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物件探しの借りる側と貸す側の気持ち②

大家さんも色々タイプがあって、副業で不動産を買ってオーナーになった人もいれば、先祖代々昔からその場所に君臨しているタイプの方もいらっしゃいます。
昔からの地主さんタイプの大家さんはクセのある人が多いですね。
あまり金銭の苦労をせず、エスカレーター式にお金を生んでくれる土地建物を相続すると、そうなっちゃうんでしょうかね?

食い下がってきた不動産屋の若人

数年前、とある所有マンションの話。

あと一つの空室をうめたかったけど、時期的にもなかなか申し込みがなく、困っていた時に不動産から連絡がきて、

『〇〇マンションまだご紹介は可能でしょうか?』

おお、やっときたか、

申し込み者の詳細を聞いてみると、会社の役員をされている方で70歳近い男性、一人で住むという。

これから高齢化社会になるとはいえ、大家さん側からすると高齢者はできるだけお断りしたいのが本音で、ウチのルールでは60歳までと決めている。

しかも、対象のマンションは3LDKだ、高齢者一人で住むにはちよっと広過ぎやしないか?

ちょっと怪しい匂いもする…

高齢者という点と、その方が契約だけしておいて実際は会社の外国人労働者が数人で住むんじゃないかという懸念があったので、その申し込みの時点でお断りをしました。

すると、

『何でですか!70歳とは思えないくらいすごく元気な方ですし、僕は会社にも行ってきました。外国人の労働者はいませんでした!』
と、食い下がる、
でも会社のウェブサイトみると、外国人労働者がたくさん載っている工場の画像が普通に掲載されている。

うーん

今は元気かもしれないけど、一人で高齢者を住ませるとなると孤独死というリスクを考えなくてはならない。
大家業も商売なのだから。

集合住宅で孤独死が起きると、時間の経過にもよるけど死臭が取れなくて最悪の場合その後、貸し出す事が不可能になるケースだってある。

異臭や害虫の大量発生に対する周囲の苦情もあるし、それが嫌で退去される方もいらっしゃるでしょうし、警察と現場の立ち合いや、原状回復の費用や、相続人との損害賠償の請求など、何ひとつ良いことはない。

『君は、責任が取れますか?』
『その方の連帯保証人になれますか?』

と、強い口調で問いただすと彼は黙った。

『借主の為を思ってのことなのか、単純に自分のインセンティブの為なのかわからないけど、君の熱意は伝わった。だけど大家さん側の立場もあるんだから、一方通行で突っ走るんじゃなくて、もうちょっと勉強した方が良いよ。』

文章では、あまり伝えられないけど
彼はかなりの勢いで詰め寄ってきたし、相当な時間を費やした。
電話をきった後、左耳がちょっとふやけていたくらい長かった。
彼のような熱意のある人間は、何かで成功していることを願う。


また一から物件探し

こんな数年前のことを思い出した。

きっと、今回の店舗探しで私を担当してくれた若い不動産屋の方も、熱意を持って大家さんに言ってくれたのだろうと思うと感謝の気持ちが込み上げてくる。


地元のネットワークを通じて断られた理由は大体わかったけど、その理由だったら申し込みの段階で言えよってちょっと思った。
告白してOKで、結婚を前提に付き合って、3年経ったある日、結婚しようって言ったら、あなたの顔がタイプじゃないから無理って断られたような気持ちだ。
やっぱり昔ながらの大家さんってのはクセがあってよくわからない事にこだわりがある人が多い。


捨てる神あれば拾う神あり、また良好な物件を見つけたけど、同じパターンにならない事を祈るばかりだ。

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