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テキストカバレージ 「やわたCS2ブロック決勝戦」2022/10/22 黒緑ケンジVS赤白ライオネル   人事を尽くして天命を待つ先にあるものは


GOA編最初のパックである「伝説の邪神」発売後最初の2ブロックCSが開催されてから2週間が経過した。

新環境最初に勝利を飾ったのは新DMのメインである<アビスベル=ジャシン帝>が率いるアビスロイヤルだ。

オリジナルやアドバンスと違い、2ブロック環境では赤白ライオネルや赤単と並んで、メタが効きにくいビートダウンデッキとして高い勝率を叩き出している。


そしてそれを追うのは赤白ライオネルや5cコントロール、アナカラーハンデスといったデッキ群。

第一回目の結果からメタはどう動くのか。今回は10月22日開催分決勝戦の様子をお届けする。



人事を尽くして天命を待つ先にあるものは -GP準優勝デッキVSケンジキングダム-


GOAプールが追加されてからの2ブロック環境は大きく分類すると、ビートダウンとコントロール、アンフェア(ソリティア)デッキの3つによる3すくみ環境となっている。

ビートダウンはアンフェアデッキに速度の面で有利がつくかわりにコントロール相手にはトリガーの枚数勝負を要求される。赤白ライオネルやアビスロイヤル、赤単などがこれに該当する。

コントロールはビートダウンに対して有利なゲームを期待できる分、アンフェアに倒しては不利がつきやすい。5cコントロールやアナカラーハンデスなんかがそうだ。

アンフェアはコントロールデッキに有利に動ける分、ビートダウンに対しては苦手とするスピード勝負を強いられる。


そんなメタゲームが繰り広げられている。


そんな環境で勝ち上がってきたのは、ビートダウン代表の赤白ライオネルと、





アンフェアデッキ代表のケンジキングダムである。


ケンジキングダムは今年度に入ってからデッキ名が有名になったが、2ブロック環境では登場した1年前からずっと環境で存在感を発揮していた。

昨年度までは<地封龍ギャイア>を、今年度は<零獄接続王ロマノグリラ>を当たりカードとして対面との会話そっちのけで、一人ガチャを回し続け、4ターン目には大型クリーチャーを踏み倒してきた。

しかしコンボデッキとは常にメタカードに殺される宿命にある。

昨年度まではどんなデッキにも採用される1コスのジャイアントに屈し、


今年はパーフェクトシリーズ呪文を全否定する長老に、ついでのように妨害され続けてきた。


だが、今年はケンジキングダムにとっての天敵が増えただけではない。他のデッキと対等に戦うための強化となるカードも与えられた。

その立役者が<ツクっちょ <メイ様.Star>>。
ケンジ・キングダムの究極進化をたったの1マナで助けつつ、邪魔なメタクリーチャーを事前に倒すことが出来る。ケンジキングダムにとっては革新的なカードだった。


<アルカディアス・モモキング>+<キャンベロ <レッゾ.Star>>による相手の行動を縛り続けて決勝戦までやってきた赤白ライオネルと、

すぐさま大型クリーチャーで制圧するケンジキングダム。

赤白ライオネルを操るバルクスと、

長い間ケンジキングダムと向き合ってきたGachi@GT。




先にコンボを決めた方が勝つスピード勝負が今始まる。



GAME 1

じゃんけんの結果、このマッチアップにおいて貴重な先攻を取ったのはバルクス。
<邪王来混沌三眼鬼>をマナチャージしてターンを終えるが、そのチャージから相手が赤白ライオネルであることを悟った対戦相手のGachi@GTは「なるほどね〜」と苦笑い。

先に説明しておくと、Gachi@GTは去年から一貫してケンジキングダムを続けて勝ち星を重ねてきた選手である。
元気かつ謙虚で、接しやすい人柄であるが、いつの時代も環境に合わせてカードを変えながら、対戦相手をケンジキングダムで不幸な目に遭わせてきた。その証拠に今日も予選全勝し、無敗で決勝まで勝ち上がっているスペシャリストだ。愛用するデッキの弱点などほとんど把握している。


