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テキストカバレージ「やわたCS2ブロック決勝戦」2022/12/10 ドラサイ5c VS 4c天門 -開かれる天国への門、龍を呼ぶ呪印-






激動の2022年も残すは1ヶ月。

主人公が変わり、アビスロイヤルなどの新興勢力が台頭してからはや2ヶ月。

王来・王来MAX・GOAのマークがついたカードのみが戦うことを許されたフォーマット、「2ブロック」フォーマットでの戦いも佳境を迎えている。

王来編を戦い抜いたレクスターズとディスペクターにGOA編の新参達はどこまで通用するのか。

さらにもうすぐGOA編 第2弾「轟炎の竜皇」がカードプールに追加される。デュエマの看板を背負う「ボルシャック」までもが戦いに加わる。


この戦場こそは、デュエルマスターズの基本である「オリジナル」でもなく、全ての戦略、荒技が飛び交う「アドバンス」とは異なる、ヤバいフォーマット。


今を代表するクリーチャー達が戦う「2ブロック」フォーマットの記録である。



開かれる天国への門、龍を呼ぶ呪印



今回決勝の席に座るのは、現代ではゼーロベンというデッキ名の顔である<砕慄接続グレイトフル・ベン>を中心にすえた、4c天門を使うほむたろうと、
<龍風混成ザーディクリカ>を軸に戦う5cコントロールを使うもると。
どちらも年間を通してコンスタントにやわたCSに参加し続けてきたプレイヤーである。

そして奇しくも2人とも方向性とデッキのカラーリングが違うとはいえ、光文明のSトリガーを採用した守りを重視したデッキになっている。

過去から現在に至るまで、光文明の代表的なカードとして活躍し続ける<ヘブンズ・ゲート>と、


現代DMを象徴する<ドラゴンズ・サイン>。

天国への門と龍を呼び出す魔法陣。この2枚からは光文明のクリーチャーが登場することは容易に想像出来る。


そしてこの2人は仲のいい知り合いでもある。2人がよく通うワンダーグー瑞江店では日々切磋琢磨する間柄であるとのこと。

だが、どんなに気心知れた相手で決勝の席に座ったからには、倒すべきライバルだ。

あと2勝。栄光の優勝まであと2勝。ともに成長してきたライバルを相手に2人は決勝戦に挑む。




GAME1


もはや現代DMにおいて先攻の優位性は確固たるものとなっている。そしてそれはこの試合にも言えること。

激しく繰り返されるじゃんけんの果てに先攻を獲得したのはほむたろう。<終末縫合王ミカドレオ>、<若き大長老アプル>とチャージして、2ターン目に<地龍神の魔陣>でブーストする。

そしてほむたろうは3ターン目には<神徒メイプル-1>を召喚し、もるとの手札が多色カードで溢れていることを確認してからから単色かつリソース源となる<神の試練>を捨てさせる。

対するもるとは2ターン目まで多色カードをマナチャージして3ターン目に<お清めシャラップ>を唱えて1ブーストする立ち上がり。

しかし返しの4ターン目、ほむたろうの手札も多色のカードが嵩張り、パス。多色カードがデッキの半分近くを占める現代のデッキならではの課題が足を引っ張る。

その隙にもるとは<切札勝太&カツキング〜熱血の物語〜>をプレイし、<龍風混成ザーディクリカ>を回収すると、ササゲールで利用されないように<神徒メイプル-1>をマッハファイターで破壊する。



だが、ほむたろうも<終末王秘伝 オリジナルフィナーレ>で相手のクリーチャーを破壊しながらリソースを確保する。

この段階でマナが8マナまで到達し、手札に控える<砕慄接続グレイトフル・ベン>召喚の準備が整う。


なんとか妨害を挟みたいもるとだが、5ターン目は<お清めシャラップ>を撃ってマナをのばすことしかできない。


ほむたろうの6ターン目、<砕慄接続グレイトフル・ベン>が現れる.…と思いきや、プレイされたのは前のターンと同じように<終末王秘伝 オリジナルフィナーレ>。
リソース回復をしながら<若き大長老アプル>と<とこしえの超人>を場に送り出す。

先程墓地に送られ、蘇生や手札からの召喚でも有効打となる<龍風混成ザーディクリカ>へ繋がるカードとその効果を封じる形でターンを返す。


踏み倒しと墓地からの呪文詠唱を封じられ、効果を最大限に発揮出来なくなったもるとの<龍風混成ザーディクリカ>だが、それでも相手の盤面を処理しなければ次がない。

もるとは渋々7マナを払ってこれを召喚し、禁断の封印を剥がしながら手札から<灰燼と天門の儀式>を空打ちすると、ターン終了時の効果で<若き大長老アプル>を破壊しつつ1ドロー。


