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テキストカバレージ 「やわたCS2ブロック決勝戦」2022/11/12 赤白ライオネルVS赤緑バイク   ー侵略の始祖VS侵略の末裔ー



GOA編が開幕してから3回目の開催となる2ブロック環境。


第1回目はアビスロイヤルが優勝し、新主人公が環境の中心となるのかと思えば、



第2回では王来・王来MAX編の顔である<キャンベロレッゾStar>+<アルカディアス・モモキング>のパッケージを据えた赤白ライオネルが優勝を掻っ攫っていった。



環境が赤白ライオネル・ケンジキングダム・アビスロイヤル・5cザーディクリカの4強で固まりつつあるメタ環境。


今回勝つのは下馬評通りの強いデッキか。


はたまたニューソリューションか。


限られたカードプールの中で流転するメタゲームの果てに、勝利を掴むのは誰なのか、果たして。


これは32人の参加者のみぞ知る、戦いの記録である。




侵略の始祖VS侵略の末裔、スピード勝負の先には



GOA編のカードがカードプールに加わってから3回目となる今回の決勝卓には、両者とも火文明のカードを使うプレイヤーが座ることとなった。

環境トップである赤白ライオネルを使って決勝戦までやってきた雨井潜層と、赤緑バイクを使うALL柴田だ。

赤白ライオネルはDMGP10thでも準優勝を飾ったことで一躍有名になり、基盤がそのまま使用できる2ブロック環境においてもトップメタとして勝ち続けてきたが、
それとは対極的に赤緑バイクを駆って勝ち上がってきたALL柴田には会場にいたプレイヤーも驚きを隠せない。

バイク、もといレッドゾーンによるビートダウンデッキが2ブロック環境に参戦したのは昨年度に発売された名場面BESTで再録された段階からだ。



昨年までの十王・王来2ブロックでは、<轟速 ザ・ボンバ>が使用可能だったため、小型のメタクリーチャーとともに攻撃を仕掛ける赤白バイクがメタの一角に食い込んでいた。


だが、十王編が2ブロック落ち(スタン落ち)してからバイクの役割はバイクというデッキのメインウエポンという役割から、赤単速攻におけるサブプランとしての役割へと変わっていった。

こちらが本年度の2ブロック環境における赤単速攻のテンプレリストである。

オリジナルフォーマットのように<罰怒ブランド>が使えない関係上、切り札である<我我我ガイアール・ブランド>と併せて使う押し込み要因として採用されるのが普通だった。



だが、ALL柴田の持ち込んだ赤緑バイクはオリジナルフォーマットの赤緑アポロ基盤を使った、紛れもない
「正真正銘のバイク」である。

レッドゾーンが現代で相手を薙ぎ倒しながら勝ち上がるだなんて聞いたこともない。いったいどんなデッキに仕上がっているのか。


そして奇しくもレッドゾーンを相手取るのは、レッドゾーンの力をスター進化という形で受け継いだ現代の侵略の代名詞、<キャンベロ<レッゾ.Star>>を使った赤白ライオネル。


侵略の始祖とその末裔による戦いが始まる。


GAME1


じゃんけんの結果、先攻を取ったのは雨井潜層。

レッドゾーンは3ターン目から侵略を決めることができるが、赤白ライオネルは速くても4ターン目からしかアクションを起こせないため、このマッチアップにおいてはとても重要な先攻である。