それ故にこのマッチアップが自分にとって不利であることを分かっているのだ。


しかしだからといって出来ることは限られている。

最初のターンにGachi@GTは<零獄接続王 ロマノグリラ0世>をチャージする。
闇文明と自然文明の色を4ターン目までに用意する必要があるケンジキングダムにとって、1ターン目のチャージとしては満点だ。

続く2ターン目、3ターン目までやることが少ないバルクスは<<キャンベロ <レッゾ.Star>>をチャージ。


バルクスとは対照的に、序盤から動く必要があるGachi@GTは、<超神羅ギュンター・ペガサス>をチャージしてから、進化元として<フェルナンドの黒像>を場に出す。

メタカードをどかしながら進化元になるケンジキングダムのためのようなタマシード。




ようやくアクションを起こせるバルクス。<ルピア炎鬼の封>を場に送り出すことに成功し、次のターンで<「正義星帝」 <ライオネル.Star>>への進化が可能な状態にする。

後攻3ターン目を迎えたGachi@GTも<ツクっちょ <メイ様.Star>>に進化させて、究極進化への準備を万端にする。

相手が<キャンベロ<レッゾ.Star>>を持っていないという一縷の望みにかけて。



だがバルクスは2ターン目に<キャンベロ<レッゾ.Star>>をチャージしている。

そして、そんなGachi@GTの淡い期待は現実に存在しないことを、<「正義星帝」 <ライオネル.Star>>は自身の展開力を見せることで突きつける。

<ルピア炎鬼の封>のおかげでマナチャージに手札を使わなくて済んだバルクスは、<「正義星帝」 <ライオネル.Star>>を進化させると効果で<カーネンの心絵>を出して<ルピア炎鬼の封>と<邪王来混沌三眼鬼>を回収。

すぐさま2枚目の<「正義星帝」 <ライオネル.Star>>を進化させ、<カーネンの心絵>で<センメツ邪鬼<ソルフェニ.鬼>>を回収してそのまま場に。
<<センメツ邪鬼<ソルフェニ.鬼>>の出た時の効果で<<ツクっちょ <メイ様.Star>>を破壊して返しのターンの究極進化の目を摘む。


そしてバルクスの勢いは止まらない。

<センメツ邪鬼<ソルフェニ.鬼>>を攻撃へと向かわせると、ダメ出しの<キャンベロ レッゾ.Star>>侵略を決め、Wブレイク。


相手のトリガーが何もなかったことからバルクスはそのまま続けて<「正義星帝」 <ライオネル.Star>>を攻撃に向かわせると、そこでようやくGachi@GTがGSを見せることに成功したため、バルクスはターンを終了する。


だが、侵略で出てきた<キャンベロ レッゾ.Star>>がかけた制約はGachi@GTにとってあまりにも重い。

返しのターン、Gachi@GTは何もできないことを悟ると投了を宣言した。

バルクス  1-0    Gachi@GT



GAME2


負け先で大事な先攻を取ったGachi@GT。勝負を振り出しに戻すべくプレイしようとするが、手札は芳しくない様子。
<超神羅ギュンター・ペガサス>をチャージして<とこしえの超人>を場に送り出す。先手で手札が1枚少ない状態でのこのプレイに筆者は驚きを隠せなかったが、このプレイが正しい理由は2ターン目に判明する。


対するバルクスは長考してから<邪王来混沌三眼鬼>をマナチャージ。

2ターン目にGachi@GTは<とこしえの超人>を<晴舞龍ズンドコ・モモキング>へと進化させて1ブースト。



なんと3ターン目にして黒マナ用のカード+<超神羅ケンジ・キングダム>が揃えばプレイ出来る状況になっている!! 
長い間使い続けてきたからこそできるプレイということか。次のドローに望みを託して番を終える。