こうなると苦しくなってしまうのはメタカードで手札を消費してしまったほむたろうの方。

しかしそれを補うことが出来るのがほむたろうが大事に抱えていたディスペクター。
上から駆けつけた≪霊宝 ヒャクメ-4≫を召喚してマナを増やしながら手札を一枚叩き落とすと、それをすぐさまササゲールで破壊しながら≪砕慄接続グレイトフル・ベン≫を召喚し、墓地のカードをマナゾーンに移動させながらマナからディスタスである≪霊宝ヒャクメ-4≫を再び召喚する。


手札もマナも、挙げ句の果てにはバトルゾーンまで差をつけられたもるとに出来ることは、≪天災デドダム≫を召喚することだけ。


返しのほむたろうのターン。
≪砕慄接続グレイトフル・ベン≫一枚から≪零獄接続王ロマノグリラ≫を2枚連鎖させながら<終末縫合王ミカドレオ≫まで展開したほむたろうの手には終末縫合王による特殊勝利が与えられた。


もると   0-1       ほむたろう


GAME2

1ゲーム目を勝利し、心に余裕が生まれたと零すほむたろう。それとは対照的に後がなくなったもると。しかしそんな2ゲーム目が始まるまでのデッキカットの間、2人の間ではそんな会話が繰り広げられていた。

そこに乗っかる筆者とジャッジのスガは2人に向かって「前日の深夜に行われたサッカーワールドカップのクロアチアVSブラジルの試合を思い出して油断しない方がいいぞ!!」と茶化す。
12/10日に行われたこの試合は先制されたクロアチアがなんとか同点に追いつき、PK戦の果てに逆転勝利を収めている。

優勝がかかった試合であるにも関わらず、こういう微笑ましい場面があるのが、カードゲームの一番大事な部分なのだと筆者は思う。この会場にはそんな熱意がある愉快な仲間たちが集まり、そんな和やかなコミュニティになったのだから。


試合の展開に話を戻そう。


負け先攻のルールによりもるとの先攻でゲームが始まるが、ファーストアクションはもるとの3ターン目に場に出た≪天災デドダム≫。

そして続くターンにほむたろうも≪地龍神の魔陣≫で負けじとブーストする。

4ターン目にはもるとが≪お清めシャラップ≫でブースト、対するほむたろうは≪神徒メイプル-1≫で≪灰燼と天門の儀式≫を捨てさせる。


そしてなんとか7マナまで到達したもるとの5ターン目、5cザーディクリカの必殺技である≪ロスト・Re・ソウル≫を叩き込み、ほむたろうの手札を刈り取る!!

これこそがこのマッチアップで5c側が有利とされる大きな理由だ。


一瞬にして手札が無くなったほむたろうは引いた≪若き大長老アプル≫を場に送り出してターンエンドするしかない。

相手がもたついて余裕あるもるとは手札から≪神の試練≫をプレイ。デッキの上から6枚公開され、手札が6枚も増える。

リソース差をつけられるほむたろう。トップで引いた≪神徒メイプル-1≫を出して望みを繋げるが、ベストな手札を捨てさせようとも、もるとが取れる選択肢が多いことには変わりない。

この段階で≪龍風混成ザーディクリカ≫がいればゲームに決着が着いていたが、もるとは安全に勝つためにマナゾーンのカードを回収できるステゴロカイザーでマッハファイターで≪若き大長老アプル≫を処理してターンエンド。

返しのほむたろうのターン。≪霊宝ヒャクメ-4≫を出すのが精一杯。

そんなほむたろうに≪神の試練≫を唱えながら2回の追加ターンを得たもるとの攻撃を耐え凌ぐ術はなかった。


ほむたろう    1-1        もると

GAME3

2ゲーム目を制し、勝負を振り出しに戻したもると。
それに対して余裕がなくなったほむたろう。

ほむたろう「マジで逆転されそうなんだけど....。」

もると 「あと一勝だから勝たせてくれ頼む!!」

2ゲーム目の前に繰り広げられたワールドカップの話と同様の展開になりつつあるこの決勝戦。だが、泣いても笑ってもあと1ゲームだけだ。

多くの参加者が次なる戦いの場である津田沼へと移動し、観客がほとんどいない会場で、親しき2人の最後の戦いが始まった。




先攻を取ったもるとは3ターン目に≪天災デドダム≫を呼び出しフルスロットル。

デドダムもそれに呼応するかのように力を発揮する。確認したデッキトップの3枚はなんと全て≪龍風混成ザーディクリカ≫!!