雨井潜層は長考の末に<スロットンの心絵>をチャージしてターンエンド。

続くALL柴田は<ジ・エンド・オブ・エックス>をチャージ。


筆者も最後に見たのが赤入りのチェンジザドンジャングル以来であるほどのなかなか見かけないSトリガーであるため、念の為雨井潜層はテキストを確認する。

返しのターン、雨井潜層は<ゲラっちょの心絵>をチャージからの<ライオネルの天宝>。1枚ドローしてターンを終了する。

ALL柴田の2ターン目。<進化設計図>をチャージして<ジャスミンの地版>をプレイし、マナを伸ばす。


雨井潜層の3ターン目、順調だと言わんばかりに<ルピア炎鬼の封>を送り出してターンエンド。

バイクとのスピード勝負に喰らいつくための最低条件をクリアした。


こうなると先に行動するしかないALL柴田。バイクの搭乗権を持っているなら攻撃するのみだ。

マナチャージをするとまずは<オンソク童子<ターボ鬼>>に進化して手札を入れ替えるとそのまま攻撃して<轟く侵略 レッドゾーン>に侵略。禁断の封印をはがしつつTブレイク。

ここでは<ゲラッチョの心絵>がトリガーして1枚ドロー。ALL柴田はターンを終了。


一見するとバイク側がそうするしかないとはいえ、赤白ライオネルに不用意に手札を与えるのはかなりのリスクだ。何故なら手札が増えれば増えるほど、赤白ライオネルが連鎖的に展開するためのカードが増えることを意味するからだ。

だが、こんなに手札が増え、軽量タマシードで手札を入れ替え続けたにも関わらず、雨井潜層の手札にはキーカードである<正義星帝<ライオネル.Star>>の姿がない。

雨井潜層の4ターン目、仕方なく<ルピア炎鬼の封>を<ボルシャック・モモキング・NEX>に進化させ、効果で<センメツ邪鬼<ソルフェニ鬼>>をめくって場に。
そのまま進化時の効果で<轟く侵略レッドゾーン>を破壊する。

完璧ではないにしろ、盤面を処理できた雨井潜層は反撃の芽を摘むために<センメツ邪鬼<ソルフェニ.鬼>>を攻撃に向かわせ、手札を入れ替えながらこちらも侵略。



上に重なるのはもちろん<キャンベロ レッゾ.Star>>。

このWブレイクで<ジ・エンド・オブ・エックス>がトリガーして封印するものの、返しのターンにALL柴田が出来ることは<オンソク童子<ターボ.鬼>>を場に出すのみ。

返しのターン。トップデックした<正義星帝<ライオネル.Star>>1枚から<アルカディアス・モモキング>まで降臨させた雨井潜層がダイレクトアタックを決めた。


雨井潜層   1-0      ALL柴田


GAME 2


負け先により、ALL柴田の先攻でゲームがスタート。
先攻の利を活かしてゲームを捲るべく、2ターン目には<ジャスミンの地版>をプレイする。


対する雨井潜層は2ターン目までマナチャージをするのみ。

そして迎えたALL柴田の3ターン目。<ジャスミンの地版>のおかげでマナチャージに手札を使わずに済んだことを活かして<カチコミ入道<バトライ.鬼>>に進化させ、そのまま<轟く侵略レッドゾーン>に侵略してTブレイク。

<スロットンの心絵>でもトリガーすればゲームセットだが、ここでもトリガーはない。あとは返しのターンに押し込むのみ。

こうなると窮地に追いやられる状況になった雨井潜層。できることをやるしかないため、<ルピア炎鬼の封>を場にだし、ターンが返ってくることを祈るのみ。



そしてALL柴田の4ターン目。後続の下バイクを引きたいところだが、デッキトップが期待に答えない。

ここで<轟く侵略レッドゾーン>を横に傾けると返しのターンに<アルカディアス・モモキング>に制圧されてしまうため、何もせずにターンエンド。



祈りが届いた雨井潜層。ゲームに決着をつけにかかる。

そして赤白ライオネルにこれだけ手札を与えるとどうなるか。雨井潜層はレクスターズ軍団を展開することで

マナチャージから<「正義星帝」 <ライオネル.Star>>を進化すると、効果で<ゲラッチョの心絵>をだし、<轟く侵略レッドゾーン>をタップしつつ<アルカディアス・モモキング>に即時に進化させてそのまま殴り返す。