となるといきなりリーチがかけられてしまったのはバルクス側。

しかし赤白ライオネルに2マナで相手の行動を妨害出来るカードはないのでマナチャージしてターンが回ってくることを祈るしかない。


そして迎えたGachi@GTの3ターン目。
手札枚数が少ないため、このターンにケンジキングダムのプレイは確率が低いと思われるが、先攻を取っているおかげであと2ターン猶予がある。それまでに<超神羅ケンジ・キングダム>がプレイできればいいだけだ。


力強くドローするGachi@GT。


引くな!と念じるバルクス。



しかし、Gachi@GTの手元に来たカードは、望み通りのものではなかった。


Gachi@GTは長考の末に<CRYMAXジャオウガ>をチャージするだけでターンを終える。持っている2枚の手札では何も出来ないことは一番分かっているのは本人だろう。



運に恵まれ、命拾いしたおかげで3ターン目が帰ってきたバルクス。ドローしてマナチャージをした段階で長考する。

長考しているのには理由があるので、この時のバルクスの手札の画像を添付する。

画像はデッキメーカーより引用

https://deck-maker.com/?redirectedFrom=v1



簡単に説明するとこのターンの行動に選択肢が2つあるのだ。

1つ目は<ルピア炎鬼の封>をプレイすること。


<<「正義星帝」 <ライオネル.Star>が手札にないため後続が続かないという裏目があるが、最悪<アルカディアス・モモキング>や<キャンベロ <レッゾ.Star>>に繋げてささやかな妨害は出来る。だがその場凌ぎでそれでは勝てない択でもある。


2つ目は<カーネンの心絵>をプレイすること。

手札が増え、先の展開まで見通すことができるが、返しのターンに<センメツ邪鬼<ソルフェニ鬼>>と<キャンベロ レッゾ.Star>を絡ませる以外に直接妨害を挟むプレイが出来なくなる。気持ち後ろよりな選択だ。




筆者なら<ルピア炎鬼の封>を出しそうだが、皆さんはどうだろうか。




ちなみにバルクスは3ターン目に<ルピア炎鬼の封>をバトルゾーンに出した。

次のターンに<「正義星帝」 <ライオネル.Star>が駆けつけることを信じて。


いよいよ余裕がなくなってきたGachi@GTの4ターン目。上から何かを引くしかないが、引いてきたのはまたしても求めていたカードではない。なかなか揃わないコンボパーツ。

仕方なく<センメツ邪鬼<ソルフェニ鬼>>の破壊効果から<晴舞龍ズンドコ・モモキング>を守るために<とこしえの超人>を場に出してターンエンド。


ターンが帰ってきたバルクス。ドローしたのは<邪王来混沌三眼鬼>。先程の<とこしえの超人>によって腐ってしまっている。

<ルピア炎鬼の封>を残すか、踏み倒しを直接止められるわけではないが妨害が出来る<アルカディアス・モモキング>に進化させるか悩んだ末に、<アルカディアス・モモキング>に進化してターンエンド。


続くGachi@GTのターン。上からやってきたのは2ターン前から欲しかった<進化設計図>。

だが、相手の<アルカディアス・モモキング>の聖なる光によって使うことができない。運命とはどこまで残酷なのだろうか。

Gachi@GTにとれる行動はない。


素晴らしい嗅覚で首の皮が繋がったバルクスの5ターン目。
<カーネンの心絵>から<ゲラっちょの心絵>と<キャンベロ <レッゾ.Star>>を回収すると、すぐさま<ゲラっちょの心絵>で相手のクリーチャーを寝かせて保険として<キャンベロ <レッゾ.Star>>の侵略をきめる。

6ターン目を迎えたGachi@GTだが、<キャンベロ <レッゾ.Star>>によってデッキは完全に機能停止しているため、「何もできないよー」と心の声を漏らすことしかできない。