手札の≪ドラゴンズ・サイン≫と≪灰燼と天門の儀式≫のどちらからでも繋げることができる状態を作り上げる。

対するほむたろうは多色カードを2枚チャージしてからの≪若き大長老アプル≫。
ブーストができない苦しい立ち上がり。せめて≪神徒メイプル-1≫でも出せていれば未来は変わっていたのかもしれない。

しかしもるとはもたもたしているほむたろうに向けて自分の持てる全てをぶつける。

≪切札勝太&カツキング〜熱血の物語〜≫を召喚し≪ドラゴンズ・サイン≫を回収するとマッハファイターで攻撃に向かわせ、


殿堂カードである≪蒼き団長ドギラゴン剣≫へと革命チェンジ!!

ファイナル革命で手札に戻った≪切札勝太&カツキング〜熱血の物語〜≫を出し直し≪覚醒連結 XXDDZ≫を手札に加えて≪若き大長老アプル≫を討ち取る。

この一連の動きでもるとは≪龍風混成ザーディクリカ≫、≪ドラゴンズ・サイン≫、≪覚醒連結XXDDZ≫を手札に揃え、ほむたろうに勝利宣言を突きつける。

返しのターン。ほむたろうじゃ4マナで≪神徒メイプル-1≫で手札を確認し、もるとの手札にある≪龍風混成ザーディクリカ≫を叩き落とし、次への望みをつなぎ、祈りを捧げてターンを返す。




デュエル・マスターズにはトップが光る、という言葉がある。


もちろん漫画やアニメのシーンを元にした比喩表現なのだが、この時その場にいた全員は間違いなく、




その光景を目の当たりにした。





もるとがドローしたカード。それはゲームセットを告げるために現れた、ラッカカラーのディスペクター。



≪龍風混成ザーディクリカ≫。

ザーディクリカはドラゴンを呼び出す呪印から解き放たれ、

最後の嵐を同時に呼び出すと、ほむたろうを助ける天国への門を開かせることなく、もるとを勝利へと導いた。



ほむたろう    1-2            もると



大会結果







今大会トップ3カード



第3位 アビスベル=ジャシン帝


相変わらず2ブロック環境でトップシェアを誇る新主人公が使うミッドレンジ。GOA編の1弾のみのカードプールだけでこの出力を誇るので今後の期待も高まる。

今回もベスト4に1名送り込むが、参加者の間で意識されてメタがはられていたためか、前回ほどの活躍は出来なかった。

だが、来週からはGOA編第2弾のカードプールが追加され、バケモノの様な新規カードが配られる。

これからの期待を込めて3位に選出した。


第2位 若き大長老アプル


現代DMにおける代表的なメタカードにまで上り詰めた大長老。

以前のカバレージで筆者は2ブロック環境には≪有象無造≫が使えないためにアビスロイヤルの方が複数除去カードを積むことができる点で有利と書いた気がするが、

今回のほむたろうのデッキは大長老だけでなく、≪とこしえの超人≫まで搭載している。


メタカードの枚数を増やすところから徹底的にアビスロイヤルへ対抗する意思を感じ取れる。
そして破壊されてもそれをすぐさま呼び出す≪砕慄接続グレイトフル・ベン≫がデッキをまとめている。

こういったメタ読みを行ったうえでデッキに落とし込む努力が今大会で決勝まで辿り着いたことを裏付けているのだろう。



第1位 龍風混成ザーディクリカ


年間を通してベスト4入賞マシーンと化しているドラサイ5cからメインウエポンがランクイン。


もはや説明は不要だろう。2ブロック落ちするまでは暴れ続ける。そんなカードである。これからも我々プレイヤーはこのディスペクターと向き合い続けなくては2ブロック環境を生きていくことは難しいだろう。




あとがき








仕事が繁忙期で執筆が遅れました。大変申し訳ありませんでした。






来週からはGOA編第2弾が追加されます。個人的な注目カードは≪邪龍ジャブラッド≫です。来週開催分では使用可能とのことだったので、皆さんも対策をしましょう。では今回はこれで。またお会いしましょう。



                 ほんとにおわり


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