こうすることで返しの下バイクがタップして登場するようになり、負けの芽がなくなる。

そして案の定、ALL柴田は何もできない。<ジャスミンの地版>を出してマナ加速するのみ。


そして迎えた雨井潜層の5ターン目。

応援に駆けつけた<キャンベロ<レッゾ.Star>>が<アルカディアス・モモキング>とともに侵略者の始祖を打ち倒したのだった。


雨井潜層  2-0     ALL柴田



WINNER     雨井潜層




大会結果





今大会トップ3カード


第3位 「正義星帝」 <ライオネル.Star>


もう誰もこのカードの勢いを止められない。

デュエル・マスターズプレイスの青単ツヴァイランサーや、殿堂入り前の<轟轟轟ブランド>の連鎖のように引きさえ追いつけば一瞬にして盤面を形成することが出来るカードが第3位にランクイン。

2ブロック環境にもメタカードが存在するとはいえ、相手のコスト踏み倒しを抑制するカードは<赤い稲妻テスタ・ロッサ>や、

<凶鬼77号ビムナム>程度しかなく、それらを上手く扱えるデッキは今のところ考案されていない。

もしそんな条件が揃ったデッキを作ることが出来たなら。
赤白ライオネル環境となった2ブロック環境であなたは勝つことが出来るだろう。





第2位 轟く侵略レッドゾーン



はっきり言ってなんで勝ち上がっていたのか、よく分からない。


利点を挙げるとすれば、やはり3ターン目から動ける速さだろうか。現代DMにおいて3ターン目に動けることと4ターン目から動けることには雲泥の差がある。


ただ、やわたCSにはたまに赤緑の未知なるデッキが勝つ日があるのだ。今回はその日だったのだろう。

だが、筆者は何故このカードが勝っていたのか本当に分からない。なんなんだほんとに。







第1位 キャンベロ<レッゾ.Star>


青黒シヴァンリンネや零龍墓地ソース、ルタチノ型赤青ミッツァイル、コバンザ入り青単ムートピアなどを世に送り出した知人の天才デッキビルダーは昨年の12月、JO退化が世にその名を轟かせた時にこんなことを言っていた。

「アルカディアス・モモキングとキャンベロが両方使える山に勝てるデッキはほとんど存在しないし、出来るとしたらヘブンズゲートかドラゴンズサインが入った山しか無理だから、ウィザーズは全国大会2019でJO退化と光のトリガーが入ってるデッキが決勝戦を戦ってるのを見たいんだと思うよ」

この時の筆者はなんとなく聞いていたが、これが半年後に本当になっているのだから恐ろしい。

ちなみにこれを聞いたのは王来編第4弾が発売された後の大晦日である。


何が言いたいのかというと、<アルカディアス・モモキング>と<キャンベロ<レッゾ.Star>>の組み合わせを受けれるデッキなどそうそういないということである。


その2枚の橋渡しをJOの次に上手くこなしておるライオネルは環境を定義するのに相応しいということだ。今後も2ブロック環境を牽引していくデッキであることは疑いようもない。



今週は赤白ライオネルが全体の1/4程度を占め、5cの勢力が押されている週だった。次回も赤白ライオネルが勝つのか、それとも誰かが別のアプローチを見つけるのか。GOA編2弾発売前最後の環境を勝つのは誰なのか。

次回開催日は11/19日。興味が出た方は本八幡へ。






                     おわり








あとがき


どうもFeiです。気がつけば3回目のカバレージ挑戦です。3日坊主は取り敢えず回避出きたということでよさそうですね。

今回は2ブロック初参加の人が多かったような気がします。

自分は5cが幅広く見れて、盾勝負も出来るからケンジだけ無視すれば勝てると踏んでいたのですが、まぁミラーや母数少なめのケンジに当たっていたので今週は勝ちきれませんでした。南無。今度はボルシャック強化弾発売後の環境を考えなければダメになりました。



11/19日開催分は筆者の仕事の都合でお休みさせていただきます。


次回は12月分の予定です。よろしくお願いしま〜す!!



             ほんとに終わり

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