番左のゾーンに変わるか変わらないかのところ → スタート → 一番左のゾーンに変更するもエンドに伝えることができない → モーションマンに2人カバーした →中央のゾーンが空く → センターにパスがヒット ところで前回のDFはエンドゾーン3分けに漏れをセーフティー、という任務でした。相手のアサインメントを完全に見切ることはできませんが、ある程度は傾向を調べて、DFの認知をずらす仕掛けを考えます。 相手チームは、日本一の常連で、本当にタフでタイトなディフェンスを敷いてきます。ガッチリ向き合うとオフェンス選手にほとんどスペースを与えてくれない厳しい相手です。 こうした、技術優位、スピード優位などの優位性がなかなか発揮できない状況でも「認知の揺さぶり」を仕掛け続けることで、ディフェンスを崩すチャンスが生まれてくると考えています。 ▼その他の「揺さぶりの戦術」については、 https://note.com/ishidatomohiro/n/n40109760cf68 に書いてありますので見てください。

再生

タッチフットの『それ以外の部分』~スナップ前の仕掛け

タッチフットの楽しさについて、思いつきでお話しします。 この動画は、最高に楽しい、ちょっとした仕掛けのシーンです。 その仕掛けは、スナップ前のシフトです。 この状況では、ツインでセット → SFの位置が悪い(OFにとって空いていてほしいスペースをウォッチしている) → オーディブルで内レシをシフト → SFが移動・アサインメント変更 です。 ※SFは3-3配置のDB3人のうち中央 何が効果的かというと、SFはシフトによって役割と視座が変わり、フォーカスポイントがリセットされます。ついでに身体の角度も変えさせます。 これはマジックでいう「フォーシング」に似ていて、OFを動かすことで、DFのフォーカスを「見てほしくない」ものから外すことが狙いです。フォーカスが外れた瞬間、そのゾーンやレシーバーはマークしづらくなります。 理想的には、あと半タイミングスナップ出しを早くすればよいと思いますが、ゲーム中のQBになかなかそこまでは要求できません。 この仕掛けで、なお感じが悪いときは、強行、または勝負所であればタイムアウトです。タイムアウトでは「思った位置取りに動かせなかったので」と伝えます。 頻繁には出さず、勝負所かDFを心理的に崩しやすいタイミングを待って引き出しを開けます。 定理: タッチフットでは、DFの並びはOFが決められる 私たち<郡山勢>はアスリート能力に自信がなかったので、徹底的に『それ以外の部分』での優位性を追求しました。 また何か紹介できればと思います。

ディフェンスを揺さぶるための4つの視点|タッチフットボール

昨日はスローバックを例に、縦と横の揺さぶりを組み合わせることについて述べましたが、オフェンスのプランとして「ディフェンスを揺さぶる」ことについて、ふだん私たち(郡山界隈)が考えているポイントを書きます。 相手ディフェンスを揺さぶる方法として、オフェンスが考えるおもな要素は、 ●空間 ●時間 ●ミスマッチ ●認知 です。 空間フィールド上の攻める地点を積極的に変えていきます。また(スローバックのように)、空間的に縦横の幅を大きく使って相手を物理的に動かします。パスの高さ