<アルカディアス・モモキング>の制約がないうちに<進化設計図>を唱えて<晴舞龍ズンドコ・モモキング>と<超神羅ケンジ・キングダム>を回収する。

そして一応記念とばかりに<超神羅ケンジ・キングダム>を進化させるが、<超神羅ギュンター・ペガサス>、<とこしえの超人>、<超神羅ケンジ・キングダム>が墓地に虚しく落ちる。


返しのターン。
駆けつけた<「正義星帝」 <ライオネル.Star>>1枚から進化クリーチャーを3体展開したバルクスが、<「正義星帝」 <ライオネル.Star>>でGachi@GTにトドメを刺した。


               WINNER  バルクス


こうしてかつてJO退化のメインウエポンとして暴れていた<キャンベロ <レッゾ.Star>>と<アルカディアス・モモキング>は自分達の力がまだまだ現役であることを証明したのだった。


バルクス  2-0     Gachi@GT




大会結果



全体母数



今大会トップ3カード


第3位 アビスベル=ジャシン帝


前回の優勝もあってか、今大会では5cコントロールと同率で使用率トップを叩き出し、今回もベスト4に1人を送り込むことに成功している。

<深淵の三咆哮バウワウジャ>によって2枚程度のトリガーでは止まり切らない打点、継戦能力、プレイの簡単さなどから2ブロックでは地位を確立しつつあるようだ。


第2位 超神羅ケンジ・キングダム


筆者の個人的な気持ちとしてはこのカードは環境にいない方がありがたいと思ってしまうが、裏を返せばそれほど強力なカードであるということだ。

なんと言ってもその利点はコンボまでのキルターン。ほとんどのデッキが4〜5ターン目にアクションを取る環境において3〜4ターンで相手を倒すことができるには他のデッキにはない優位性である。

また、アビスロイヤルにも共通することではあるが、2ブロック環境においてもメタカードは存在こそすれど、オリジナルやアドバンスほどの力を発揮するわけではない。一度処理してから2枚目がすぐ出てくるわけではないことも追い風である。2ブロックだけでなく、オリジナルでも今後強い週が出てくることだろう。

みなさんも森の中でクマさん(パンダ)に出会った時は気をつけよう。



第1位 キャンベロ <レッゾ.Star>



マンハッタン効果、と言われるジョーカーズの系譜を持つこのカードはいつまでも強いのだろうか。

全体母数が少ないにも関わらず今回優勝を掻っ攫っていった。

JO退化で証明されていたように、現代DMではこのカードと<アルカディアス・モモキング>の組み合わせで機能不全にならないデッキはほとんど存在しないのではないか。

GP 10thで準優勝した実績は伊達ではないのだろう。









あとがき



どうもみなさん、Feiです。

2ブロックのテキストカバレージも今回で2回目になりました。(開催日にそのままUPする体力がないこと以外は)意外となんとかなるもんですね。あと今回の決勝戦は2本で終わったのもありがたかったです。3本にもつれ込むとだいぶキツい。


このnoteが投稿される時間軸としては、オリジナル環境ではグレートグラスパーを中心としたグラスパーループが猛威を振るい、来週にはGPから影を潜めていた赤緑アポロやケンジキングダムのようなキルターンが速いデッキが上がってきそうな頃合いです。


なんだよ赤単でも5cでもグラスパーに負け越すからアポロとケンジキングダムで対抗する環境って。嫌すぎんだろ。


というか気がついたらデュエキングMAXが発売されるので環境も変わりそうでよかったです。今年の刃鬼の新規パーツはなんなのか、ガイアッシュを超える強化が来る気はしませんが楽しみにしてます。ちなみにオールインチャージャーはクソ強いです。


ドラゴン基盤はいつまで強くなるんだろうね。



ただまぁ環境が1ヶ月ごとに変わるオリジナルとアドバンスとは違って、2ブロックは暫く今のままだと思うので、やり甲斐はあるのがいいですね。次回は流石にライオネルが増えるんじゃないかな。特攻人形をぶち当てるのがオススメ。

それでは今回はこれで。また次回があればお会いしましょう。



                 ほんとにおわり





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